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( ^ω^)せんとうのスヽメのようです  いの四

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:15:06.57 ID:QP+csU7+0


 人間というものは、これ以上の快適をむさぼる必要はないということを考えたりする。
 人生はこれぐらいのものだという嘲笑的なものではない。もっと充足し、ひたりきった楽天気分だ。
 なんのために生きるか、なんのために仕事をするか、なんのために入浴するか、
そんなセンサクを失った充足感において、こうしていることのあたたかさ、なつかしさを感じることがある。
 ここに宇宙あり、と大袈裟に云っても、とりわけ変とも思わないだろう。別に詐術ではない。種と仕掛はハッキリしている。

 一定の温度とその持続だけのことなのである。


   『温浴』坂口安吾




3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:18:15.51 ID:QP+csU7+0




( ^ω^)せんとうのスヽメのようです


いの四 ~秋深し~





5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:25:40.69 ID:QP+csU7+0




 あんなに色濃かった青空もすっかり高くなり、筆を払ったような筋雲が浮いていたりする。
 お風呂上がりの足指がからりと乾くようになって、何となく長袖の服が恋しくなり、ああ秋だと僕はようやっと理解した。
 中途半端に放り出していた服の入れ替えも、そろそろ済ませなくてはなるまい。

 茹だるような熱気は取り払われて、青々茂っていた葉桜はとうに散ってしまった。スーパーで買った干し芋なんかを頬張りながら、僕はテレビを見ている。
 右上に表示されるアナログ表示がいい加減に鬱陶しい。
 ちゃぶ台には温くなった牛乳がマグカップに入っている。


( ^ω^)「ふぅ……」

( ^ω^)「しかし、ちょっと前に盆祭りしてた気がするんだけどお」



 携帯には、我がサークル『歩こう会』のもみじ狩りや焼き芋大会についての会報が寄せられている。
 紅葉狩り。今年は京都なんてどうだろうかと会長が触れ回っていたので、恐らくそうなるのだろう。
 哲学の道、御苑辺り、にわかの勝手な印象では燃える紅葉が見られそうだ。有名どころでは、鹿音寺かなぁ……。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:31:57.33 ID:QP+csU7+0

( ^ω^)「あー、炬燵とか布団、出さなくちゃあ、いけないかお」


 芋を口元に運びながら呟いた。
 近々台風のニュースがよく報道されている。先日も、あわや直撃というところで戦戦兢兢としたものだった。
 骨董とまでは言わないが、お世辞にも真新しいとはいえない我が住居。
今のご時世そうは無いだろうが、停電した時の為に携帯の充電機くらいは買って置いて損無いだろう。
 スーパーでコーナーが作られているのをよく見かけるが、非常食には事欠かない。サバ缶果物、パンにケーキ。
缶詰等を買うのは、僕の個人的な趣味であると言っても良い。

 そういえば、畳に直接寝転がるのもなんだか寂しい気温になってきた。マットか何か買おうかなぁ……。


( ^ω^)「んー」

( ^ω^)「まぁ、しのぎ易い季節になって、いいお、いいお」


 ふと壁にかかったアナログ時計が目に入る。
 二〇一一年になっても、現役で頑張ってくれそうなおまえが好きだよ。
 アナログマは嫌いじゃあない。


( ^ω^)「お、そろそろ、行くかお」


 今日は日曜日。
 毎度お馴染みの美夫湯の一斉掃除の日である。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:35:29.93 ID:QP+csU7+0






( ^ω^)「おはようございまーす」

( ´∀`)「モナ」

从'ー'从「はい、おはようございます。ご飯は食べてきた? おにぎりあるよ」

( ^ω^)「おっ、今日は大丈夫ですお!」

从'ー'从「あれぇ、そう? おなか減ったら食べてねぇ」

( ´∀`)「杉浦さん所のしぐれモナよ。食べなきゃ損するモナ」

( ^ω^)「はぁ」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:37:49.30 ID:QP+csU7+0


