スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

珈琲のようです

1 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 00:08:56 ID:KoBWYlCsO
(-@∀@) ただいま、っと

部屋の電気を付けて、敷きっぱなしの布団に鞄を放り投げる。

時刻20時36分。


(-@∀@) もう、こんな時間か


椅子に腰掛ける。煙草に火をつけ、溜め息とともに煙を吐き出した。



今日も、大変な一日だった。けれど明日はやっと休みだ。今日残業してきたたかいがあると言うもの。よし、今日はすぐに寝て、明日は一日中本でも読んでいよう。
短くなった煙草を灰皿に押し付け、寝巻きに着替える。風呂は、今日はいいや。明日シャワーを浴びればいいだろう。今から浴槽を洗って、お湯を溜めるのは億劫だ。

3 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 00:16:21 ID:KoBWYlCsO
(-@∀@) あ

そうだ。寝る前に珈琲を飲んでから寝よう。

今から寝るのに珈琲を飲むのは、何だか可笑しな話だけど、僕は飲む。毎日、寝起きと寝る前に濃い珈琲をブラックのまま飲むのが僕の日課なのだ。

戸棚から珈琲を取り出しているときに、ふと、僕がこれを日課にしたのはいつだったかを考えた。

4 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 00:27:05 ID:KoBWYlCsO
あれは、確か・・・そうだ。高校生の時だ。
高校生に成り立てで周りに馴染めていなかった僕に、先輩が苦い珈琲を飲ませてくれたんだっけ。


(-@∀@) 懐かしいなぁ

先輩は、今もあの時のように誰かに苦い珈琲を飲ませているのだろうか。
あの頃の僕は、先輩の珈琲をそのまま飲めずに、いっつもミルクを足していたっけなぁ。

その度に先輩は、お前は子供だな、ってからかってきたから、僕はそれが堪らなく悔しくてそれから苦いブラック珈琲を毎日飲むようになったんだ。


(-@∀@) ははっ

まさかそれが大人になった今でも続いてるなんて、僕もビックリだ。

5 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 00:41:58 ID:KoBWYlCsO
いつだったか、先輩に誘われて先輩の家に行ったときは緊張したなぁ。
出来もしないお洒落をして、普段しないような父親から貰った高価な時計までつけて行ったっけ。

そして先輩はそんな僕を見て、どこの名探偵だー、って言って笑い転げてたなぁ。まぁ、確かに当時の僕は推理小説の主人公に憧れていたが、さすがにあれは恥ずかしかったな。

だって、大好きな人に大笑いされたんだから。そりゃ泣けてきますよ、先輩。


で、泣き出した僕にあたふたしながら先輩はまた苦い珈琲を出してくれたんだっけ。

お前、その格好に珈琲似合うな。後、煙草があれば完璧だな。

そんな風に言うから、僕は、身体に悪いのを承知で煙草を吸い始めたんですよ、先輩。
いつか、先輩を驚かせようとして、吸い始めたんですよ?なのに先輩は、


(-@∀@) ・・・どこにいったんですか、先輩



先輩は、僕を家に呼んだ次の週に、学校を辞めた。何でも、やりたいことが見つかったそうで、突然この街から離れていってしまった。

6 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 00:54:56 ID:KoBWYlCsO
先輩がどこに行ったか。
僕は先輩と仲の良かった人達に片っ端から聞いて回ったが、みんな口を揃えて知らない、と言う。

勿論、彼女の親は何処に行ったか知っていたはずだが、当時の僕にはそれを聞き出す勇気は持ち合わせていなかった。

無意識のうちに舌打ちををする。何故、あの時聞いておかなかったのか。当時の自分に説教をしてやりたい。


(-@∀@) ・・・・

そして、僕は、途方にくれた。急に現れて、僕を救ってくれた僕のヒーローが、また急に去っていってしまったんだ。

先輩に嫌われるようなことをしたのか。それとも悪戯好きの先輩の冗談なのか。

僕はすがるような気持ちで先輩が行きそうな所へ通った。先輩とよく行った喫茶店も毎日覗いた。先輩のお気に入りの公園にも毎日行った。

けれど、そのどこにも先輩はいなかった。

7 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 01:10:48 ID:KoBWYlCsO
僕は、急に世界から見放された気持ちになった。学校も休みがちになった。
だって、クラスに馴染めなかった僕がわざわざ早起きして学校に行っていた理由なんて、先輩に会うためだけだったから。



(-@∀@) ・・・はぁ

煙草に火をつけて上に向かって煙を吐く。
何で今、思い出したんだろう。忘れようと決めたのに。

あれは夢だったんだ。学校嫌いな僕が作り出した幻想だったんだ。だから、早く忘れよう。


(-@∀@) 何てね

そう言って口端を歪める。あれは夢なんかじゃあない。それは僕自身が知っているじゃないか。だから、今も思い出す度悲しくなるんじゃないか。


ふと時計を見る。


時刻21時20分


いつの間にか思い耽っていたようだ。もうこんな時間だ。さっさと珈琲を飲んで寝よう。


ヴー ヴー


僕がカップに口をつけたのと、テーブルの上の携帯が震えたのは、ほぼ同時だった。

8 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 01:25:17 ID:KoBWYlCsO
(-@∀@) はいもしもし


『問1!私は誰でしょう?』


(;-@∀@) は?


