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('A`)「フミコミザンッ!!」のようです

1 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:14:08.84 ID:BPZVDjw20





川 ゚ –゚) もし二日後に世界が滅びるとしたらどうする?








4 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:17:22.22 ID:BPZVDjw20

('A`) は?

平日の昼下がり。
いつも通り学校から帰ってきたドクオがごろごろしていると、いつも通り窓から二つ年上の幼馴染が侵入してきた。
そして開口一番、訊ねられたのがこれである
('A`) いや、クー姉、どうしたの? いきなりなに?

川 ゚ –゚) いいから、とにかく答えてくれ。お前ならどうする?

('A`) いや、どーするったってなあ……

大体、世界が滅びる状況ってどんなものがあるだろうとドクオは考えてみる。
核戦争、天変地異、隕石の落下……
とてもではないが自分なんかにどうにかできるものだとは思えない。

('A`) それはさ、どうしようもないことなの?

川 ゚ –゚) いや、止めようと思えば止められる。多少危険は伴うがな

止められる世界の終わり? なんだろう、魔王が攻めてくるとか?
そんなどっかのRPGじゃあるまいし……



8 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:20:17.18 ID:BPZVDjw20


でも、止められるなら答えは一つしかないんじゃないかなとドクオは思った。

('A`) 止められるなら止めようとするんじゃない? 多分

川 ゚ -゚) 本当にそうか?

(;'A`) え?

いつになく真剣な表情のクーに、ドクオはたじろく。

川 ゚ -゚) 世界の危機を止めるんだぞ? もちろん自分の身には多大な危険がせまるんだぞ?

川 ゚ -゚) それでも、お前は自分の身を犠牲にして世界を救えるのか?

(;'A`) えっと……




11 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:22:31.30 ID:BPZVDjw20

そんな質問を真剣にするクーの意図が分からず、ドクオの頭は混乱する。
だが、やっぱりなんとなく答えは決まっている気がした。

('A`) まあ世界が滅びるよりは、そっちのほうがマシだろうから。オレならそうするよ

川 ゚ -゚) そうか……

クーはそういってしばらく黙っていたが、念を押すように

川 ゚ -゚) 本当だな? 本当にお前ならそうするんだな?

('A`) え? うん、本当だよ

川 ゚ -゚) 絶対だな? 約束だぞ?

('A`) え? うん

川 ゚ー゚) そうか……

クーは満足そうに頷くと、ドクオの寝転んでいるベッドのふちに腰を下ろした。




14 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:24:34.75 ID:BPZVDjw20

しばらく沈黙が続く。
その間クーの後ろで寝転がっているドクオは、彼女の後頭部を「何かあったのかな?」と思いながら眺めていた。

川 川 ゚) ドクオ

('A`) うん?

川 川 ゚) お前は約束を守る男だ。私はお前を信じている

('A`) ……うん

再び、沈黙。
そして、ふいにクーはこちらに振り向いた。

川 ゚ー゚) なあドクオ、覚えているか?

('A`) うん?

川 ゚ー゚) 「フミコミザン」のこと

('A`) え……あー……

川 ゚ー゚) お前があのことについてどう思っているかは知らないが、少なくとも…

川 ゚ー゚) 私はあのときのお前は最高にかっこよかったと思っている。

(*'A`) は!?




15 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:26:52.39 ID:BPZVDjw20

驚くドクオに、笑ったクーはたちあがると、そのまま自分が入ってきた窓まで歩みよる

川 川 ゚) だから、私はお前に全てを託すよ

川 川 ゚) がんばれ、『正義の剣士』

そういうと、クーはそのまま部屋から出て、屋根伝いに自分の部屋に戻った。

('A`) なんだったんだ、一体?

