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( ^ω^)がサイレンの鳴る雛見沢でわらべ唄を歌うようです 最終スレ

3スレ目はこちら



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:18:41.78 ID:YGoE3WQx0


(;^ω^)「ほ、ほんとうだお。ちょっと変わった味だったけど、おいしかったお」

从゜ー゜从「そっか~食べたんだね、ミノムシ」

だらだらと、滝のように汗が流れる。
嘘をつくのはこんなにも苦しいものだったか。
彼女だからだ。
彼女のすべてを見透かしたような目が、たまらなく恐ろしいのだ。

(;^ω^)「ご、ごめ、実は―――」


从'ー'从「うん、ならいいんだ~確かにちょっと変わった味するよね~」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:19:22.72 ID:YGoE3WQx0


ぼくの言葉を遮って、彼女が笑った。
いつもの笑みだ。
なんとか、ごまかせたのだろうか。
くそ、なのになんで、汗がひかないんだ。

立ち止まってしまったらしいぼくを心配して、渡辺さんが振り返る。
从'ー'从「ブーンくん~?どうしたの?」
(;^ω^)「…なんでもないお、大丈夫だお」
从'ー'从「うーん、でも、顔色悪いよ~?」

心底心配しているとでもいうように、ぼくを覗き込む。
かなしげな瞳と視線がぶつかった。


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:20:51.89 ID:YGoE3WQx0


( ^ω^)「本当に大丈夫だお。ちょっとはしゃぎすぎたお」
从'ー'从「そっか、疲れたんだね~もうすぐおうちだよ~!」

無邪気に、自分の家を指差す。
明かりのついていない、まっくらな家。
今日も両親はいないということか。

从'ー'从「ブーンくん、ご飯はどうする?食べる~?」
家につくなり、渡辺さんが問うた。
( ^ω^)「うーん…屋台でけっこう食べたからなあ」
从'ー'从「そう~?なら、今日はいっかぁ~」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:23:20.09 ID:YGoE3WQx0


時計はもう九時をさしていた。
風呂に入り、早々と床に就く。

かち、かち、と鳴る時計の針が、余計静寂を強調していた。
しばらくその音を数えて、すうと眠りにおちていく。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:24:14.42 ID:YGoE3WQx0


その夜ぼくが見た夢は、不気味なものだった。
空は赤黒く染まり、サイレンが村に響きわたる。
あちこちで人の悲鳴がする。
そして漂う血の臭い。
サイレンがより大きく鳴り響き、

みのむし ぶらりんしゃん …

あの唄だ。
村全体が、重く悲しげに歌う。

ぶらりんしゃん…ぶらりんしゃん……

(  ω)「み、…むし、…ぶ…しゃん……」

ぼくもまたそれを口ずさむ。
本当は歌いたくない。ないのに、口が、咽喉が、唄をつむぐ。
ああなんでだろう。ぼくは、なぜ泣いている?

実ノ蟲 ぶらりんしゃん 。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:25:14.43 ID:YGoE3WQx0


八月十九日

三度目のサイレンが哭く


明るいやわらかな光をまぶたに感じて、ぼくは朝が来たことを知った。
ふとんの中でしばらくぼうっとしていると、昨日の夢がぼんやりとよみがえってきた。

はっきりと覚えているわけじゃない。
ただ、なにか、身体が、感情が、覚えていたのだ。
全身はぼろぼろで疲れきっていて、そうだ、とても悲しかった。とてもむなしかった。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:26:15.95 ID:YGoE3WQx0


そして、いまでも耳に残っているものがある。

( ^ω^)「みのむし ぶらりんしゃん …」

祭のときに歌ったわらべ唄。
夢の中でぼくはそれを歌っていた気がする。
なぜだろう。たしかに覚えやすいメロディーではあったけれど、夢に出てくるなんて。
それにぼくはその唄があまり好きではなかった。
なんだかすこし不気味で。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:27:11.48 ID:YGoE3WQx0


らべ唄が頭から離れなくなる前に、ぼくはふるふると頭を振った。
ふとんをたたみ、朝ご飯が用意されているであろうリビングにむかう。

「…ショボンさんが……だって、…村を出ていけるはずが……」

リビングから話し声が聞こえた。
渡辺さんの声だ。ほかに人がいるようすはないから、おそらく電話中なのだろう。

なんだか神妙な声色だ。
それに、ショボンさんが村を出ていけるはずがないとは、どういうことだろう。
彼は確かにきのう仕事があるといって、おそらく今朝早く出ていったはずだ。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:28:44.16 ID:YGoE3WQx0


从'ー'从「…そうだね、きっとだれかが石碑を……早くなおさないと…」

電話の邪魔にならないように、こっそりとドアをあけたつもりだった。
しかし彼女は勢い良くぼくのほうを振り返り、ひどく慌てた様子でぼくを見た。
その俊敏な動きに、ぼくはすこしたじろぐ。
き、聞かれちゃいけない電話だった、のかお…?