『解ったら再度かけ直してください。ブッツー・・・ツー・・・』


(;-@∀@) ・・・かけ直してくださいって

一体なんだと言うのだ。間違い電話にしてはあまりに迷惑な間違い電話だ。大方、どこぞの学生がふざけて友人に電話しようとして間違ったんだろう。


と、言うことはだ。恐らく彼方は僕の携帯番号を友人の携帯番号と間違えていることになる。つまり、ちゃんと弁解しないとまたかかってくる可能性があると言うことだ。

(-@∀@) ったく、面倒くさい・・・

僕は先ほどかかってきた番号にかけ直した。二秒ほどコールした後に元気な女性の声が飛び込んできた。


『はいもっしー』


(-@∀@) あ、先ほど電話を頂いた者ですが


『お、もう解ったのか!関心関心。それじゃ答えを――』


(-@∀@) 僕は朝日と言う者ですが、あの、貴方、かけ間違えていませんか?

9 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 01:47:40 ID:KoBWYlCsO
『・・・・』

暫しの沈黙。やっぱり間違い電話だったか。少しでも期待してしまった自分がバカらしい。ほら、間違いなんだろ。僕はもう寝たいんだ。さっさと――


『間違えてねーよ。アサピー』


ドクン、と心臓が高鳴る。アサピーとは、高校時代の僕のあだ名だ。最も呼んでいたのは一人しかいないが。まさか、まさか――


(;-@∀@) 先輩、ですか?


『ブーッ!違います』


(;-@∀@) 違うのかよ!

いや、そんなはずはない。違わないはずだ。だってアサピーは先輩が付けてくれたあだ名なんだから。

(;-@∀@) 先輩ですよね!?何でこんな


『だからブーッだって。私はさっき誰でしょう、って言ったんだぜ?』

電話越しにニヤリと笑う先輩が頭に浮かぶ。この話し方は、間違いない。


(;-@∀@) 猫田、猫田つー先輩ですよね!?


『ピンポーン。大正解~』


ほら、ほら、やっぱりつー先輩だ。


(-@∀@) は、はは!先輩!どうし――


『はい問2~。アサピーは私をどんな人みたいと言ったでしょーか』


(;-@∀@) は?

10 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 02:24:50 ID:KoBWYlCsO
『それじゃ、解ったらまた電話してね~』


(;-@∀@) ちょ、ちょ待って下さいよ!

『んあ?もうわかったの(;-@∀@) 先輩!今までどこに行ってたんですか!なんで急にいなくなっちゃったんですか!


『・・・・・』


(;-@∀@) 先輩!


『・・・答えが解ったらまた電話しろブッ・・・』


電話が、切れた。ついでに、僕もキレた。


(#-@∀@) なんっなんだよ畜生おおおおおおお!!

テーブルに拳を叩きつける。痛い。それに熱い。今の衝撃で珈琲が少し零れたようだ。何なんだこの仕打ち。

電話主は先輩で間違いない。けれど、何故先輩はこんなクイズなんか・・・


(-@∀@) あっ


思い出した。先輩はよく僕に意地悪なクイズを出してからかった。

まぁ、クイズと言っても、カニはどうして横にしか歩かないか、とか言う簡単な問題で、僕が正論を言うと先輩が無理矢理な答えを出すというクイズらしからぬ謎々だったが。

とにかく、この変なクイズで聞きたいことを誤魔化されたら敵わない。再度、折り返しかけ直す。次はワンコールで出た。


『よぅ、さっきぶり。答えわかったかー?』


(-@∀@) はい。猫みたいな人、で合ってますよね?


『正解!よく覚えてるねあんたも』


(-@∀@) 先輩、そんなことよりな『じゃあさくさくいこー。問3!』


人の話を聞け。

14 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 22:25:14 ID:KoBWYlCsO
『私の好きな飲み物はなんでしょーっか?』


(-@∀@) ・・・先輩、いい加減にしてくださいよ。何なんですか、これ?

(#-@∀@) 急にいなくなったらと思ったら急にこんな・・・!


『・・・あーうるせぇな。わかった』

『俺の出す問題を一つ答えるごとに、お前の聞きたいことを教えてやるよブッ・・・』


また、切れた。
先輩は一体何をしたいんだ。こんな子供じみたクイズなんか。僕はそんなことよりもっと、先輩と話したいことが山ほどあるのに。

と言ってもこのままクイズに答えなければ先輩の機嫌を損ね、二度と先輩のことを聞けないかも知れない。それに、問題に一つ答えるごとに僕の質問に答えてくれると言った。今はこの条件だけで頷こう。

もう一度、かけ直す。一回目、二回目、三回目のコールで繋がった。先輩は何故か息切れしているようで、荒い呼吸が暫く繰り返されていた。


『ハァ・・・よう、もう、わかった、のか?』


(-@∀@) ・・・先輩?大丈夫ですか?


『はっ・・・バーローめ。これ、しき、余裕、だっつの。ほら、さっさと、言え』

15 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 22:40:59 ID:KoBWYlCsO
なにか、あったんだろうか。そもそも先輩が今どこで何しているか、僕は知らない。それに、聞いたところでクイズに答えてから聞けー、と言われるだろうな。

今はこの子供じみたクイズを終わらせるのが先だ。早く終わらせて、ぐうの音も出ないほどに問い詰めてやる。


(-@∀@) 先輩の好きな飲み物は、苦いブラック珈琲です

『はは、まだ根に持ってたのか。正解!』

(-@∀@) 約束通り答えてもらいますよ

『どんとこいや』


何を聞くが迷ったけど、僕の口から自然と言葉が紡いでいた。


(-@∀@) 先輩は、僕のことをどう思っていましたか?


