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( ^ω^)ジャックランタンがやってくるようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:42:06.29 ID:vJfINYhB0

―――ハロウィン。

それは太古から続く伝統行事。
10月31日に行われるソレは、お化けを模様した仮装に、バラエティーに富んだお菓子が町に溢れかえる。
夜の闇が町を包み込む時間になっても、その日は凝った電飾が暗闇を阻んでいた。

そう、それは幸せなお祭り。

普段は怒りっぽいお爺さんも、隣の家に住む美人なお姉さんも。

みんなみんな、笑顔で楽しく一日を過ごすのだ。


……だが、ここに一つの知られざる真実がある。

幸せな世界に忍び寄る、不穏な陰とは―――




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:42:31.42 ID:vJfINYhB0








( ^ω^)ジャックランタンがやってくるようです







5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:44:15.26 ID:vJfINYhB0

('A`)「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
    死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
    死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
  死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

いきなりの死ね弾幕に驚愕するのも無理はない。
自分でもちょっぴりやりすぎたなとは思っている。

――俺の名は、なんとドクオという。

マジでびっくり、だって俺の母ちゃんの名前が幸子で、父ちゃんが和夫だぜ?
何でオレだけ片仮名で、しかもドクオなんておかしな名前になっちゃったの?
我が子の名前を考える時ぐらい頑張ろうよ。野比家もビックリのネーミングセンスだよ。


……と、話を戻すことにしよう。
俺が何故、こんな風に卑屈な独り言を呟いていたか。

何を隠そう、今日は10月31日、ハロウィンなのである。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:46:23.31 ID:vJfINYhB0

('A`)「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
    死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死しぇにぃぇ」ブチッ

(;'A`)「噛んだ……鬱だ死のう、俺死ね俺死ね俺死ね……」


ハロウィンと聞いて様々な妄想が頭に浮かんだんだ。

=========================

ビッチ「今日はハロウィンよ!」←おもむろに服を脱ぐ

DQN「そうだね、トリック・オア・トリート?」←チンポを露わにする

ビチ糞「うーん、じゃあトリートかな><」←お尻を突き出す

ド糞「よーし、俺のキャンディーをプレゼントだ!!」←挿入

ビチ糞「あひいぃぃぃんんんっっ!!」プシャァァ←潮吹き

=========================


大体、こんな感じの妄想。
リア充の頭の上に隕石が墜落すればいいのに。


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:48:38.31 ID:vJfINYhB0

友達一人いない俺にしたら、お祭りなんて糞程の価値もない。
ていうか、俺が学校で友達出来ないのも絶対に名前のせいだし、俺悪くねーし。

('A`)(確かになのはたんの抱き枕を抱いたまま登校したのはアレだったけど……)

あれ以来、明らかに周りの空気が変貌したように思う。
ドクオって名前じゃなければ、多分、『お前最高wwww』みたいなノリで歓迎してもらえたはずだ。


……まぁ、今はそんなことどうでもいい。

時刻は夕方6時、ハロウィン終了までも同じく6時間。
秋は深まっており、この時刻になれば、空の色は漆黒に塗り替えられている。
一人で歩くには、ちょっと心もとないくらいだ。

('A`)(でも寂しくなんか無いんだ)

だって、民家からは楽しそうな声が響いてくるんだもの。
あははははははは!!……笑ってたら職務質問された。俺、普通の高校生なんですサーセン。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:50:09.72 ID:vJfINYhB0

両親はハロウィンくらいはと、デートに出かけた。
ある意味、一番身近に存在するリア充だ。長生きしてから死ね。

だから、俺はコンビニに夕飯を買いに行こうと歩いてる訳なんだが……。


('A`)「――あれ?」

田中さんの家の角を曲がったところで、妙な違和感を覚える。

第一に、民家から笑い声が聞こえない。ちょっと嬉しい。
第二に、人の気配を感じない。暗いといってもまだ夕方だというのに。

先ほどまで、警官が俺をマークしていたはずなのに、振り返っても誰もいない。
今なら全裸になっても逮捕されないかもしれない、試してみるべきだろうか。


第三、これが一番ヤバイ。

人の気配を感じない―――だけど、誰かが俺を見ている……!!