 美夫湯の玄関先では渡辺さん夫婦が竹箒で落ち葉を掃いている。
 にこにこと壮年の夫婦が年期のこもった笑みで、和やかに会話しながら竹箒とガイコを操る様は、それだけで一つの風景のようだった。
 僕とツンなんかではこうも行くまい。そのあたりは、人間の年輪と言う奴なのだろう。

 桜並木のすぐとなりに位置するこの通りには、秋になると盛大に落ち葉が舞い落ちる。
 この季節、河の畔の道は、歩くたびさくりさくりと愉快な音がなって僕は嫌いではないのだけれど、近隣住民となるとそうも行かないらしい。
 春の花びらもそうだが、それの掃除は中々大変なようだ。今も落ち葉がこんもりと小さな山を作っている。

 それに火を付けて、焼き芋でも出来ないだろうかと卑しい僕は思ってしまった。
 食欲の秋である。芸術でも読書でも喰ってしまいたいオトシゴロなのだ。



( ^ω^)「お、お早うございますお」

( ・∀・)「おはよーございますー」


 とりあえずと男湯の戸を開けると、石榴口に座り込んだ先日一緒に祭りを周ったモララーくんがもそもそとおにぎりを頬張っていた。
 声をかけると、半目の夢うつつといった様子で返事をする。
 現在時刻、午前九時半。
 あまりに眠たそうなその様子に、そんなに眠たい時間かい、と思わず問いかける。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:39:59.64 ID:QP+csU7+0


( ・∀・)「あぁ、はい、眠いです」

( ^ω^)「ちゃんと寝てるかお?」

( ・∀・)「ちょっと、若者らしく、夜更かしをしてたんですよ……」

( ^ω^)「僕が若者じゃないみたいな言い方すんなお」

( ・∀・)「やだなぁそんな事一言も言ってませんってば」


 飄々とモララーくんは両手を振るう。反射的にむかりと米神がひくついたが、これが彼の基本姿勢なので今更どうにも思わない。
 ふと、女湯のほうからシュールちゃんが顔を出した。
 麻生地だろう白いティシャツのお陰でまだ暑そうな気分になるが、脱衣場にはひんやりした空気が横たわっている。
 秋だなぁ、と思わず言ってしまいそうだ。秋だなぁ……。


lw´‐ _‐ノv「あ、おはよーございます」

( ^ω^)「おはようおー」

( ・∀・)「はようございまーす」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:44:26.12 ID:QP+csU7+0


 僕らの挨拶にこくりと頷いて返事を返し、シュールちゃんはゆらゆらと男湯に入り込んだ。
 小さな片手には黄色い携帯電話が握られている。
 かたかたとボタンを操作すると、暫くして気の抜けるような電子音が脱衣場に響いた。ん、と咽喉の置くからかすれた声が捻り出される。


lw´‐ _‐ノv「ドクオさん、今日休みだそうです」

( ^ω^)「ん?」

lw´‐ _‐ノv「風邪ひいたって」

( ^ω^)「お」

( ・∀・)「ああー、季節の変わり目ですからねぇ」


 モララーくんはしたり顔で頷いてみせる。片手に持ったおにぎりを口へ放り込んだ。
 確かに、季節の節目節目での風邪っていうのは辛いものなぁ、と僕は腕を組む。体調管理を心がけなければ。

 そのうちに僕はジャージの裾を捲り、手袋を付け、手ぬぐいを首にかけて完全装備である。
 まだなにやら話しているシュールちゃんとモララーくんを後目に、ロッカーを開けて箒を取り出した。早く掃除を始めませんかという僕なりの意思表示である。
 あんまりそういう事を口に出したく無いのは、多分僕が情けないからなんだろいなぁ……。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:47:09.49 ID:QP+csU7+0
( ・∀・)「あ、そっち持ちます」