『・・・どうって、うーん。可愛い後輩?』


(-@∀@) それだけ、ですか?


『まぁ、そだな。今も昔もお前は俺の可愛い後輩だよ』


(-@∀@) ・・・そうですか


はは、なんだ。やっぱり、先輩にとって僕はその程度の人間だったのか。

17 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 23:03:01 ID:KoBWYlCsO
その答えを聞いて僕は、やはりと言うか、とても落胆した。所詮、僕の恋なんて実るはずがなかったのだ。

はは、はははははははは。笑うしかなないな、はははははは。


(。-@∀@) ははははははははは

違ぇし泣いてねぇし。ただ目からしょっぱい汁が溢れてるだけだし。


『おい、大丈夫かお前?』


(つ∀@) ははは、大丈夫ですよ。さぁ、がんがん行きましょう!


とりあえず、クイズを終わらせて聞きたいことを聞いたら寝よう。もう疲れたよ僕ぁ。


『変な奴。んじゃ問4!私がよくお前を連れてった喫茶店は?』


(-@∀@) Cat Kitchenです


『ピンポーン。んじゃほら、聞きたいこと言いな』


(-@∀@) 先輩は今までどこにいたんですか?


『んー、日本中かな』


(;-@∀@) はい?


『旅してたんだよ、日本中を』

(-@∀@) なんでまた・・・


『いつか、話さなかったか?俺の夢は日本中を旅することだって』

18 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 23:22:14 ID:KoBWYlCsO
そう言われれば、そんな気もしないが、何故その夢を高校を卒業してからと考えなかったのか。

思い立ったが即行動、がモットーの先輩らしいっちゃ先輩らしいけど、せめてそれを僕に伝えてくれても良かったんじゃないか。


『・・・おい、聞いてんのか?』


(-@∀@) え?


『だーかーらー。私の趣味はなんでしょーか?』


あぁ、また次の問題か。
先輩の趣味?確か、読書と散歩だったような気がする。うん。間違いない。似合わないですね、と言って鼻フック喰らった覚えがあるから間違いない。


(-@∀@) 読書と散歩です


『・・・と?』


(-@∀@) はい?


『もう一つあるよ』


もう一つ?
嘘だ、僕の記憶にはないぞ?

・・・いや、あった。そうだそうだ。鼻フックされた後に先輩は言ったんだ。


(-@∀@) ・・・僕をからかうこと、ですか?


『正解!ま、正確には苛めることだけど』

19 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 23:50:13 ID:W/P9ThgY0
見てるで

20 :名も無きAAのようです:2012/03/13(火) 23:52:50 ID:KoBWYlCsO
けらけらと笑う先輩は、本当に昔のままで、僕はホッとした。やっぱり、何年経っても先輩は先輩なのだ。


『おらー、ちゃっちゃと質問せんかーい』


(-@∀@) あ、じゃあ・・・先輩は今どこにいるんですか?

 ビップ
『美歩にいるぜ』


なんと。この街に戻ってきていたのか。

(-@∀@) いつ、戻ってきたんですか?


『ついこないだー』


(-@∀@) 本当に、自由な人ですね。先輩は


『・・・自由なんかじゃないよ』

(-@∀@) ?


『はい次の問題!私が高校を辞めた理由はなんでしょうか?』

今、一瞬だけ先輩の声に陰りが見えたけど、ただの気のせいか?
それよりもこの問題は、僕が知り得ないことじゃないか。意地悪な先輩らしい問題だがズルいぞこれは。


(-@∀@) 日本中を旅するためですか?

『ブーッ!もっと頭捻れよアサピー』


(;-@∀@) そんなこと言われても

21 :名も無きAAのようです:2012/03/14(水) 00:09:07 ID:1xSx/GscO
(-@∀@) 授業についていけなくなった?

『バカにしてんのか』

(-@∀@) 好きな人と駆け落ちするため?

『そんな物好き私の周りにゃいねぇ』


参った。これはさすがにわからないぞ。心当たりもないし、どうしようか。


『思い付かねぇか?』


(-@∀@) ちょっと・・・わかんないですね


『しょうがねーなー。答えは、退屈だったから』


(-@∀@) え?


『退屈だったからだよ』

(-@∀@) そんな理由で

『だってよ、よく考えてみろよ。自分がいつ死ぬかわからないのにわざわざ高い金払ってまで社会の歯車にしてください、って頼みに行くんだぜ?全く、アホらしいったらないぜ。バカみたいに右ならえしてよ、しない奴は異常者扱いだ。そんな退屈なとこ、行ってるだけ時間の無駄だなって思ってさ』


(-@∀@) ・・・でもそれは


『あぁ、わかってる、わかってるよ。仕方ないんだよな。生きてくって、そう言うことだから。でもな、私はどうしてもそこで素直に頷きたくないんだよ』

22 :名も無きAAのようです:2012/03/14(水) 00:24:12 ID:1xSx/GscO
『そこで素直に頷いちまったら、私が産まれたその瞬間からそれが決まっていたことを当たり前のように受け入れる見たいで、嫌なんだ』



僕は、何にも言えなかった。

先輩の言うことは、どう考えても絵空事だ。生きている限り、社会から抜け出すのは不可能なのだ。

産まれ落ちたその瞬間から社会の歯車に取り組まれて、死ぬまで抜け出せることはない。その社会で自由に生きるなんて。ちょっと僕には考えられない。


『・・・湿っぽくなっちまったな。どれ、さっき答えられなかったから罰ゲームな』


(;-@∀@) はい?