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:52:06.99 ID:vJfINYhB0

その視線に不穏なものを感じた時、俺は目を疑うことになる。

周囲に誰もいないことを確認した。
しかし、もう一度振り返ると、そこで――

(▲w▲)

吸い込まれる様な二つの黒目が、俺を見つめていたからだ。


(;'A`)「う、うわっ!!」

目と確認したソレ、実際は正しくない。
ソレはカボチャの表皮をくり抜いた、二つの穴だった。
口の部分も同じようにジグザグ模様に穴が空けられている。

これは、そうだ、確か――

(;'A`)「ジャックランタン(Jack-o’-lantern)……!?」

カボチャの頭、提灯を左手に掲げ、黒マントを纏っている。
ハロウィンの代名詞とも呼べる怪物が、俺の目の前に立っていた。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:53:44.28 ID:vJfINYhB0

……と、俺のとしたことが突然のことに取り乱してしまったみたいだ。

落ち着いて考えてみれば、怪物なんて出る訳がない。俺の顔は怪物とよく例えられるけど。
これはきっとお茶目な誰かさんの仮装で間違いないだろう。

('A`)「へーい!その黒マントの下は実は裸だったりするのかーい?」

返事はなかった。
こいつも学校のやつと同じで、俺のユーモアセンスについてこれないみたいだ。


しばしの沈黙が流れた後、カボチャ頭がゆっくりと動き出す。
黒マントの中からぬっと現れた右手を前に突き出し、沈んだ声で俺にこう言った。


(▲w▲)「―――Trick or Treat?」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:55:33.58 ID:vJfINYhB0

('A`)「……は?」

トリック・オア・トリート。
つまり、悪戯(Trick)かお菓子(Treat)かを選べということだ。
簡単に言うと、『お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうぞ』といったところか。

残念ながら、俺の手持ちにお菓子は無い。
何故かポケットに一粒のチョコボールが入ってるが、さすがに不潔だから止めておこう。


('A`)「んじゃ、トリックで」

(▲w▲)「……Trick」

そう一言呟いたカボチャ頭は、俺の手に何かを握らしてきた。
道端に落ちている小石ほどの、ちっぽけな何か。


('A`)「あれ、これって」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:57:05.99 ID:vJfINYhB0

それはちっちゃなキャンディ-だった。
包み紙はなく、透かせば反対側が薄らと見える、綺麗な飴玉。

('A`)「なんだよ、逆にお前がお菓子くれるのか?
 大体、俺はトリックを選んだっていうのに……」

返事はない。
食べろということなのだろうか。


('A`)「へいへい、食べますよっと」

何の反応も見せないカボチャ頭を尻目に、飴玉を口に放り入れる。
悪戯なので、もしかしたら小便味、なんて事も危惧したがどうやら違うようだ。

普通に美味しい。酸味の効いたレモン味だった。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 19:58:50.48 ID:vJfINYhB0

('A`)(コイツは一体何がしたいんだろうか……)

余計に意味が分からなくなった俺は思考に耽る。
TVドッキリ?ただの不審者?学友の悪ふざけ?
友達はいなかったので、最後の一つは素早く選択肢から取り除いた。


――その時、一陣の風がその場を通り抜ける。


突風と呼ぶのがふさわしいソレに、俺は思わず身を屈める。
が、カボチャ頭は相も変わらず、何の反応も見せないので気味が悪いと感じてしまった。

ただ、身に纏った黒マントは、カボチャ頭の意思とは別に動きを見せる。
突風にはためき、大きく捲り上がった。

……って、おいおいおい、ちょっと待てよ。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:01:12.62 ID:vJfINYhB0

普通、この場合、下には美少女がいるとかじゃないの?
それぐらいのサプライズだったら俺は喜ぶよ、むしろ願わずにはいられないよ。

そのまま仲良くなったりして、その子があくる日、学校に転校してきたりして……。
あー違う違う、そんな妄想してる場合じゃないってば。


そうだ、こんな『現実逃避』をしている場合じゃない。


初めてカボチャ頭の存在に気づいた時の不安が蘇る。
得体の知れないものに遭遇による恐怖で、冷汗が滲み出てくるような。

(;'A`)「な、なんなんだよお前……」

脚が竦む、声が震える、眼の前の景色が霞む。
恐怖に支配された体はまともな機能を果たしてはいなかった。

黒マントの中で俺は見たのではなく、見えなかったのだ。

つまり、

カ ボ チ ャ 頭 に は 『からだ』 が な か っ た。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:02:52.00 ID:vJfINYhB0