从'ー'从「ブーンくん、お、おはよー」
( ^ω^)「おはようだお。電話じゃましてすまんお」

ううん、いいの、ごめんねと早口で言ったあと、電話にむきなおり、短く言葉を交わしたあと受話器を置いた。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:29:33.23 ID:YGoE3WQx0


从'ー'从「ご、ごめんねブーンくん。ご飯、できてるよー」
( ^ω^)「おお、ありがとうだお」

ふたりで席につき、まだ作って間もない、あたたかい朝食を食べた。
トーストをかじり、甘めのコーヒーで流し込む。

( ^ω^)「なにかあったのかお?」
从'ー'从「へっ?」
( ^ω^)「いや、さっきの電話、なんか慌ててたみたいだったお」
从'ー'从「…え、うーん、ちょっとね。でも大したことじゃないから大丈夫ー」
( ^ω^)「そうかお。何か手伝えることがあったら言ってほしいお」
从'ー'从「うん……」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:30:33.32 ID:YGoE3WQx0


彼女がぽつりと返事をしたのを最後に、会話は途切れた。
かちゃかちゃと食器のあたる音だけが響く。

なんとなく、重苦しい沈黙。

トーストをもうひとくち。サラダにフォークを突き刺す。
ハムエッグも食べる。コーヒーをすする。ああ、やっぱりちょっと甘い。またハムエッグを――

そこでぼくは、食器の音がぼくからしか聞こえないことに気がついた。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:31:53.46 ID:YGoE3WQx0


渡辺さんはもう、食べ終わったのだろうか…
ぼくはそろそろと視線をあげる。


从゜ー゜从「…………」


心臓がびくりと跳ね、のどの奥でヒッと情けない声がでた。

真正面に座る渡辺さんは、にごった目でぼくを凝視していた。
穴があくほど、じっと。
ぼくに目をむけたまま一時停止してしまったように、微動だにしない。

しかし、視線は生きていた。
彼女の目は、ぼくをえぐるように、どんどんぼくの中に入り込んでくる。

彼女はなにかを欲している。ぼくの中にある何かだ。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:33:19.81 ID:YGoE3WQx0


ぞっとした。彼女は動かない。ぼくは恐怖で手がふるえた。


がしゃん!


从'ー'从「…っ!」

フォークだ。ぼくの持っていたフォークが床に落ちた。
渡辺さんがおどろいてぱちりと瞬きをする。

彼女の目に光が戻っていた。
欲望に満ちた、えぐるような視線ではない。

(;^ω^)「ご、ごめんだお…」
从'ー'从「あっ…わたし……ごめんねっ、ブーンくん」

ぼくは落ちたフォークを拾おうと身をかがめた。
ああ、だめだ、まだ手がふるえて、うまくつかめない。

いったいなんなんだ。彼女はいったい、何者なんだ――


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:34:11.30 ID:YGoE3WQx0


从;'ー'从「あ、いいよ、新しいの、持って来るね」

いきおいよく席を立つと、キッチンへかけていく。
ぼくはやっとのことでフォークを拾い上げ、彼女の後姿を見た。
小さな背中だ。ただの、女の子じゃないか。だけど、あの目は…。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:35:00.73 ID:YGoE3WQx0


从'ー'从「はい」
渡されたフォークを受けとる。

从'ー'从「あの、ブーンくん。わたし、これから出かけなくちゃならないんだー、ごめんね」
やっぱり慌てたようすでそういうと、食器を持ってまたキッチンに消えていった。

残されたぼくは、まだ半分ほど残っていた朝食をながめた。
ながめているうちに、ばたんと玄関のドアが閉まる音がした。

冷め切った朝食を食べる気にはなれなくて、ぼくは申し訳ないと思いながらもそれを捨てた。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:39:01.85 ID:YGoE3WQx0