その二日後である。





クーがこの世を去ったのは








17 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:33:11.70 ID:BPZVDjw20






('A`)「フミコミザンッ!!」のようです








19 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:34:23.00 ID:BPZVDjw20

クーが死んで二日が経過した。
今、ドクオは夜の校舎の中を進んでいる。

('A`)

―――彼女の、遺言を果たす為に。

「この手紙をお前が読んでいるということは、私はもうこの世にいないだろう」

左手には、紫色の布が掛けられた棒状の物体。これは彼女の形見だ。
クーが通っていた校舎の中を、ドクオはゆっくり、忍び足で歩いていく。

「お前は悲しんでくれているだろうか? もしそうなら嬉しいが、でも悲しむのは私の最後の願いを聞いた後にして欲しい」

途中、何度か警備員に見つかりそうになったが、なんとか事なきを得た。

「まずは夜、私の刀を持って私の通う高校へ忍び込め」

暗い階段を登る。自分の足音だけが、あたりに反響して不気味に響く。

「高校に入ったら屋上を目指せ、そして―――」

階段を登りきると、屋上に出ることのできる扉があった。
ドアノブを回すと、意外にもあっさりとドアが開く。
目の前に広がるのは、コンクリートの床とその向こうに見えるフェンス。
そして、そのフェンスに開いた“穴”




20 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:35:52.28 ID:BPZVDjw20

('A`)(ここから、クー姉は……)

そう、クーはここから落ちて死んだ。
真夜中の学校の屋上から。
なぜか片手に、一本の日本刀を携えて

あまりに謎の多すぎる死。
死後、自宅から遺書のようなものが発見されたことから、警察は自殺の疑いが強いとみて捜査を進めている。
自分と彼女の両親に宛てられた、彼女の“遺書”
それによって自分は、真夜中にこんな場所で立っている。
フェンスに開いた穴から下を見ていたドクオその耳に

「ドクオ? ドクオか?」

―――信じられない声が聞こえた。
そして、振り返ると




22 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:41:34.68 ID:BPZVDjw20


川 ゚ー゚) 本当に来てくれたんだな。扉を開けて待っていたかいがあった

そこには、信じられない人が立っていた。

('A`) クー姉……!?

川 ゚ー゚) どうした? あははは、何をそんなに驚いている?

(;'A`) ……

夜風に流れる長い黒髪。かすかな星の明かりに照らされた端正な顔立ち。
そこにいたのは、間違いなく幼馴染のクーだった。
少なくとも『見た目』はそうだ。

(;'A`) クー姉……本当にクー姉か?

川 ゚ー゚) あはは、何を驚いているんだ? そうだとも。お前の幼馴染のクーだ

ドクオは困惑する。
あの遺言を見たときから、もしかしてとは思っていた。
しかし、まさかこんなことが本当に起こるなんて……




25 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:44:17.89 ID:BPZVDjw20


「高校に入ったら屋上を目指せ、そして―――」

川 ゚ー゚) あはははドクオ、会いたかったぞ……ここは一人で寂しかった

(;'A`) クー……姉……

「―――そしてもしそこに“私がいたら”」

川 ゚ー゚) あはははは、でも、これでもう寂しくないあははははは

('A`) ……違う

川 ゚ー゚) あは?

('A`) お前はクー姉じゃない……

川 ゚ー゚) あはははハハハ何を言っているんだドクオ? 私はクーだ。幼馴染のクーだよ

('A`) 確かに顔は同じだ

川 ゚ー゚) あははは顔だけじゃないよ、中身も私はクーだよあはははアハハハ

('A`) だけど、クー姉はそんな風には笑わない

川 ゚ー゚)




26 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:45:04.94 ID:BPZVDjw20

「叩き斬れ」

川  ― ) あははは

「そいつは」

川  ― ) あははは、あは、あははははははは……

「『世界の敵』だ」

川 ゚々゚) アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!




31 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:47:15.31 ID:BPZVDjw20


今、ドクオの目の前にいるのは、クーと全く同じ容貌をした一人の少女。
しかしその笑顔には狂気が満ちており、それが彼女がクーとは似て非なる全くの別物であることをあらわしていた。

川 ゚々゚) あはッ!!