『んー罰ゲームかー。何にしよっかなぁ』


(;-@∀@) ちょ、聞いてないですよ!


『だって言ってねーし』


無茶苦茶だよこの人。


『んーじゃあさ、私が辞めてった後、お前がどういう風に今まで過ごしてきたか教えて』

24 :名も無きAAのようです:2012/03/14(水) 00:49:47 ID:1xSx/GscO
思ったよりも普通なもので、身構えていた僕は肩透かしを喰らった気分だった。これ、罰ゲームと言うよりただの質問じゃないか?

(-@∀@) あの、そんなのでいいんですか?

『今すぐ学校に行ってユートピアしながら盛大に花火打ち上げてこい、的なやつでもいいんだぜ』

(-@∀@) 喜んで話させて頂きます

『残念だ。詳しく話せよ?』


(-@∀@) はい。えっと、先輩がいなくなってからは学校にあまり行かなくなりましたね。それでも何とか卒業して、近場の大学に行って、普通の会社で毎日社会の歯車として一生懸命働いてますよ

『へー。思った通り詰まんねぇな』

(-@∀@) すみませんね、僕は先輩と違って普通を好むんです

『私がいなくなってそんなに寂しかったか?』


笑いながらそう言う先輩に、少し怒りと呆れを混じえて言った。


(-@∀@) そりゃあそうですよ。ろくに友達もいない僕と唯一仲の良かった先輩が急にどこかに行っちゃったんですから。少しは反省してください


『ごめんごめん』


(-@∀@) それに、言ってくれればよかったじゃないですか。学校が退屈だったから、自分の夢を果たしたかったって。何で言ってくれなかったんですか

25 :名も無きAAのようです:2012/03/14(水) 01:09:01 ID:1xSx/GscO
『あーそれは』

先輩なにかを言いたいようで、言いたくないように口ごもり、暫しの沈黙の後に言った。

『怖かったんだ。誰かに言ったら、甘えそうで。そのままずるずる夢をどこかに忘れてきちまいそうで』

(-@∀@) でも僕は

『ごめんな』

(-@∀@) ・・・先輩

『ごめん』


何を聞こうにもごめんの一点張り。電話の向こうでは、あの時見たいな顔で謝っているのだろうか。


(-@∀@) やっぱり先輩はズルいですよ

(-@∀@) そんな言い方されたら、許すしかないじゃないですか


『・・・本当はな、お前が家に来たとき、お前にだけは言うつもりだったんだ。でも、言った後のお前の顔を想像したら、決心が揺るぎそうでさ。結局言えなかった』


何度目かの沈黙。話したいことは山ほどあるのに、いざ話そうとするとこんなにも上手く言葉に表せないのか。どうして人は言葉なんて作ったのだろう。ただ、心が見えにくくなるだけなのに。


(-@∀@) ・・・先輩

『ん?』

(-@∀@) 会いたいです

26 :名も無きAAのようです:2012/03/14(水) 01:33:54 ID:1xSx/GscO
(-@∀@) 会いたいです、先輩

『アサピーごめん、それは――』


(#-@∀@) だったら何で今さら電話なんてしてきたんですか!


(#-@∀@) 僕が今までどんな思いで貴女を思っていたか、わかりますか!?


(#-@∀@) 急に独りぼっちにされて、どれだけ寂しかったか!


(#-@∀@) 先輩に見放されたと思って、毎日毎日なにか悪いことしたかとか考えて!


(#-@∀@) また先輩冗談だと思っていもしないのに学校で先輩を捜して!街中捜し回って!


(#-@∀@) 7年ですよ!?先輩がいなくなって7年!


(#-@∀@) その間に連絡の一本くらい入れてくれても良かったじゃないですか!


(#-@∀@) それなのに、今さらこんなっ・・・こんな電話してきて・・・なんのつもりですか!

27 :名も無きAAのようです:2012/03/14(水) 01:48:07 ID:1xSx/GscO
いつの間にか、携帯電話を強く握り締め怒鳴っていた。

あぁ、畜生。何で僕はこういうことしか言えないんだ。先輩がこの街に戻ってきて、またあの時見たいに接してくれる。それで、いいじゃないか。何でこんなことを言ってしまうんだ。

自分の汚いところさらけ出してしまって、先輩を困らせてしまって、僕は、本当にあの時と何も変わってないじゃないか。



(-@∀@) ・・・すみません先輩。忘れてくだ『なぁ、アサピー』


(-@∀@) はい?


『お前は、私のことが、好きか?』


(-@∀@) え?


『私はな、お前が好きだぞ』


思考が停止する。持っていた携帯を落としそうになり慌てて持ち直す。今、先輩はなんて言った?

32 :名も無きAAのようです:2012/03/15(木) 22:36:19 ID:n0M9tmckO
(-@∀@)


『・・・・』


(-@∀@)


『・・・・』


(-@∀@)


『・・・なんか言えや』


ハッ。いけないいけない、放心してしまった。

僕の聞き間違いでなければ、今先輩は僕のことを、す、好きって?


(;-@∀@) だ、だって先輩。さっき僕のこと、可愛い後輩だって

『私は異性として可愛いって言ったんだぜ?』


何てこった。遂に耳がイカれたと思ったら頭までイカれてしまった。
これは由々しき事態。エマージェンシー。至急、至急、酸素を脳にとりいれtあばばばばばばばばばばばばばばばばばばば


(*;-@д@) ばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば


『お、おい。大丈夫かお前?』


(-@∀@) はい大丈夫です!いつでも元気いっぱい、誠心誠意がモットーの日向朝日23歳Death!