(; A )「ぐえっ!!」

突如訪れた衝撃を理解するには、目視してからも数秒の時間を要した。
混乱する脳が、それを理解したくないと拒絶していたのだろう。

文字通り、黒マントから生えた手が、俺の首を掴んでいたのだから。


(; A )「うっ、ぐひっ、ぎぇっ!!」

助けを呼ぶ声は、言葉にならない呻きとなって口から漏れ出した。
もがいてはみたが、掴む手の力は緩まず、今にも握りつぶすと言わんばかりだった。

次第に俺の体が空に浮かび始める。

細身とはいえ、俺の体重は50kgは超えている。
それを片手一本で持ち上げるコイツの力は測りしれなかった。

―――ああ、もう体に力が入らない。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:04:24.20 ID:vJfINYhB0


案外、あっけなく死ぬもんだななんて思い浮かんでいたと思う。
とにかく、俺はこれで人生オワタなんだなと確信していた。


だが、そんな薄れゆく意識の中、


―――そこまでだおッ!!


そんな、語尾の変な男の声が、頭に響いたんだ。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:06:02.41 ID:vJfINYhB0

その次の瞬間、雷が落ちた様な爆音が辺りに響き渡った。
同時に凄まじい衝撃、数メートルは吹き飛ばされる俺。
壁に激突した事は頂けないが、助かったということだけは朧げに理解出来た。

( ^ω^)「大丈夫かお!?」

(;'A`)「あ、ああ、アンタは一体……?」

にやけ顔の男は、牧師のような格好に身を包み、じっと前を見据えていた。
ただ、不思議なのは……うん、その手に持った『でっかいドーナツ』は何?


(;'A`)「それは」

( ^ω^)「動いちゃダメだお!まだ、来るおっ!!」

何が、と俺が問いかけるよりも早く、男の視線の先にあったソレが活動を再開する。
砂埃の煙幕の中から起き上がったソレは、俺と同時に吹き飛んだカボチャ頭だった。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:07:39.54 ID:vJfINYhB0

(▲w▲)「――ッ!!」

カボチャ頭の左手に持つ灯篭から、青い火の玉が次々と浮かび上がる。
右手を掲げると、それがにやけ顔の男に向かって、一斉に襲いかかった。


('A`)「あぶなっ!!……って、え?」

正直、男の頭がおかしくなったのかと思った。
火の玉が目の前に迫ってるっていうのに、呑気に踊っていたんだもの。


( ^ω^)「おっおっおっおっ♪おっおっおっおっ♪」

しまいには歌い始めた。
命を張ったギャグなのかは知らんが、笑えない。

ああ、もうダメだ――!!


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:09:04.38 ID:vJfINYhB0

( ^ω^)「リング リング ドーナッツ♪
       ふわふわ さくさく ドーナッツ♪」

しかし、意外な光景に俺はまたしても度肝を抜けれる。

男の手にもつ『でっかいドーナツ』にコーティングされていたチョコが分離した。
そのままチョコは空中で大きく広がり、迫りくる火の玉を包み込んだのだ。


(;'A`)「な、なんだこれ……?」

( ^ω^)「甘い あまーい 贈り物♪
    チョコを ちょこっと 送ります♪」

その歌に応じるかのように、チョコレートがカボチャ頭に向かって飛んでいく。
火の玉で溶けたせいか、黒い津波が押し寄せていくかのようだった。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:10:50.15 ID:vJfINYhB0

(▲w▲)「…………」

だが、カボチャ頭はその場を一歩として動かない。
意味はよく分かっていないが、まともに受けれるようなものではないと、俺でも分かる。

しかし、

(;'A`)「――ええ!?」

チョコレートはカボチャ頭の、口の部分にくり抜かれた穴に吸い込まれていった。
体積を無視し、頭部の5倍はあるかという津波を飲み込んでいく。

(;^ω^)「やっぱり、『カボチャのくりぬき穴』がある限り、飛び道具は効かないのかお……!!」

そんな焦った表情されても、俺にはちんぷんかんぷんです。
対して、攻撃を受けきったカボチャ頭は、なんか物凄く震えてた。

その様子は、どこかバイb――じゃなくて、電動ハブラシを連想させた。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:13:40.59 ID:vJfINYhB0