突如、少女はこちらに手を向けた。

( A ) ッ!?

全身に襲い来る凄まじい衝撃。それに吹っ飛ばされたドクオは、思い切りコンクリートに打ち付けられた。
まずい、この少女は普通ではない。
咄嗟に立ち上がろうとするドクオ。しかしその首に少女のクーと全く同じ形をした手が掴みかかる。

( A ) ッハ……ぁ…

すさまじい力でしめられる首。
首を掴まれたときに叩きつけられた後頭部から、鈍い痛みが走る

やがて次第に彼の意識は遠のき、そして途絶えた。




33 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:48:28.86 ID:BPZVDjw20




誰かが、泣いている声がする



川 *;–;) えーんえーん

<ヽ`∀´>ウリウリ

( ・∀・)おらおら

クー姉だ……ちっちゃいころのクー姉がいじめられてる。
そうか……これはあのときの―――

「やめろ!!」

<ヽ`∀´>ニダ?

( ・∀・)ン?

(*‘-`) くーねえを、いじめるな!!

響いた幼い声
それに反応したいじめっ子たちの視線の先にいたのは、身の丈にあわない長い竹刀をもってふるえている、幼い頃の自分。




39 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:51:28.08 ID:BPZVDjw20

<ヽ`∀´> 誰ニダこいつ?

( ・∀・) お前の弟?

川 *;–;) ドクオ……?

(*‘-`) ぼくは、『せいぎのけんし』どくおまん!!

<ヽ`∀´>ニダ?

( ・∀・)モラ?

(*‘-`) つよいんだぞ!! おまえらなんかひっさつの「ふみこみざん」でいちげきなんだぞ!!

(*‘-`) だから、わるもの! くーねえをいじめるのはやめろ!!

小さなオレは精一杯の勇気を持っていじめっ子たちに叫ぶが、しかし

<ヽ`∀´> うるせーニダ!

( ・∀・) そんなに言うなら見せて見ろよ、お前の「フミコミザン」とかいうやつを!

(*‘-`) うっ……

やっぱり小さなオレのこけおどしなんてこいつらには通用しなかった。
一瞬たじろいだオレは、しかし、なけなしの勇気をふり搾り、いじめっ子達に向かっていく。




41 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:53:16.90 ID:BPZVDjw20


(*‘-`) こーかいしてもしらないからな!! どくおまんひっさつ!!



(*‘-`) 「ふみこみざんッッ!!!」



幼い頃の自分は、そう言って竹刀を思いっきり横に振りぬいた。
といっても竹刀が長すぎて、竹刀を振っているというより竹刀に振られているという表現のほうが適当だろう。




43 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 22:55:54.59 ID:BPZVDjw20


( ・∀・)パシ ほい

案の定、その一撃はあっさり受け止められ、しかもあろうことかオレは竹刀を奪われてしまった。

<ヽ`∀´> ホルホル 弱いニダ、ドクオマン

( ・∀・) やっちまおうぜ

(*;-;) ぁぅ……

ぼか ぼか ぼか

殴られるオレ。何度か殴り返してみるも、こんなオレの幼い一撃じゃ体格のいいいじめっ子たちには通用しない。

(*;-;) くーねえを……いじめるな!!

体はボロボロだったし、奪われた竹刀で叩かれたりして正直ものすごく痛かった。
けれど、クー姉をいじめるやつらを許せない。
その気持ちだけは、なぜだか消えなかった。

(;・∀・) な、なんだよこいつ……気持ち悪ぃ

<ヽ;`∀´> もういいニダ、ほっといて行くニダ!

叩かれても叩かれても泣きながら叩き返してくる俺を気持ち悪く思ったのか、いじめっ子達はその場を去った。




46 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:01:33.98 ID:BPZVDjw20

川*;–;) ドクオ!! ドクオ、大丈夫か!?

(*‘-`) くーねえ……うん、えへへ……へーきだよ?

