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( ´∀`)「さようです」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 21:43:35.57 ID:BT+ZIqlT0

( ´∀`) 「―――」

 老人は机からふと顔を上げた。
 集中管理の暖房は管理が行き届きすぎて、窓ガラスは真っ白く濁っている。

 雪にでもなったのだろうか。
 暗い冬はいつ終わりが来るのか。

 歳を経るにつれて、冬が恐ろしく感じられる。
 伝統的な八行紅掛の便箋で最後に筆を撥ね終えたとき、そう時間はたっていなかった。

 先生。私はこの国を愛している――

 最初に、そう綴った。
 さらに、あなたも国を愛しているはずだ、と続けた。
 そして、友人に警告を託した。



   ( ´∀`)「さようです」 始


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 21:48:25.36 ID:BT+ZIqlT0


 どこまで、この言葉が伝わるだろうか。
 不安が無いわけでは、無かった。

 しかし、最早選択肢はほかにない。
 たった今、そう確信したのだ。


 ( ´∀`)「さようです」

 老人は、カシミアのひざ掛けを机に置きながら、
 誰に言うでもなく呟く。

 朱色に輝く本棚の一角に、B5判を半分にした大きさの一冊の本を取り出すと、
 小さな息を吹きかけて埃を払った。

 表紙に幸せそうな7人家族と、
 猫の写真が貼り付けられている。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 21:55:08.06 ID:BT+ZIqlT0
 
 薄い便箋の束がその中に潜り込み、
 色あせた茶紙で包まれた上に宛名が書きこまれた。

 二重にした茶紙で再び覆われると、
 最後に赤い蝋を溶かした雫で封がされた。


 ( ´∀`)「さようです」


 包みをひっくり返して満足そうな笑みを浮かべた老人は、
 茶金色のタッセルが揺れる呼び鈴を振りながら、
 その薄い頭を撫で、海に潜るように思い返す。

 あの満たされていた、幸せな日々を――

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 21:56:07.91 ID:BT+ZIqlT0












( ´∀`)「さようです」   終










元スレ:( ´∀`)「さようです」(リンク先( ^ω^)ブーン系小説とか読み物とかの倉庫様)
[ 2015/02/24 22:42 ] スレ立て短編 | TB(0) | CM(0)

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