(;^ω^)「あれは……!!君、ちょっと隠れてるお!!」

言われなくても、すでに隠れてますけどね。

見てるこっちが酔いそうなシェイクが終わると、黒マントとカボチャが切り離された。
予想通りだったが、カボチャの下に人の顔はなかった。


(▲w▲)「――trick,trick,Pumpkin」

黒マントがカボチャをその手で抱えると、その場を中心に空気が集まっていく。
キ―ンと空気を裂く様な音が鳴り続け、カボチャの目の前に光の玉が出来上がる。

いや、未だ完成されていない。

膨らみ続ける、空気を掻き集め、より大きく、より輝き―――



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:15:15.80 ID:vJfINYhB0

その瞬間、俺が何を考えていたのかは覚えていない。
ただ、光の玉が爆発的に膨らんだ後から、俺は世界がゆっくりと進んでいくように見えていた。

まず、カボチャ頭は呟いた。


(▲w▲)「――Pumpkin Bazooka」

恐らく、膨らんだ光の玉が大規模な爆発をするのだろうと、その言葉だけで判断した。
物陰から隠れた程度では、助かる可能性など微塵もないと直感で理解する。

だが、俺はその時、不思議と落ち着いていた。
何故かって言うと、その場の緊迫感に合わないふざけた歌が聞こえてきたからだ。


( ^ω^)「どっど どどどど ドーナッツ♪
    どんどん どどんぱ ドーナッツ♪」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:17:00.47 ID:vJfINYhB0

見れば男の手に持つドーナツの中心。
穴の空いた部分にも光が集まってきていた。

( ^ω^)「ハロウィン ハロウィン ハローハロー♪
   可笑しな お菓子を 召し上がれ♪」

ドーナツの輝きは、カボチャの光すらも包み込む。
大規模な爆発が起きるはずだったソレを、完全に沈黙させた。


(▲w▲)「―――ッ!?」

( ^ω^)「プリーズ プリーズ キャンディー プリーズ♪
   お菓子を くれなきゃ 泣いちゃうぞ♪」

男が懐から取り出したのは、棒付きのキャンディー。
だが、それは唯のキャンディーでは終わらなかった。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:18:35.82 ID:vJfINYhB0

――膨張していく。

歌と共に、その姿を何十、何百倍にも膨らませていく。
ピンクと白色の渦を巻いた模様が、くるくると回りながら尚も姿を変えていく。

やがて、膨張が限界を迎えた頃には、空にキャンディーの天井が出来上がっていた。
そして男が口を開く。


( ^ω^)「ハロウィンといえば、決まった文句があるお?」

('A`)「え、ああ、アレのこと?」

( ^ω^)「それを言ってくれると嬉しいお、ハロウィンの決まりだから」

('A`)「……わかった」


その時、生まれて初めて俺はその言葉を口にした。

―――Trick or Treat?



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:20:21.27 ID:vJfINYhB0

(#^ω^)「―――トリィィイトオオオオォォォォォ!!!!」


男は雄たけびと共に、手に持つ棒を振り下ろした。
キャンディーがカボチャ頭に落とされる光景は、まるで空が落ちてくるようで――



――って、これ、えっ、あれ?

俺も巻き添えになるんじゃね……?



(;'A`)「うわああああああああああああ!!」

今日一日で何回も死にかけたけど、走馬灯を見たのはその時だけだった……。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:22:40.60 ID:vJfINYhB0

(;'A`)「―――はっ!!」

どうやら気絶していたらしい。
未だ寝ぼけた眼には、周辺の潰れた家屋などが飛び込んだ。
俺が着ていた服も上は消失し、下はショートパンツの様になっていた。
いや、どうやったら、こんなんなるねん。


( ^ω^)「あ、起きたかお?」

('A`)「ああっ!貴方はお菓子の戦士さん!!」

(;^ω^)「お菓子の戦士って……いやまぁ、別に否定はしないけど……」

('A`)「いや、その、カッコ良かったですよ!」

( ^ω^)「おっおっ、それは嬉しいお!」

そんなことが言いたいんじゃなかった。
聞きたいことが山積みでうまく話せない。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:24:15.59 ID:vJfINYhB0

('A`)「えーと、あ!そうだ、あのカボチャ頭は一体なんだったんですか?」

( ^ω^)「あー、あれはハロウィンの魔物だお。
        今日中に退治しないと、世界中の子供達の前に現れてお菓子を奪っちゃうんだお」

意外と可愛い怪物だなと俺は思った。

( ^ω^)「まぁ、たまにお菓子と間違えて、子供の頭を引っこ抜いちゃうんだお。
    あっはっはっはっはっ」

前言撤回。


('A`)「じゃあ、貴方はそんな怪物を倒すために……?」

( ^ω^)「だおだお、世界ハロウィン委員会からのご命令で動いてるんだお。
   本来なら一般人には姿は見せないんだけど……君が狙われてるみたいだったから、つい」