『ダメだなお前』

33 :名も無きAAのようです:2012/03/15(木) 23:29:15 ID:n0M9tmckO
あぁ、神よ。この世に生を授かりうん十年。貴方を信じたことなどこれっぽっちもなかったが、この瞬間から貴方を崇拝致します。

実に、長かった。あまりにも、長すぎた。ごめん、言いたかっただけだ。ただ長かったのは事実だ。僕は8年もの間、先輩を想い続けてきたのだ。

それが今日、この日に僕の恋は実り、晴れて僕達は相思相愛になったのだ。なんと喜ばしいことだろうか。
踊るか。踊ってしまおうか。いや、いっそのこと脱ぐか。うん、脱いでしまおう。


『おい』


(-@∀@) はい?

いかんいかん。舞い上がりすぎて先輩をほったらかしにしてしまった。
電話越しでも、先輩が緊張しているのがわかった。あ、だのえっと、だのあの時の先輩からは考えられない程に緊張している。

『・・・んじ』


(-@∀@) へ?


『返事!・・・聞かせろよ、バカ』

34 :名も無きAAのようです:2012/03/15(木) 23:56:07 ID:n0M9tmckO
(-@∀@) 好きです、先輩


(-@∀@) ずっと、ずっと貴女が好きでした。いや、今も好きです


『・・・知ってた』


(-@∀@) 好きです、先輩。大好きです


『・・・何回も言うな、バカ』


(-@∀@) 嫌です。この7年間、何も言えなかったんですから。僕からのささやかな仕返しです


『・・・本当に』

『・・・本当に、私のこと好きか?』


(-@∀@) はい


『私でいいのか?』


(-@∀@) 先輩がいいんです


『私のことなら何でも受け入れられるか?』


(-@∀@) ・・・先輩?

40 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 00:52:05 ID:tah3a1EAO
何故、先輩はそんなことを聞くのだろうか。電話越しに悲しい顔を浮かべた先輩が見えた気がした。


(-@∀@) 先輩、俺は


『チャッチャラチャーン。最後の問題です。なんと、最後の問題は時間制限つきです』


なにこの切り替えの早さ。女優か。


『私が一番嫌いな場所はどーこだ。これは難しいからヒントをやる。201、だ』


(;-@∀@) ちょ、ちょっと先輩。まだ返事――


『タイムリミットは明日の午後4時だ』


『必ずこいよ』


(-@∀@) ・・・あ


『待ってるからな・・・ブッ』


それっきり、電話は切れてしまった。僕は暫く携帯電話を見つめ、やがてベットに寝っ転がった。

いったい、何のつもりだろうか。先輩は隠れんぼでもしているつもりなのだろうか。それとも、僕の返事による照れ隠しなのか。

どちらにせよ明日の休日は無くなりそうだ。溜め息をついた僕の口元がにやけていたのはきっと、気のせいではない。

テーブルでは冷めた珈琲が悲しげに照明を映し出していた。

41 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 01:27:17 ID:tah3a1EAO
翌朝、自身が設定した目覚ましよりも早く起きた。寝起きは悪い方だが、今日ばかりはスムーズに起きれた。

やはり、先輩に会えると言う喜びからなのか。朝食を作るときも、自然と鼻唄を歌ってしまう。浮かれすぎだろ、自分。

TVをつけ、出来上がった朝食を口にしながら珈琲を啜る。
時刻は9時ジャスト。上出来だ。

さて、問題はここからだ。先輩が昨日言っていた、一番嫌いな場所を見つけなければならない。
大体の目星はついてるけど、先輩が言ったヒントの201がどうしてもわからない。何かの暗号なのか?

まぁ、いい。考えるよりまず行動だ。僕はお気に入りのジャケットを羽織ると意気揚々と家を出た。


(-@∀@) あ、やべっ鍵かけ忘れた


そして意気消沈しながら家へ戻った。

42 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 01:42:02 ID:tah3a1EAO
まず最初に向かったのは僕らが通っていた学校だ。先輩が退屈で辞めたくらいだ、好いてはいないだろう。

事務室で手続きをしてから校舎内を回る。幸い、今日は祝日で生徒がいないのである程度自由に回れた。けれど何処にも先輩は見当たらなかった。

事務員に軽く挨拶をして校舎を出る。ここではなかったか。そもそもここだったらヒントの意味がない。
電話も、電源が切られている見たいで繋がらないし、八方塞がりだ。


(-@∀@) ・・・はぁ


てゆーか、僕は大事な休日にいったいなにをしているんだ?
せっかく残業までしてもぎ取った休日を、こんな先輩の気まぐれなんかで潰していいのか?


そう思い、止めた。
何をくだらない。たかが残業をして得た休日くらい、またいくらでももぎ取ってやるさ。ただ、先輩に会えるのは今日しかないかも知れないんだ。

43 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 01:57:12 ID:tah3a1EAO
とは言っても情報も何もないんじゃ行動のしようがない。どうしたものか。

僕が少し一服を、と立ち寄った公園で見知った顔を見かけた。

(-@∀@) 兄者先輩?


( ´_ゝ`) んお?・・・おぉ!朝日か!久しぶりだな

そう言うと、兄者先輩は細い目を更に細め、ニカッと笑った。

(-@∀@) お久しぶりですね。今日はどうしてこちらに?