食器を洗い終え、ソファにこしかけてぼうっとする。
遠くからひぐらしの鳴声が聞こえた。
ふいに、さっきの渡辺さんの目を思い出し、またびくりとする。

( ´ω`)「なんだっていうんだお…」

ソファにふかく座り込み、視線をおとす。

( ^ω^)「…ん?」

テレビの横、本棚の下に、一冊のアルバムらしきものがあった。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:39:58.58 ID:YGoE3WQx0


近づいて手にとってみると、それはやっぱりアルバムだった。赤い表紙のアルバム。
中をめくってみる。
写真が丁寧に張ってあった。

渡辺さんの家族。そういえばここにきて一回も見ていないな。
こんな顔をしていたのか。こうしてみると、渡辺さんはお母さん似だろうか。
しぃちゃんや、ツン、クーのうつってる写真もたくさんあった。

それから、知らない男の子もひとり。
女の子たちに囲まれながら、はにかんでいる一人の少年。
きっとこれがドクオだ。

比較的最近のものだろう。みんな今とあまり変わらない姿だ。

( ^ω^)「あれ…?」

ぼくは一瞬目を疑った。
そこにはぜったいにありえないものが写っていたのだ。
そんな。そんなはずがあるわけない。

今と変わらない姿――だって?



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:41:16.02 ID:YGoE3WQx0


(;゜ω゜)「ど、…どういうことだお…」

もういちどしっかりと写真を見る。
目の錯覚ではない。

じゃあ、なぜ。


なぜ、写真の日付が20年も前なんだ――


おかしい。こんなことぜったいありえない。
写真の右下には、たしかに今から20年前の日付がプリントされている。
どの写真もそうだった。

これは5月5日、5月24日、6月12日、6月21日、……
今とほとんど変わらない姿で微笑む彼女たちの写真には、しっかりと日付が入っている。

これが20年前の彼女たちだというのなら、いまの彼女たちは一体――

アルバムは、あと半分を残して、8月19日で終わっていた。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:44:16.95 ID:YGoE3WQx0


ぼくはひどい寒気を感じた。
20年前から、彼女たちはまったく成長していない。
写真と同じ顔で、ぼくに微笑みかけていたのだ。
彼女たちがおかしいのか?いや、もしかしたら、この村全体が。

ごお、と風のふく音が聞こえた。
木がゆれている。
そしてぼくは見てしまった。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:45:34.85 ID:YGoE3WQx0


揺れていたのはミノムシの木。渡辺さんの家の庭にも生えていたのだ。
その下にたわわに実ったミノムシたち。

それをむしりとり、皮をはぎ、実をとりだし、むしゃぶりつく、ひと、人、ヒト。

人々がミノムシを求めてむらがっていた。
口もとが赤く染まる。まるで血のように。
いや、ちがう。

あれは、蟲だ。

小さな赤い蟲がいくつもいくつも、蠢いているのだ。
実にぎっしりと詰まった蟲たち。
彼らは、それを喜んで食べていたのだ。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:46:50.14 ID:YGoE3WQx0


(;´ω`)「うっ…おええ…っ」


実ノ蟲 ぶらりんしゃん


どこからかそんな声が聞こえた。


从'ー'从「どうしてミノムシ食べなかったの?」


(;゜ω゜)「…えっ」

ぼくは固まった。背後から聞き覚えのある声がしたからだ。
そしてその声は、突き放すように冷たい。


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:47:47.77 ID:YGoE3WQx0


ξ ゚⊿゚)ξ「ねえ、   。なんで食べないのよ」
(*゚ー゚)「おいしいのですよ」
川 ゚ -゚)「ああ、おいしい。それにすごくいい気分だ」
从'ー'从「食べなよー、   くん。食べないなんてかなしいなあ」

いつもの四人だ。楽しい楽しい、部活のメンバー。
彼女らも、口もとを真っ赤に染めて。

从'ー'从「食べなってばー、   くん」
ξ ゚⊿゚)ξ「ほら。おいしいよ」

そういって差し出されたのはどろりとした赤い実。いや、蟲たち。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:49:44.24 ID:YGoE3WQx0