こんな存在がいることにビックリだ。
サンタだって信じてれば会えるんじゃないんだろうか。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:26:10.85 ID:vJfINYhB0

('A`)「あのお菓子みたいな武器も委員会の?」

( ^ω^)「そうだお、力を引き出すには歌わないとか面倒くさいんだけど……。
   ハロウィンの魔物にはああいうのしか効かないんだお」

ほとほと、呆れかえる内容だ。
こんなファンタジーに遭遇してる自分が信じられない。夢なんじゃないだろうか。


('A`)「そうだ、今さらですけど、お名前は……?」

( ^ω^)「僕かお?僕の名前は―――」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:27:46.01 ID:vJfINYhB0




( ^ω^)「『Jack-o’-lantern』って言うんだお」



('A`)「―――え?」



視界が /反転/ する。





38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:29:19.74 ID:vJfINYhB0

(▲w▲)「――いい夢見れたかお?」

('A`)「……えっ、あれ?」

次に目視出来たのは、いなくなったはずのカボチャ頭だった。

辺りを見渡すと、そこは田中さんの家の角を曲がった場所、怪物と対峙していた場所。
崩れ去った家屋などはなく、和やかな表情を浮かべた牧師風の男の姿もない。

ただ、唐突に理解する。
今まで見ていたものは、全て幻だった――と。


(▲w▲)「君にとっては数時間の出来事だったかもしれないけど、僕にとっては一瞬だったんだお。
    ささやかな夢の旅は楽しめたかお?」

('A`)「お前……俺に何をしたんだ」

カボチャ頭の中には、恐らく、あのにやけた顔が入っているのだろう。
笑いを押し殺しながらカボチャ頭は語る。


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:31:19.63 ID:vJfINYhB0

(▲w▲)「これは、お前が選択したことなんだお。 
    だって、僕の問いに『トリック』と返したじゃないかお?」

(;'A`)「あ……」

(▲w▲)「だから、悪戯させてもらったんだお。
   あの飴には夢を見させる力が詰まっていたんだお」

なるほど、厨二病の俺だからこそ、ああいう夢を見た訳か。
惜しむべきは俺が主人公じゃなかったことだ。畜生。
ていうか、破れた服だけは夢もリアルも変わらないのは何なの?嫌がらせ?


('A`)「……で、俺に夢を見させて何の得がお前にあるんだ?」

(▲w▲)「決まってるお、『お菓子をくれない奴は悪戯して食べちゃうぞ』だお」

……は?
ちょっと待て、凄く物騒な言葉が追加されてるぞ、おい。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:33:09.12 ID:vJfINYhB0

(▲w▲)「良い夢を見た後の人の魂は、凄く甘くて美味しいんだお。
     だから、遠慮せずに僕に食べられちゃってくれお」

(;'A`)「ちょっ、おまっ、ざけんなって!!」

いや、マジで有り得ないって、ホンマ勘弁やで!!
ほら別に何の関係もないのに関西弁になっちゃうくらい、それはおかしいって!


(▲w▲)「そんなこと言われても、僕だって今日しか動けないんだお。
     お菓子を持ってない自分が悪かったと思って……」

(;'A`)「お菓子がねーくらいで死んでたまるか!!」

こう言ってる間にも、じりじりと距離を詰められている。
やばい、コイツに捕まったら俺の人生が本当に終わる……!!

―――と、そこで俺は名案を思い付いた!!



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:34:52.30 ID:vJfINYhB0

('∀`)ノ゜「ほ、ほらチョコボールだよ!!」

ポケットに一つだけ入っていたチョコボール。
紛れもなくお菓子だ!