駆け寄ってくるクー姉に、オレは最大限強がってそう言った。

川*;–;) ドクオ……どうして私なんかを助けようとした?

(*‘-`) やくそくしたもん……くーねえがあぶないときはたすけにいくよって

事実、オレは殴られただけでクー姉を助けたといえるかどうか怪しいところだが、そのときのオレは確かにクー姉を助けられたと思っていた。

川*;ー;) そうか、ドクオは約束を守る男なんだな、かっこ良かったぞ

(*‘-`) えへへへ……

そのあと、オレはクー姉に肩を貸してもらいながら家に帰った。
そのあとカーチャンに何があったのか問い詰められたり、トーチャンに勝手に竹刀を持ち出したことを滅茶苦茶怒られたり、いろいろ大変だった。

あのときのいじめっ子二人が、成長してふたりともクー姉に告白しふられてしまったのはまた別のお話。




49 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:03:36.85 ID:BPZVDjw20

目を開けると、星空が広がっていた。
涼しい夏の夜風が、頬を撫でる

(;'A`) ぐ……ぅ

頭に走る痛みに耐えながら、ドクオはゆっくりと体を起こした。

「アハハハハ、生きてたんだ」

聞きなれたはずの、しかしまったく別の声がドクオの耳に響いた。

川 ゚々゚) そうこなくっちゃ、おもしろくないよねェ

(;'A`) お前……何者だ?

くぐもった声でドクオが聞くと、少女は例の狂ったような「アハハハ」という声で笑った。

川 ゚々゚) アタシ? アタシは……そうだねえ、分かりやすく言えば『地球破壊爆弾』の核みたいなもんかな?

(;'A`) は?

何を言っているのか分からないという顔のドクオを見て、再び少女が笑う。

川 ゚々゚) 今、この星には、この星の概念で言う爆弾みたいなものがしかけられている

川 ゚々゚) で、それを爆発させようとしているのがアタシ

薄ら笑いを浮かべながら、とんでもなく非現実的なことを、なんでもないことのように彼女は言った。




53 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:05:26.12 ID:BPZVDjw20

川 ゚々゚) 本当は二日前に爆発させることができたはずなんだけどねエ、
     アハハハハ、クーのヤツが邪魔したせいで随分予定が狂っちゃった

('A`) 二日前……それにクー姉って……

クー姉が死んだ日にこいつはクー姉に会っていた? なんだ? こいつは彼女の死について何を知っている!?

川 ゚々゚) アハハハハハハ、もう大体察しがついたんじゃない?




川 ゚々゚) クーを“殺した”のはアタシだよ




( A ) ッ!!

傍らに転がっていた紫色の布で包んだ棒状のものを引っつかみ、ドクオは目の前の少女に突撃する。
走る途中で布を引っぺがし、そして中から現れるのは黒塗りの鞘。




56 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:08:33.14 ID:BPZVDjw20

ガキィン

(;'A`) ッ!?

川 ゚々゚) アハハハハハ、いいねその表情

鞘から引き抜きざまに斬りつけた刀を、少女はいとも簡単にかわしてみせた。
空を斬った刀の切っ先がコンクリートの地面にあたり、鈍い音を立てる。

川 ゚々゚) でも、“その刀”はちょっとやっかいかな

再び少女の手がこちらに向けられる。
転瞬、襲い来るのは衝撃波。

(;'A`) ッく……!!

再び吹き飛ばされるドクオ。
今度は受身を取って、なんとか体制を立て直す。

(;'A`) お前、なんなんだ!? 何が目的なんだよ!?

川 ゚々゚) そうだね、この星の一番近い概念で言えば「地球外生命体」

「ま、厳密に言えば生命とはちょっと違うけどね」と言って、アハハと彼女は笑う。

川 ゚々゚) 目的はこの星を滅ぼすこと。何故ならそれが存在意義だから

理解できないという顔をしているドクオに「広い宇宙にはあんたに理解できないこともいろいろあるんだよ」と言って笑った。
クーとまったく同じ顔で。



58 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:10:44.14 ID:BPZVDjw20

狂った笑顔で笑う彼女に、ドクオは一番聞きたかった疑問をぶつける

(;'A`) なんで、クー姉と同じ姿をしている……!