( ´_ゝ`) いやーなんかさ、弟者に家に籠ってばっかいないで外に行けー、って言われてさ。仕方なく散歩してたのよ


この人は高校の先輩で、僕の数少ない仲のいい人物だ。つー先輩とも仲が良く、よく三人で話したりもした。弟者と言うのは、兄者先輩の双子の弟だ。


( ´_ゝ`) そう言うお前は仕事、どうした?クビになったか?

(-@∀@) まさか。今日は休みですよ。昨日まで死ぬほど残業しましたから

44 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 02:10:09 ID:tah3a1EAO
( ´_ゝ`) そっかー。社畜は大変だねぇ

(-@∀@) 先輩はそろそろ仕事見つけてくださいよ。後輩として情けないです

( ´_ゝ`) うぐぅ・・・痛いところを突くねちみぃ


先輩はヘラヘラ笑いながら僕を見つめる。僕は煙草に火をつけて灰皿のあるところまで先輩と移動した。


( ´_ゝ`) あれお前、煙草吸ってたっけ?

(-@∀@) 吸ってましたよ

( ´_ゝ`) あぁ、そっか。あいつの影響ね

(-@∀@) そう、ですね


( ´_ゝ`) なぁ

(-@∀@) はい?


( ´_ゝ`) あいつ、何してんだろーな

( ´_ゝ`) 俺にも、ましてやお前にまで何も言わずにいっちまいやがって


( ´_ゝ`) とんだバカやろうだよ、本当

45 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 02:24:36 ID:tah3a1EAO
兄者先輩は遠くを見つめながらそう呟いた。そうだ、つー先輩がいなくなって悲しかったのは僕だけじゃない。きっと兄者先輩だって同じだったはずだ。


(-@∀@) ・・・昨日

(-@∀@) つー先輩から、電話がありました

( ´_ゝ`) え?

(-@∀@) 今日、会う予定なんです

( ´_ゝ`) お、おおおお!そっかそっか!良かったじゃんか!

先輩は僕の背中を叩きながらにこやかに言う。

( ´_ゝ`) で、待ち合わせ場所はどこなんよ?

(-@∀@) それが―――

昨日あった出来事を、事細かに説明した。多少はしょったが、問題はないだろう。先輩は聞き終えた後、重々しく口を開いた。

( ´_ゝ`) なるほどね。そーゆー訳だったのか

(-@∀@) はい

( ´_ゝ`) とりあえず言わせてくれ

(-@∀@) はい?


(#´_ゝ`) リア充死ね!氏ねじゃなくて死ね!


先輩は子供が作ったであろう砂の城を蹴り壊し、滑り台を逆そうしてからブランコに立ち乗りし勢いよく背中から落ちた。

何をしたいんだこの人。

46 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 02:38:28 ID:tah3a1EAO
一応、声をかけてみる。


(;-@∀@) 大丈夫ですか?

(#´_ゝ`) 大丈夫なわけねぇだろ!見ろ!この姿を!

えぇ、そりゃあもう無様ですこと。

( ´_ゝ`) あー畜生。これだからリア充は嫌なんだ。非リアに相談を持ちかけて自分はモテて困ってますアピールしやがってブツブツ

(;-@∀@) や、そんな気持ちで言った訳ではないんです!ただ、先輩がいそうな場所を知りたくて・・・

( ´_ゝ`) 墓の下にでもいんじゃねーの

(;-@∀@) 縁起でもないこと言わないで下さいよ!兄者先輩は、僕よりもつー先輩との付き合いが長いから、先輩が嫌いな場所を知っているかも知れないと思って話したんですから!


( ´_ゝ`) って言われてもなぁ・・・あいつの嫌いな場所なんて聞いたこともないぞ?

47 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 03:00:51 ID:tah3a1EAO
先輩は頭をボリボリと掻きながら眉毛をへの字にさせた。やっぱり、手がかりはなしか。今の時刻は11時。時間の余裕はあるが心の余裕はない。

( ´_ゝ`) あ

先輩が思い出した様に声をあげた。

( ´_ゝ`) そーえばあいつ、注射とか嫌いだったな。予防接種とかよく休んでたし

(-@∀@) いや、だから僕が聞いてるのは場所で・・・


いや、待てよ。注射が嫌い?頭の片隅に何かが引っ掛かってる。思い出せ、思い出せ。





(* ∀ ) 『私、注射とか病院とか嫌いなんだよねー』




そうか。そうだ、病院だ。ヒントの201は病室。間違いない。

(-@∀@) 先輩、ありがとうございます!

( ´_ゝ`) うえ?あ、あぁ、なにが?

(-@∀@) 今度、ご飯奢ります

吸いかけの煙草を灰皿に押し付け、走り出した。先輩は背中越しに、イタリアンなーと言っていたが聞こえなかったふりをする。先輩は、せいぜい吉野家で十分だ。

ここから一番近い病院は、美府第一病院だ。歩いて20分てとこか。
きっと、そこに先輩がいるはずだ。

50 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 23:44:15 ID:tah3a1EAO
と、そこまで考えて歩みを止めた。もし、もし先輩が本当に病院にいるとしたら、それは、何故?

怪我?病気?それとも、誰かのお見舞い?
いや、そもそも病院と言うのが間違いなのかも知れない。もっとよく考えて――


( ´_ゝ`) おい

(;-@д@) くとぅるふ!