(▲w▲)


(;'A`)



しかし、二人の間に訪れる静寂の時。

ですよねー、だってこのチョコボール3回ぐらい洗濯したもん。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:36:31.09 ID:vJfINYhB0

―――しかし、




(*^ω^)「お菓子だおー!!」





カボチャの頭は吹き飛び、中からは、やはりあの男の顔が飛び出した。

ええ、それはもう人を殺そうとしていた男の笑顔とは思えませんでしたね。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:38:06.57 ID:vJfINYhB0

そのまま彼は走り去って行きました。
歓喜の声は夜の街に響き渡っていたと思います。
いやはや、私はどうにか生存することが出来たみたいでした。

ただ、不思議なことがありましてね。
あの男が消えた瞬間に、町の雰囲気が元に戻ったんですよ。

振り返れば、私に職務質問をした警官がいましてね。
心の底からホットしました。日常に戻ってこられた、ってね。

……そこで、ハッと気づいた訳なんですけどね。
よく考えたら私、上半身裸の、下半身はショートパンツという出で立ちだったんですよ。
普通に服を着てても職務質問されるような人間なんですよ?私は。

そうです、これが私こと、ドクオ17歳。

初めての、補導経験でした―――('∀`)b



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:41:09.49 ID:vJfINYhB0

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・

あれから丁度一年、やはりこの日はハロウィンだ。
今日も同じく両親はデートに出かけている。幸せな老後を送った後に死ね。

俺も変わらず独り身だ。
補導歴が付いたせいか、より一層孤独に磨きがかかっている。
なにより、露出狂の変態だと思われてるのが痛いかな。あは、あはははは!!

泣いてはいない。
ちょっと、上を向いて歩こうと思っただけだ。

('A`)(ここだったな……)

その場所はカボチャ男と出会った場所。
もしかしたらと思ったが、今年はその姿を見かけることは出来なかった。

――俺は、アイツに感謝したいと思う。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:43:06.37 ID:vJfINYhB0

あれ以来、俺は変わった。
決して、露出に目覚めたという意味ではないのであしからず。

積極性に目覚めたというのだろうか。
元よりのイメージと名前のせいで友達は出来ないが、人と話すことが正直に楽しい。
命を賭した修羅場を乗り越えたことで、肝が据わったということだろう。


――ありがとう『Jack-o’-lantern』


心の中でそう呟き、思い出の地――田中さんの家の曲がり角――を後にした


今日も俺は勇気を振り絞ってみようと思う。
コンビニの店員がさ、可愛くってさ、惚れてんだよね。

あの時のアイツの様な笑顔が見れるといいな……。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:45:23.59 ID:vJfINYhB0

コンビニに入り、一つのチロルチョコを手に取る。
今日はハロウィン、ちょっとしたお茶目も許されてしまう日。

レジに行くと、可愛いあの子が優しい声でいらっしゃいませー。
俺もニコッと微笑みチロルチョコを差し出す。

今こそ、あの言葉を使う時だ。

アイツに貰った勇気で、魔法の言葉を、最高の笑顔で―――



('∀`)「――トリック・オア・トリート!」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:47:58.05 ID:vJfINYhB0



 __[警]
  (  ) ('A`)
  (  )Vノ )
   | |  | |



警官「それで、彼は何て?」

店員「ええ、よく分からないんですけどたぶん、
   『万引きされるか、俺に悪戯されるかどっちか選べ』
   みたいなことをしきりに呟いていたと思います。私もう怖くって――」

イケメン警官「おーよしよし、それじゃあオジサンと一緒においしい物でも食べようか」

店員「嬉しいッ!」←濡れた


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:49:36.72 ID:vJfINYhB0




そういえば、一つ忘れてた大事な事があるんだ。

それは、世の中は『顔』ってことだだだだだだだだだd


こうして、俺は二年連続ハロウィンの日に捕まるという快挙を成し遂げた。

まさにハロウィンの怪物(笑)




53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:51:13.02 ID:vJfINYhB0

――ああ、ハロウィンが終わってしまう。

カボチャのお化けはこの日にしか遊べないというのに。

でも、カボチャのお化けは来年もやってくる。
毎年毎年、お菓子かその子の大事なものを貰いにやってくるのだ。
もしかしたら、来年は貴方の下に?

ハロー ハロー ハロウィン
ジャック ジャック オーランタン


ハロウィンの日にはポッケにお菓子を忍ばせておいてね。

じゃないと……。


(▲w▲)ジャックランタンがやってくるようです






54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 20:54:10.77 ID:vJfINYhB0

はいはい、終わり終わり。
ジャンプ風短編第3だんのつもりだったんだけど、
( ^ω^)が出てきたところらへんで飽きが出てきた。
後半投げやりでごめんなチャイナ。

ありがとござましたー。


[ 2010/10/18 18:25 ] スレ立て短編 | TB(0) | CM(0)

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