川 ゚々゚) この星を理解する為にちょっと記憶とか容姿とかをコピらせてもらったんだよ
     まあそのせいであの面倒なヤツと戦う羽目になったわけだけど

「それに」と彼女は続けた

川 ゚々゚) 知的生命体ってのは、大体自分と同種族に殺されるときに一番悔しそうな顔をするもんだ

川 ゚々゚) 同じような姿をしていた方が、あのなんともいえない表情を多く拝めると思ってね? アハハハハハハハハハハハハッ

('A`) (こいつ……っ!!)

狂っている、とドクオは思った。
そして強く思う。

('A`) お前は……オレがここで止める

右手で持った刀を両手で構えなおした。
頭に浮かぶのは、あのときの彼女の言葉。

『絶対だな? 約束だぞ?』

('A`) オレは、約束を守る男だ!!

叫び、そして、突撃した。




62 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:13:36.10 ID:BPZVDjw20

川 ゚々゚) アハハハハ何それ!? 意味わかんないッ

笑いながら向けられる少女の手。転瞬、衝撃波が迫るがドクオは衝撃波の方向を少女の手の向きから予測し、回避する。
ドクオの足は止まらない。そのままの勢いで少女が刀の間合いに入るまで接近すると、思い切り刀を振りかぶった。

('A`) 地球の言葉で、お前を表現するに一番ふさわしい言葉を教えてやる! それは……

('A`) 『悪』だ!!

振り下ろされる刀。

川 ゚々゚) あははッ!!

しかしそれは、鈍い音を立て止められる。
刀を止めたのは、少女の恐ろしいほどに固い“爪”

(;'A`) くっ……

川 ゚々゚) アハハハハハ

弾かれる刀。それと同時に、刀を受けたのとは逆の手がドクオの腹部に迫る。

(;'A`) くそっ!!

迫った少女の爪を紙一重でかわしたドクオ。
よけ切れなかった攻撃によって服が切り裂かれ、横っ腹に血が滲む。

よろけたドクオは体勢を立て直し、少女の首に向けて渾身の突きを放つがそれも少女の爪によっていとも簡単にいなされてしまった。
突きによってくずれた体勢。それを立て直そうと思ったとき。
既に少女の手はドクオの首をしっかりと掴んでいた。


63 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:18:29.51 ID:BPZVDjw20

再び、締め上げられる首

( A ) ぐ……ッ!!

川 ゚々゚) アハハハハ今度こそ、息の根を止めてあげるよぉぉぉオオオオ!?

目の前にはよく知っているはずの彼女とまったく同じ顔をした少女の、狂喜に満ちた笑顔。
もうだめなのか……
再び薄れていく意識の中で、ドクオがそう思ったとき、一つの記憶が彼の脳裏によみがえった。

(*‘-`) 『くーねえ、このかたなきれいだね』

川*゚–゚) 『そうだろう? うちに伝わる家宝なんだ』

(*‘-`) 『かほう?』

川*゚–゚) 『ああ、そうだ。“悪しき者を打ち倒す”不思議な力を持った刀らしい』

(*‘-`) 『??』

川*゚–゚) 『悪いやつをやっつけられる刀ってことさ』

(*‘-`) 『ほんと!? じゃあおおきくなったらぼくにちょうだい!』

川*゚–゚) 『ふふふ、そうだな。ドクオにだったらあげてもいいかもしれん』

―――そうか、“この刀”は




65 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:21:45.01 ID:BPZVDjw20

川 ゚々゚) アハハハ死んじゃった、あっけないねエ

首をしめていた少年の体から力が抜けたことを確認した少女は、心底愉快そうに笑っていた。
――――その異常事態に気づくまでは。

川 ゚々゚) !? ……これは

だらりと力が抜けた少年の体。しかしその手は未だにしっかりと、自らの刀を握って離さない。
そして、その刀は鈍く青白く“発光していた”。

川 ゚々゚) これは……あの女のときと同じッ!?