(;゜ω゜)「い、いやだお!こんなもの、絶対食べるかお!」

川 ゚ -゚)「なぜだ、   。わたしたちの友達だろう」
(*゚ー゚)「ぼくらはともだちなのです。だから、食べてくださいです」

ξ ゚⊿゚)ξ「   ってば!」

あれ、おかしいな。
ぼくの名前だけすっぽり抜けている。
編集でもしたみたいに、そこだけ聞こえない。

从'ー'从「   くんー?」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:50:51.29 ID:YGoE3WQx0


そうか。ちがうんだ。
これはぼくを呼んでいるんじゃなくて――


「ねえ、ドクオ。」


ドクオの記憶だ。

おそらくは20年前の。
彼はぼくと同じように、ミノムシを食べなかった。
食べなかったから――。

(*゚ー゚)『転校。したんですよ』

転校じゃない。きっとちがう。

彼は、ドクオは、ミノムシを食べなかったから、…殺された?


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:54:00.14 ID:YGoE3WQx0


なら、ぼくも。
ぼくも殺されるのか?

いやだ。いやだいやだいやだ!
だめだ、一刻もはやくここを出ないと!

次に瞬きをしたときに、彼女たちは消えていた。
庭の木にも人はむらがっていない。
澄んだ青空が広がっているだけだった。

(;^ω^)「ここを出るお!もうこんな不気味なとこにはいられないお」

ぼくは立ち上がり、荷物をまとめた。
急がないと。急がないと渡辺さんが帰ってくる。

玄関を出る。ガレージ横にとめていた自転車に鍵を差し込む。
がちゃり。よし、いける。


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 21:56:44.61 ID:YGoE3WQx0


(;^ω^)「あ、あれ?」

ふたつのタイヤは、無残にもぺしゃんこだった。
来るときにはこんなふうになっていなかった。

誰かが故意に空気を抜いたんだ。

なぜ?ぼくをここから逃がさないためだ。
いやな汗が流れた。
だけど、こんなことでくじけてたまるか。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:00:17.59 ID:YGoE3WQx0


( ^ω^)「走るお!」

村を抜ける道は覚えていない。だけど感覚でいくしかない。
真っ直ぐ、真っ直ぐ。ひたすら走る。

道路だ。国道が見えてきた。
そろそろ出口は近い。

誰かがうしろから追ってきている気がして、ぼくは何度もうしろを振り返った。
大丈夫、だれもいない。

ああ、やっとだ、やっと国道だ。これを真っ直ぐ歩いていけば、街へ出れるだろう。



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:03:31.77 ID:YGoE3WQx0


(; ω)「……痛っ!?」

ゴツン。
ぼくの額はなにか厚い壁にでもぶつかったような音を立てた。
もちろんそこに壁なんかない。
目の前には道路。進みたいのに。

(;゜ω゜)「な、なんでだお?なんで行けないんだお?」

それは透明な壁だった。

手でふれる。たしかに感触がある。壁だ。
なんで?場所をかえる。だめだった。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:05:31.13 ID:YGoE3WQx0


( ゜ω゜)「にげ、られない…?」

逃げられない。村から抜け出せない。
目の前が真っ暗になった。

ショボンさんは、村を出て行けたのに。ミノムシを食べたから?
いや、ちがう。

( ^ω^)「せきひ…?石碑をなおす…」

渡辺さんの朝の電話。
それはショボンさんが村を出たという話しだった。
出れるはずないのに、出たと。

その原因は。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:06:57.32 ID:YGoE3WQx0


( ^ω^)「石碑だお!」

そういえば、祭りの晩、ぼくは何かを蹴飛ばした。
ごとん、と重い音をたててそれは倒れた。

それはちょうど、小さな石碑ではなかったか?

石碑が倒れたことで、この結界がやぶれたのだとしたら。
もういちど倒すしかない。
石碑のあった場所は、祭具殿の階段前。

よし、そう遠くない。
走れ。走るんだ。もっと早く。もっと早く。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:09:18.93 ID:YGoE3WQx0


(;^ω^)「はあ、はあ…あった、あったお…」

これだ。背の高い草に埋もれていたが、たしかにこれだ。
ぼくはそれを思い切り蹴飛ばした。

今だ。
結界がとかれたことを悟られるよりはやく、逃げ出さなければ。

思い切り走った。ひゅうひゅうと咽喉が鳴る。
大丈夫、まだ走れる。

そしてようやく、国道が、村の出口が見えてきた。

(;^ω^)「つ、ついたお…やった…ぼくの、かちだお…」

ぼくは足をとめることなく、道路へむかって駆け出した。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:10:33.90 ID:YGoE3WQx0



「残念だね。」


ドンッ!