( ^ω^)「頼むおー」


 脱衣場掃除、手順その一。最初に簡単に全体を掃いてから掃除機をかける。

 入り口と脱衣場を分かつ衝立を片づけていると、慌てた様子でモララーくんが手伝ってくれる。
 まだ口が膨らんでいるが、その内に飲み込むだろう。掃除を始めてから、ああやっぱりお握り食べときゃ良かったと軽く後悔。
 風呂場の奥の小さな扉から荒巻さんが顔を出し、デッキブラシやバケツを放り出していた。かんからんとけたたましい音が脱衣場まで響いてくる。
 頭上の開け放した窓からは、乾いた風が吹き込んでくる。覗く青空も何だか遠い。


('、`*川「はいはい、ほら早く終わらせちゃうわよー」


 がらら、と背後で自動ドアを押し開ける音がして、伊藤さんが顔を出した。
 その手は重たそうに水の入ったバケツをぶら下げている。華奢な針金の持ち手がたわんで、今にも水がぶちまけられそうだ。
 危なげなく其れを石榴口まで運んだ伊藤さんは、ポイポイと何枚かの雑巾を投げ入れる。
「あっち掃いてくる」と立ち上がり、伊藤さんに呼びかけてシュールちゃんは中戸をギィイと押し開けて行ってしまった。


('、`*川「はい、雑巾」

( ・∀・)「はい」


 ぎゅうと絞ったそれを手渡され、モララーくんは手早くロッカーを開いては拭き開いては拭きを始める。
 下段に入った籠もひとまとめに重ねた。
 伊藤さんは女湯のほうへと行ってしまう。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:51:15.18 ID:QP+csU7+0


( ^ω^)

( ・∀・)

( ^ω^)

( ・∀・) ~♪

( ^ω^)゛

( ・∀・) ~♪

( ^ω^)


 そのうちにモララーくんの方から本当にわずかでかすかな鼻歌が聞こえてくる。
 今時の男子高校生を絵に描いたような彼の選曲は僕にはちょっと良く分からない。
 其れをバックミュージックに僕はふぅと一息を吐いた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:53:15.65 ID:QP+csU7+0


 疲れる準備は出来ている。
 ただこの秋のうろんな空気は頂けない。少なくとも疲れる仕事には向かない。特に静かなこの職場では微睡みに浸っているような気分だ。
 今にも体の底から欠伸が漏れそうで、ああ、何だかツンの手のひらの温度のようだなぁ、と詩人のように僕は思った。
 身体を動かして血流が良くなったのか、冷えていた素足の指の先に熱がじわりと広がる。


( ・∀・)「終わったら、ドクオさんのお見舞いにでも行きましょうか」

( ^ω^)「そうだおねぇ」


 ほっこりと、腹の奥に熱がこもった。
 このまま眠ってしまったら、さぞかしぐっすり眠れるのだろうけどなぁ……。
 ああ今にも眠ってやろうか。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 15:55:04.17 ID:QP+csU7+0