刀の発光がひときわ激しくなる。まばゆい輝きに包み込まれ、気付けば少女は吹っ飛ばされていた。

川  々 ) ……ッ!!




「なるほどな、“悪しき者を打ち倒す”ってのは迷信じゃなかったわけだ」





67 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:27:33.91 ID:BPZVDjw20

光の中から聞こえるのは、先程自分が殺したはずの彼の声。
まずい、この光があの女のときと同じだとすれば、未だにあのときの傷が癒えない自分に勝ち目は……

('A`) せいぜい後悔しやがれ……今お前の前にいるのは『約束を守る男』で『正義の剣士』のドクオマンだ

川 ゚々゚) アハハハハ…ほざけッ!!

叫び、少女は突進する。
彼には反応できないはずの速さで、その喉下に鋭い爪をつきたてるために。

川  々 ) ……あは!?

しかし、その一撃はあっさりと受け止められてしまった。
青白く光る刀の切っ先に当たった指が、溶け始める。
どうも自分の体は、この青白い光と愛称が悪いらしい。



69 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:33:26.25 ID:BPZVDjw20


川  々 ) あは……アハハハハハハ!!!!!

狂ったように笑う少女。
それを見ながら少年は両手で持った刀の切っ先を、自分の脇の後ろに持っていく。
いわゆる“脇構え”

('A`) 悪いな……これで終わりにさせてもらうよ

剣をまとう青い輝きが、どんどんその強さを増していく

('A`) ドクオマン……必殺!!

そしてその輝きが最高潮に達したとき、少年は叫びながら剣を振るった。





('A`) 「フミコミザンッ!!」








71 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:35:30.68 ID:BPZVDjw20






ドクオは、真夜中の校舎の屋上に寝転んで空を見上げていた。








72 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:38:51.74 ID:BPZVDjw20

先程のクーと全く同じ姿をした少女は、全身を逆袈裟に真っ二つに斬られたあと、あの狂ったような笑い声を上げながら塵になって消えてしまった。

正直、あの少女がなんだったのかは分からない。

大の字に寝転がって空を見上げている今となっては、先程の出来事すべてが夢だったのではないかと思えるほどだ。
ボーっと夜空に広がる満天の星達を眺めていると、この星達のどこかにあの少女のような存在がいるのだろうか? と少しゾッとした。

傍らには、鞘に収めていない刀が転がっている。
結局、この刀がなんだったのかもよくはわからない。

一つ、ほっと溜息を吐いた。
結局、わからないことだらけだ。
でも、とりあえずこれですべて終わったのだ。
そんな安心感と友に。



74 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:42:16.07 ID:BPZVDjw20

ふいに、雨が降り始めた。
一粒だけ……いや、二粒だ。
それが目に当たって、なんだか変な感じがする。
おかしいな……空はこんなに晴れているのに。

『悲しむのは私の最後の願いを聞いた後にして欲しい』

ふいに彼女の遺書の一説が頭をよぎった。
ああ、そうか―――

( A )

―――これは涙だ。




75 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:46:56.46 ID:BPZVDjw20



( A ) 約束……守ったぜ? クー姉

( A ) だから……だからさ―――





78 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:48:43.80 ID:BPZVDjw20






「もう、悲しんでもいいんだよな……?」





そのとき、少年は初めて自分が彼女の葬式から一度も泣いていなかったことに気付いた。





79 名前: ◆gO4cFNk3g2 :2009/08/22(土) 23:50:46.69 ID:BPZVDjw20





     ('A`)「フミコミザンッ!!」のようです

             おわり







[ 2010/09/30 22:40 ] スレ立て短編 | TB(0) | CM(0)

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