ぼくの身体は思い切り壁にぶつかった。

結界だ。結界が張られていた。

(; ω)「ちくしょう…なんで…なんでだお…っ」


从'ー'从「ブーンくん、どうしたのー?」
ξ ゚⊿゚)ξ「あれ、ブーンじゃん。なにやってるのよ、こんなとこで」

うしろには、ドクオの記憶と同じ顔をした四人が立っていた。

(;゜ω゜)「…!!おまえら…寄るな!こっちに来るなお!」

(*゚ー゚)「ブーン、何を言ってるですか?」
川 ゚ -゚)「真っ青だぞ。なにかあったのか」


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:12:14.80 ID:YGoE3WQx0


( ^ω^)「何を言ってるって…ぼくをここから出せお!ぼくを閉じ込めて、一体何がしたいんだお!」

ξ ゚⊿゚)ξ「はあ?どーしたのブーン、ついにアタマおかしくなった?」
从;'ー'从「ふええ…ブーンくん、ちょっと落ち着いてよお」

(;゜ω゜)「おかしいのはお前らのほうだ!あんな…ミノムシなんてあんな気色悪いもの、
      ぼくは絶対食べたりしないお!!」

川 ゚ -゚)「ミノムシ…おまえ、…」
クーの表情が変わる。



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:13:16.91 ID:YGoE3WQx0



ξ ゚⊿゚)ξ「食べなかったのね。」


ああ。あの目だ。
全員が、あの目だ。

( ^ω^)「ああ…そうだお。食べなくて正解だったようだお」

从'ー'从「うそ、ついたんだね…?」

( ^ω^)「わ、悪いかお」

ξ ⊿)ξ「なによそれ。なによ。なんなの。どういうこと。蟲が、せっかくの蟲が、食べられないなんて」

ツンが地を這うような低い声で呟いた。
背筋が凍る。

顔をあげたツンは、鬼のような形相でぼくを睨んでいた。
口元からは赤い何かがしたたり、皮膚は黒ずみひび割れている。

綺麗なツンは、もうそこにいなかった。
佇むのは、化け物だった。


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:15:37.94 ID:YGoE3WQx0


ξ  ⊿)ξ「あんたも、ドクオや、渡辺の両親と一緒ね。クズよ、クズだわ」

从;'ー'从「…ツンちゃん……!」

ξ# ⊿ )ξ「うるさい!蟲の巡ってない血なんて要らないのよ!!」

川 ゚ -゚)「まあ。ショボンには逃げられたしな。久々だったのになあ」

(*゚ー゚)「要らないのです。殺しちゃっていいのです」

ξ#゚⊿゚)ξ「殺そう。殺そう。もういい。殺しちゃおう」

やっぱり、やっぱりだ。
こいつらは狂っていた。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:18:05.05 ID:YGoE3WQx0


ぼくを捉えようとする無数の手をすりぬけ、なんとか逃げ出そうと必死で走り出した。
彼女たちが追ってくる。

殺される。だめだ。負けてたまるか。死んでたまるか。

そうだ、武器を手にいれなければ。あいつらは丸腰だ。武器さえあれば…
田んぼに放りなげられているクワ。錆びたカマ。くそ、こんなものしかない。

あたりを見渡す。
家だ。見慣れた家。渡辺さんの家だ。

鍵はかかってない。ドアをあけて飛び込み、鍵をかける。
心臓が飛び出しそうなほど脈打っていた。

(;^ω^)「武器を、…武器を探さないと……」

カッターナイフ。ハサミ。いやもっと使えそうなもの。

包丁だ。


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:19:10.52 ID:YGoE3WQx0


キッチンへ向かう。
積み重なった皿が見えた。
立てかけられた箸やフォーク、スプーン。
だけどおかしい、どこを見ても包丁が見当たらなかった。

(;^ω^)「なんでだお!!!」


「探してるのはコレかなあ、ブーンくん。」


(;゜ω゜)「……渡辺、さん」


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:20:06.42 ID:YGoE3WQx0


从'ー'从「ねえ、ブーンくん。わたしのお父さんとお母さんね、ミノムシを食べなかったの。
     だから帰ってこないんだ。わたし、後悔してる。
     なんでむりやりにでも食べさせてあげなかったんだろう、って」