( ・∀・)「いけぇええええお水のバーストスプラッシャァアアアア!!」

( ^ω^)「まだまだ青いお! バケツアターック!!」

( ´∀`)「ふっふっふっふ……未熟未熟ゥ!! いくモナッ!! ホースで放水!!」

(; ^ω^)「つめてぇええええええ!!」

(; ・∀・)「いてぇえええええええ!!」

( ´∀`)「十五で初めて六十年間練り上げてきたこの水捌き、受けるがいいモナ!!」

(; ・∀・)「さむっ! さ、ちょ、もももモナーさぁあ、つめたっ!」

(; ^ω^)「うお、ちょ、じょ、冗談じゃね、寒っ! え、死ぬ! 死んじゃう!」

(; ・∀・)「季節季節! モナーさん季節考えて! 死んじゃう! 死んじゃう!」

( ´∀`)「ふははははははははは」

(; ^ω^)「ちょ、じいさん聞いてない! 聞いてないお!」





23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:01:17.99 ID:QP+csU7+0







(; ・∀・)「おつかれ様でしたー……」

( ´∀`)「モナモナ」

(; ^ω^)「お疲れさまでしたおー……」


('、`*川「今日はどうだった?」

lw´‐ _‐ノv「じいちゃん圧勝」

从'ー'从「ああもうこんなに濡らして……」


 水掛け合戦でしっとり濡れた前髪が額に張り付いて、嫌に寒い。爺様、全く容赦をして下さらなかった。
 気を抜いたら指先が震えだしそうだ。
 逃げようとして直撃を食らった後ろ頭からぽたりぽたりと水が背中に垂れる。渡辺さんから手渡されたタオルで乱暴に拭った。
 首筋がひりひりしている。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:04:29.23 ID:QP+csU7+0


( ^ω^)「それじゃあ、夜また来ますおー」


 ドライヤーでシャツを乾かしていると、生乾きのままで十円玉が落ちきった。
 まぁ、仕方が無いと袖を通す。そろそろ帰ってもいい時間だろう。掃除も終った。

 大きく息を吐いて、水でふやけた手で自動ドアを押し開ける。
 捲り上げていたジャージが重力に負けてずれ落ちた。美夫湯ののれんを押そうとしていると、背後からモララーくんの声がかかる。


( ・∀・)「ブーンさん! 今行きますから待って下さいよー!」

( ^ω^)「え? 何処に?」

( ・∀・)「何処にって……お見舞いですよ」


 お見舞い?
 後ろではシュールちゃんが慌ただしく長い髪を梳いていた。渡辺さんが千円札を握らせて、「私たちの代わりにもよろしくね」といっている。
 一時間ほど前のモララーくんの発言などすっかり忘れていた僕は何なく立ち止まり、首を傾げてしまった。呆れ果てた様子で彼は笑う。


( ・∀・)「ドクオさんの」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:09:09.46 ID:QP+csU7+0


 ああ、と手を打つと「ああ、じゃないですよ」よモララーくんは苦笑した。
 そういえばそんな事を言っていたっけか。


( ^ω^)「……そういえば言ってたっけ」

( ・∀・)「言ってたじゃないですか。渡辺さんにも頼まれましたからねぇ」

( ^ω^)「でも僕ドクオさん家知らんお?」

( ・∀・)「この前教えてもらったんですよ、住所だけ。この近くっぽいんですが、ブーンさん分かります?」


 そんな事を言っていると、たん、と足を鳴らしてシュールちゃんが僕らを見上げた。
 さっきまで乱れていた髪はすっかり梳かれ、ティシャツからむき出しになった腕がほんの少し寒そうだ。


lw´‐ _‐ノv「用意、できました」

( ^ω^)「あれ、シュールちゃんも来るのかお?」

( ・∀・)「みたいですよ」

lw´‐ _‐ノv「はい」


 こくりと頷く。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:13:07.81 ID:QP+csU7+0



( ・∀・)「お見舞いの品ってなんですかねぇ。やっぱりコーラ?」

lw´‐ _‐ノv「米?」

( ^ω^)「なんでだお」


 コーラの一リットルボトルを持つモララーくんと、十キロの米の袋を指差すシュールちゃんから目を逸らす。

 先日ツンと共に買い物に来たり、平素の食料調達に来ているスーパーだが、一緒に歩く面子が違うとこうも違和が生じるか。
 冷房とも暖房ともつかない微妙な気温と、プールの後のような気持ちの悪さが内蔵を掻き混ぜる。
 どうやらドクオさんは僕のアパートからほど近い辺りにすんでいるらしいと、先ほど聞いて初めて知った。


( ・∀・)「えぇ……、じゃあ、魚肉ソーセージ?」

lw´‐ _‐ノv「甘酒?」

( ^ω^)「……桃缶でも買って行くお」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:16:20.53 ID:QP+csU7+0