振り返れば呆れ顔の兄者先輩が立っていた。いきなり声をかけないで欲しい。思わず神話が口から飛び出してしまった。

( ´_ゝ`) お前、煙草忘れてったぞ。感謝しろよな

(-@∀@) あ、あぁ、ありがとうございます

( ´_ゝ`) それにしても、急に走ってったかと思ったら道端で突っ立って、何したいんだ、お前。早くつーの場所に行ってやれよ

女を待たすのは紳士じゃないぜ、と先輩は笑いながら肩を軽く叩いた。

51 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 23:54:30 ID:tah3a1EAO
( ´_ゝ`) アイツに何があったか、今どうしているのか、俺は知らない

けどな、と先輩は続ける。


( ´_ゝ`) アイツは、どうしてもお前に会いたいから、連絡を寄越したんじゃないのか?


( ´_ゝ`) だったら、お前は何も言わずに会いに行ってやれよ。ずっと、会いたかったんだろ

先輩は先程とは別人と見間違う程に真面目な顔で、僕を見つめる。

そうだ。先輩の言う通りだ。つー先輩は、僕に会いたい。僕は、つー先輩に会いたい。それだけで十分じゃないか。無駄に考えてた自分がバカらしい。


(-@∀@) 先輩

( ´_ゝ`) おう?

(-@∀@) 僕、いってきます

( ´_ゝ`) おう。アイツによろしくな~


ひらひらと手を振る先輩に背を向け僕は歩き出した。

先輩に、会いに行くために。

52 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 00:14:56 ID:hbeBapQ6O



   ◆  ◆  ◆  ◆ 


僕はある病室の前で一人唸っていた。病室は201号室。この扉の向こうに先輩がいるのだ。
しかし、いざ入ろうとすると、何と言って入ればいいのかわからない。
久しぶりです、は余りにも普通だ。会いたかったです、なんて気恥ずかしくてとても言えない。あぁ、一体どうすれば。

僕が一人悶えていると、扉越しに凛とした声が聞こえた。


『誰か、いるのか?』


あの時と同じ、先輩の声。大好きだった先輩の声。先輩、先輩。

(-@∀@) 先輩

僕はほぼ無意識に先輩の名前を呼んでいた。そして、扉に手をかけ、開けた。




(*゚∀゚)



そこには、当時よりも大人びた先輩が、ベットに横たわっていた。

あぁ、先輩だ。僕の、先輩。

53 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 00:30:20 ID:hbeBapQ6O


(*゚∀゚) あちゃー、わかっちゃったか。まぁ、座れよ


先輩はにっこり笑って僕に向かって手招きをした。いや、正確に言えば、僕のいる空間を見つめながら言った。なんだ、なにかおかしいぞ。

(*゚∀゚) どうした?座れよ

(-@∀@) あ、はい

言われた通り椅子に座る。どうやら誰もお見舞いなどには来ていなかったようで、先輩の周りは酷くこざっぱりしていた。

(*゚∀゚) しかしよくわかったな、私がここにいるって

(-@∀@) 兄者先輩が、ヒントをくれたんです

(*゚∀゚) あぁ、あのバカか。元気にしてたか?

(-@∀@) えぇ、絶賛ニート中でしたよ

(*^∀^) ひひ、あいつらしいや

先輩は嬉しそうに笑いながら目を細めた。本当に、久しぶりだ。でも何故か昨日も話していたような、そんな気もする。

54 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 00:41:53 ID:hbeBapQ6O

でも、ここにきてから何故か違和感を感じる。先輩が、僕を見ている様で、見ていないような。

(-@∀@) そうだ、先輩。先輩は何で入いn

(*゚∀゚) おーそうだそうだ。全問正解者には賞品を渡さないとな。ほれ、受けとれ

僕の言葉を遮るように先輩はインスタント珈琲を突き出した。

(*゚∀゚) あ、コップはそこの引き出しに二つ分あるから。ポットはそこな

(-@∀@) ・・・それは要するに淹れろ、ってことですか?

(*^∀^) ざーっつらーいと

(-@∀@) 人使いの荒さは全く変わってないんですね


皮肉めいたことを言いながらコップにお湯を注ぐ。その間に先輩がぼそりと呟いた。


(*゚∀゚) ・・・変わったよ

(-@∀@) え?

(*゚∀゚) 私は、変わったよ

(-@∀@) 先輩?

55 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 00:58:08 ID:hbeBapQ6O

(*゚∀゚) もう私は、あの頃みたいにお前とじゃれたりできない

(* ∀ ) もう私は、あの頃見たいに悪戯できない

(*;∀;) もう、もう私はただのつまらない人間なんだよ!


先輩が、顔を覆いながら泣きじゃくった。いきなりの出来事で、僕はどうしていいかわからず狼狽えていた。

(;-@∀@) せ、先輩?

(*;∀;) う、ああ!

先輩は顔をあげると、僕に抱き着いた。持っていたコップを落としそうになり、テーブルにゆっくり置いて、先輩を抱き返した。

(-@∀@) 先輩・・・

(* ∀ ) ごめん・・・暫く、こうさせて・・・


この時、決して不純な気持ちを抱かなかった訳ではなかった。心臓はビートを刻む様に速くなるし、下半身には熱が溜まっていくのがわかる。

このまま、先輩を、僕の手で壊したかった。けれども、出来ない。僕にはこんな華奢な先輩を壊すことなんて、出来なかった。

56 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 01:09:34 ID:hbeBapQ6O

一体、何時までそうしていただろうか。泣き止んだ先輩は顔を上げた。その涙目+上目遣いにもドキッとして、僕は思わず目を背けた。

(-@∀@) 落ち着きましたか?

(*゚∀゚) うん。ありがとな


先輩から離れようとすると、先輩はより強く僕を抱き締めた。

(*゚∀゚) 離れんな、バカ

(;*-@∀@) は、はいぃ!