彼女が握っているのは包丁。
しっかりと、指がくいこむほど。

从'ー'从「ブーンくん、わたし、もう後悔したくないの。
     もう大事なひとと離れ離れにはなりたくないの。
     ミノムシを食べればずっとここにいられるんだよ、だからね、ブーンくん」

( ^ω^)「ふ、ふざけるなお…だれがこんなところにずっと…!」

从'ー'从「…ミノムシってね、本当においしいんだよ、それにすごく」

( ^ω^)「うるさいうるさいうるさい!黙れ!!ぼくはミノムシなんて食べないお!!」

从'ー'从「ブーンくん…そう、そっか…」


――それなら。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:20:57.94 ID:YGoE3WQx0


从゜ー゜从「 殺しちゃって、いいよね? 」

刃先が。
ぼくの頬をかすった。

(;゜ω゜)「ひっ…」

彼女はちいさく舌打ちをして、ぼくを見た。
開いた瞳孔。つりあがった眉。水分のふくまない髪の毛。
奇声をあげて、再びぼく目掛けて包丁をふりかざしてくる。

恐怖で足がすくんで動けない。
動け、たのむから。走って、走って、逃げるんだ。


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:22:03.60 ID:YGoE3WQx0


ぼくはやっとの思いで彼女をかわし、震える足で床を蹴った。
窓が開いている。生暖かいい空気が頬をたたく。

从゜ー゜从「どこにいくの?ここから逃げられるわけないのに!」


アは ハハは ははハは は はは はははははハは !


世界は色を失っていた。
残るは白と黒。
空はどす黒く曇り、なまぬるい風にのって腐臭が漂う。



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:24:09.28 ID:YGoE3WQx0


この世界は、本来存在してはいけないものだった。
おそらくは20年前に滅びた、あってはいけない世界だった。


「ころせ 殺せ… コロせ …コ、ろせ」

「殺せ、殺せ、コロセ、ころセ、殺せ」

ずる、ずる、ずる。
鎌をクワを引きずり、村人たちが溢れてきた。
腐臭が強くなる。

「ころ…せ、」

鎌が振り下ろされた。
肩にするどい痛み。

(;゜ω゜)「うっ…、い、痛いお…」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:26:57.49 ID:YGoE3WQx0


溢れ出る鮮血。
手がありえないほど震えている。
ああ、だめか。やっぱり、逃げられないのか。

ぼくは死を覚悟した。
その時だった、ぼくの耳に届く音があった。


サイレン。


だが、なにかおかしかった。
これまで聞いていたサイレンとはどこか違う。
いままでのは、そう、どこから聞こえてくるのか分からなかった。
けれどこれは。

どこか、一方の場所から聞こえてくる。


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:28:59.99 ID:YGoE3WQx0


気がつけばぼくは走り出していた。
痛む腕をかばって、地を蹴っていた。

音を追って。まるで音に引き寄せられるように。
行かなくちゃいけない。
何が待っているのは分からない。
嫌な予感も、いい予感もしなかった。
ただ本能のまま、ぼくは走った。

たどり着いた先は、祭具殿だった。

あのときと同じように、わずかに開いた扉。
確かにそこから音が聞こえている。


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:29:53.47 ID:YGoE3WQx0


(;^ω^)「はあ、はあ…はあ、」

とびらを開け、中に入る。
サイレンはどんどん大きくなっていく。
警告しているのか?
ここに来てはいけないと?
だけどぼくは進むのをやめなかった。
いまさらどうなってもよかった。

ミノムシの木。
この村を狂わせた、悪魔の木。
その奥にあるのは。


( ^ω^)「………」


一振りの、日本刀。



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:31:00.95 ID:YGoE3WQx0


ぼくはそれに触れる。
その瞬間、サイレンは止んだ。


『行け。』


はっきりと聞こえた声の主を、ぼくは知っていた。

(  ω )「―――ドクオ!」

日本刀をぎゅっと握り締めた。
そして、駆け出す。
逃げるために。生きるために。



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:33:14.42 ID:YGoE3WQx0


石碑を蹴飛ばす。これで結界はやぶられた。
あとは走るのみ。そして、――

(  ω )「来るなああああああ!!!!」

襲いかかってくる村人たちにむけて、刀を振り回す。
しかし彼らはひるまない。
カキン、と刃と刃がぶつかる音がする。

( ゜ω゜)「ああああああああああああ!!」

刃は肉を切り裂いた。
ぐにゅり、という生々しい感触が伝わってくる。
生暖かい何かがぼくの頬に付着した。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:34:41.14 ID:YGoE3WQx0