 しかしドクオさんは実家暮らしだったんじゃないか知らん。
 下手な物を持っていっても、と悩みかけるが、まぁあのドクオさん宛ての見舞いの品なので何でもよろしいだろう。
 取りあえず、桃缶なら健康時でも貰えばうれしいものだし、と手ごろな大きさと価格のものを探し出す。ご家族で食べていただいでも良いサイズ。

 商品の筈なのに何故か埃を被っている桃缶を掴み、モララーくんの持っているかごへ入れる。
 シュールちゃんがホールトマトの缶を真剣に見つめているので、かごのつるを慌てて引いた。もしや買うつもりではあるまいな。
 上半身だけを傾けて、モララーくんが軽く僕を眇める。僕がいきなり引いたものだから驚かせたらしい。手を放して、肩まで上げた。

 店内放送が秋刀魚のタイムサービスを告げている。
 思わず走って買いに行きそうになるが、自律した。三匹セットで買っても、流石に持て余すだけだ。
 それに家のコンロにはグリルがついてないものなぁ……、等とうじうじ悩みながらも、桃缶だけの入った籠を眺めてから二人に向き直る。


( ^ω^)「桃缶でいいお? 他に何かあるかお?」

lw´‐ _‐ノv「……米?」

( ・∀・)「コーラ?」


 堂々巡りも堂に入って、一体全体手前らは、何をどうするお積もりか。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:21:56.93 ID:QP+csU7+0


( ^ω^)「んーと、こっちかお」


 モララーくんに教わった住所の通りか、電信柱の住所を確認する。
 この辺りの住宅街にはあまり来たことが無いので殆どが勘なのだが、年下二人の手前、何だか自信有りげに歩を進めてしまう。
 後ろをカルガモのようについてくる二人。丁度身長順に並んで、カルガモチックと言えなくも無い。
 若しくはマトリョーシカ。

 傍から見たら一体どういう三人組だろうか、と考えてみる。
 間違っても仲の良い三きょうだい以外には見えないように、と願いつつ。


( ^ω^)「えーと、多分ここ、かお?」

( ・∀・)「表札あってますよね」

lw´‐ _‐ノv「名前、あそこに」


 玄関の上の表札にもきちんと名前が書かれている。よしよし、と僕は頷いた。
 古びたチャイムに指をかける。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:30:00.88 ID:QP+csU7+0


('A`)「あ、来てくれたのか、ありがとう」

( ^ω^)「お? 元気そうですお?」

('A`)「あぁ、うん、まぁ微熱だし……っていうか家族旅行に置いていかれました」


                                              ドクオー、オ前何出テルンダヨ寝テロー>


lw´‐ _‐ノv「……」

( ・∀・)「看病フラグは立っていますか」

('A`)「えええ……」


 ドクオさんが玄関に立った途端、あの何とも言えない風邪っぴきのにおいが鼻をくすぐった。


lw´‐ _‐ノv「これ、どうぞ」

('A`)「あ、どうも」

                                                    オ客サンカー?オ茶出スカー?>



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 16:32:04.72 ID:QP+csU7+0



 いつもと変わらない様子で、声ばかり蚊の鳴くようになっていたドクオさんに桃缶を押しつけ、それではお大事にと僕らは家に上がることは無かった。
 どうやら他の見舞い客が居たようで、しきりに奥から彼を呼ぶ声が聞こえた為である。

 シュールちゃんは暫く家の奥をのぞき込むようにしていたけれど、僕とモララーくんが待ちくたびれるより早くきびすを返した。
 空はだいぶん高く、ひうひうと冷たい風が首筋を撫でていく。


lw´‐ _‐ノv「……秋ですね」

( ^ω^)「おー」

( ・∀・)「めっきり寒いですもんねぇ」


 がさがさと咽喉が渇いた。
 僕は家に帰ったら、実家から送られてきたかりんの蜂蜜漬けをお湯で割って飲もう、と考えていた。








元スレ:( ^ω^)せんとうのスヽメのようです(リンク先( ^ω^)ブーン系小説とか読み物とかの倉庫様)

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