いやいやヤバイでしょこれ。心臓がドラムロールみたいになってるけど。

(*゚∀゚) ・・・なんで私が入院してるか、わかるか?

先輩が、ぼそりと呟く。


(*゚∀゚) 私な、もう、ほとんど目が見えないんだ。だから、お前の顔だって、これだけ近づけないと見えない

僕が最初に感じた違和感は、それだったのか。先輩はそれに、と続ける。

(*゚∀゚) 右目は、もう見えない。真っ暗だ。それにこれから左目も見えなくなる

57 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 01:25:58 ID:hbeBapQ6O

(*゚∀゚) 最初に症状が現れたのは、高2の時だ。その時、医者に告げられた

(*゚∀゚) だから、学校を辞めて、夢だった日本中を旅した。親も察してくれたのか、資金は出してくれたよ

(*゚∀゚) それから、徐々に視界が狭くなっていって、数ヶ月前、右目が完全に見えなくなった

先輩は僕の胸で淡々と語り出す。先輩が学校を辞めた本当の理由が、やっとわかった。先輩は病気だったのか。

でも、それなら手術などで、治るんじゃないだろうか。
そう聞いたが、先輩は首を横に振った。

(*゚∀゚) 何でも珍しい病気らしく、治療法もよくわかってないんだって。笑えるよな

渇いた笑いが病室に響く。僕は、何も言えずにただ話を聞いているだけしか出来なかった。

58 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 01:44:38 ID:hbeBapQ6O

(*゚∀゚) 私な、よくお前に悪戯したじゃん

(-@∀@) えぇ、よく泣かされましたよ

(*゚∀゚) よくクイズ出したりしたじゃん

(-@∀@) えぇ、理不尽な罰ゲームで危うく警察沙汰でしたね

(*゚∀゚) その他にも、学校サボって公園で話したり警察と追いかけっこしたりさ、色んなことしたよな


(*゚∀゚) でもな、私はもう私じゃないんだ

(* ∀ ) お前が好きだった、私じゃないんだ。ただの、病気の女なんだ。あの頃の何でも出来た私じゃ、ないんだよ


あぁ、漸くわかった。先輩があんな回りくどいクイズを出したのが。
先輩は、無理にあの頃の自分を演じようとしていたんだ。今の自分を知られるのが怖くて。


(*゚∀゚) 幻滅したか?だからわた

先輩が言葉を続ける前に、強く、強く抱き締めた。

59 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 01:56:13 ID:hbeBapQ6O

(-@∀@) 先輩、僕、背が伸びたんです

(*゚∀゚) ・・・アサピー?

(-@∀@) 先輩に言われて、煙草だって吸うようになったんです

(-@∀@) それに


(-@∀@) 先輩が出した苦い珈琲も、ミルク無しで飲めるようになったんです

(-@∀@) 先輩は、変わりました。確かに先輩はあの頃の先輩じゃありません

(-@∀@) でも、それは僕も同じです。僕も、あの頃の僕じゃないんです

(-@∀@) あの頃の、先輩を追いかけていた僕じゃ、ないんです

沈黙が流れる。僕と先輩は見つめあったまま、どっちからとも言わず口づけをした。唇を離し、再び話し始める。


(-@∀@) 好きです、先輩。どんなに変わっても、僕は貴女が、猫田つーが好きなんです



僕が言える、精一杯の言葉。畜生。もっとカッコいいことを言えたらいいのに。

60 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 02:03:21 ID:hbeBapQ6O
先輩は真っ赤な顔でそっぽを向き、呟く。

(* ∀ ) 私は家事なんて出来ないぞ

(-@∀@) 僕がやりますよ

(* ∀ ) そ、そのうち、お前の顔だって・・・

(-@∀@) そうしたらずっと手を握って先輩の名前を呼びます

先輩はボロボロと泣き始め、僕の胸に顔を埋める。


(*;∀ ) 私でいいのか?


僕はにっこりと笑って、答えた。

(-@∀@) そのために、7年間待ってたんです


(*;∀;) えぐっ・・・うぅああああ!


先輩は、それから暫く泣いていた。僕は黙って先輩の頭を撫でながら泣き止むのを待っていた。

61 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 02:12:33 ID:hbeBapQ6O
やがて先輩は泣き疲れたのか、僕の胸で眠ってしまった。
僕は静かに先輩をベットに寝かせ、インスタント珈琲を淹れる。勿論、ブラックでだ。

珈琲を啜りながら思う。やっぱり、苦いなぁ。これからも、きっとこの珈琲見たいに苦い苦い未来が待っているだろうな。

でもそんな苦い珈琲に、甘いミルクがあれば、きっと、乗り越えられる気がする。


僕のミルクは、可愛い寝息をたてて眠っている。
あぁどうか、僕の苦い苦い珈琲に、甘く、優しいミルクを。



(-@∀@) お願いしますよ、先輩


僕は寝ている先輩に口づけて呟いた。







珈琲のようです
 終わり

62 :名も無きAAのようです:2012/03/23(金) 02:15:09 ID:hbeBapQ6O
投下終わりましたー

この短編投下し終わるのに一体何日かかったことやら・・・

初投下ですので拙かったと思いますがご閲覧ありがとうございました!

それでわ(-@∀@)(゚∀゚*)




:元スレ珈琲のようです(リンク先( ^ω^) ブーン系創作板のようです
[ 2014/03/03 23:14 ] スレ立て短編 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tanpentokanohokanko.blog118.fc2.com/tb.php/309-1461686a





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。