( ゜ω゜)「うわあああああああああっっ!!!」

襲いかかってくる村人たちを次々と殺していく。
ぼくの目にうつるのは、薄汚い灰色と、赤。赤。赤。

( ^ω^)「ドクオ…、ぼくは、絶対っ…生き残って、やる…!」

日本刀を振りまわす自分が、過去のドクオと重なった。
20年前の、きょうのドクオと。


( ´ω`)「はあ、っ、はあ、はあ…」

刃先から血がしたたる。
服にも血が染み付いていた。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:35:40.11 ID:YGoE3WQx0


「……なにそれ、ブーン。」

振り返ると、ツンがいた。
しぃちゃんがいた。クーがいた。渡辺さんが、いた。

ξ ゚⊿゚)ξ「なによそれ。なんであんたがそれを」
(*゚ー゚)「ブーン、なんでそんなもの、持ってるですか…?」
川 ゚ -゚)「………」

(  ω )「…そこをどけお」

从゜ー゜从「忌々しいもの持ってるね。それでわたしたちを殺すの?」

(  ω )「…どかないなら、殺すお」

ξ ゚⊿゚)ξ「ふーん、そう。大した自信ね」

( ^ω^)「さっさとそこをどけお!!」


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:37:31.63 ID:YGoE3WQx0


川 ゚ -゚)「いやだ、と言ったら?」

( ^ω^)「な、なにを言ってるんだお!早くどけ!!」

刀をつきつける。それでも彼女たちはそこを動かなかった。

( ^ω^)「どけおっ……!」

ξ ゚⊿゚)ξ「嫌よ。悪いけど、死ぬのはあんたよ、ブーン」

鉈が振り下ろされる。
ぼくの頭上めがけて。
とっさにそれをかわし、刀を構える。

(;゜ω゜)「なんでこんなことするんだお!ぼくの中に蟲はいない!殺したって意味ないお!」

从'ー'从「この村を、私たちを知ったからには、生きて帰すわけにはいかないの」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:38:48.77 ID:YGoE3WQx0


きらりと光る包丁。鉈。鎌。短刀。
いやな笑みを浮かべて。
それらがいっせいにぼくを切り裂こうとしていた。

(  ω )「やめてくれお…たのむから……やめてくれ…」

日本刀は、彼女らを突き刺した。

( ゜ω゜)「うわああああああああああああああああ!!!!」

みんなの笑顔がよみがえる。

しぃちゃんの幼い笑顔。
クーの得意げな笑顔。
ツンのいじわるそうな笑顔。
渡辺さんの、やわらかな笑顔。

それは偽りのものだったのかもしれないけれど。
でも確かにぼくは、楽しかったんだ。

みんなといる時間が、好きだったんだ。



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:39:59.36 ID:YGoE3WQx0


(*゚ー゚)「アハハ!!!あははは、っぐ、あははは!!」

从゜ー゜从「あはは!!ッ、げほ、あははは!!痛くなあ、い、ッ痛くないよおおおお!」

視界を彩るのは鮮やかな赤。


ドクオ。ドクオ、お前も泣いたのか?
この赤をみて、泣いたのか?


川 ゚ -゚)「っがあ、あはッ、ははは!あははははは!!」

咽喉を刺し、腹を刺し、ああ、だめだ。視界がゆがんで、もう、赤しか、

( ;ω;)「うあああああ!あああ!!!どいてくれおおおおお!!どいてくれええええ!」

彼女たちは、ひゅうひゅうと咽喉を鳴らしながらも、なお笑い続けようとする。
血塗れになりながらも、踊り狂う。
そんなかつての友達を、ぼくは、ぼくはひたすら、


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:42:12.73 ID:YGoE3WQx0


ξ ゚⊿゚)ξ「ア、はは、はあ、…げほ、ッ、ううう…げ、ホッ…」

やがて穴だらけになった肉体は、立ち上がることすら出来なくなった。
がくりとその場に崩れ落ちる。
殺してしまった。いや、正確には彼女たちは死なないのかもしれない。
それでも、涙が止まらなかった。
この涙はきっとぼくだけのものじゃない。

( ;ω;)「ひ、ッ、あう、うう、ちくしょ、…っちくしょう…!」

日本刀を持つ手ががたがたと震えている。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:43:23.87 ID:YGoE3WQx0


遠くから足音が聞こえてきた。
「ころせ」という声も。
逃げなければ。ぼくは血だらけの手で涙をぬぐい、固まった足を動かした。

結界はやぶられていた。
ぼくは道路を踏みしめる。

ああ、ぼくは生きてる、やっと逃げ出せたんだ――

道路をがむしゃらに駆け下りる。
肩に負った傷さえも痛いと感じない。
心臓が跳ね上がる。大きく息を吸う。
何度も何度も後ろを振り返る。
大丈夫、だれもいない。

悪夢は終わった。

ぼくは生きている。生きているんだ。


93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:45:21.41 ID:YGoE3WQx0


八月十九日 午後


そして四度目のサイレンが哭く



やがて街が見えてきた。
よかった。これで助かる。
血だらけだし、ああそれに刀なんて持っていては怪しまれるな。
だけどどうしてだろう、手が刀から吸いついて離れようとしない。
いやだなあ、力を入れすぎていたせいだろうか。

とりあえず刀はそのままに、ぼくはゆっくりと視線を上げた。
そこにあるはずの街を見るために。
平和な、血なんて滅多に流れない、ふつうの世界を。

ふつうの、世界、を。


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:47:28.42 ID:YGoE3WQx0


( ゜ω゜)「……………」

その時ぼくは見たのは、平和な街などではなかった。



ぼくが見たのは、―――絶望だった。



( ゜ω゜)「なん…、で……?」



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:48:43.58 ID:YGoE3WQx0


眼下に広がったのは、灰色の街。
そう、あの村と同じ。
草木は枯れ、かわりに、あの木が、
…ミノムシの木が、あたり一面に生えていた。

「うう、…ウ、実の蟲、みのむしホシい…み、の蟲……」

(;゜ω゜)「ひッ…!」

実の蟲をもとめ、さまよう、ニンゲンたち。
いたるところで実の蟲をもぎとり、むしゃぶりつくニンゲンたち。

( ゜ω゜)「なんで…なんでこんな…」


(´・ω・`) 『これってミノムシの種だよね。ちょっと持って帰ろう。
      少しくらい、大丈夫だろう。あれすごくおいしかったからね、自分でも植えてみようと思うんだ』


(;゜ω゜)「アあ…あ……そんな、そんな!!!!」


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:49:42.82 ID:YGoE3WQx0


みのむし ぶらりんしゃん 
みのむし ぶらりんしゃん

どこからか響く、わらべ唄。
実の蟲を讃え、求める、忌まわしき唄。

せっかく、助かったと思ったのに。
生きて帰れたのに。
こんなの嘘だ、夢だ、夢に決まってる。
悪い夢を、ずっと見ているんだ。

ああ、なんで、なんでこんな、かみさま――

その時、ひとつの音が空気を震わせた。


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:50:50.59 ID:YGoE3WQx0


サイレンだ。

悲しげに、四度目のサイレンが、哭いている。

ごめん、もうだめだよ、ドクオ。
だめだった、だめだったよ。

(  ω )「もう、いいんだお、警告はもう要らないんだお…」

サイレンは鳴り止まない。
さらに強く、鳴り響く。
それはぼくに何かを、警告以外のなにかを訴えているようだった。



111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:54:10.99 ID:YGoE3WQx0


( ^ω^)「…生きろと、言っているのかお、ドクオ」

手元を見る。
握り締めているのは、日本刀。

たったひとつの、ぼくの武器。

そうだな、ドクオ。
太陽は昇らないかもしれない。
もう一度血を流すかもしれない。
それでもぼくは。


―――生きてやる。


こうなったら、絶対に生き延びてやる。
ぼくは死なない。絶対に死なない。


ぼくは太陽の昇らぬ空に、日本刀をかかげた。
サイレンがあたりを包み込み、いっそう強く響いた。










115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/09(土) 22:55:18.32 ID:YGoE3WQx0

とりあえずバッドエンドにしたかった。
ブーンが日本刀を振る姿が見たかった。
ので、書きました。
いろいろgdgdですいません。
支援、感想など、励みになりました。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。
では、さようならー!

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