スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

(,,゚Д゚)紡ぐ話は青い糸のようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:36:07.46 ID:qK9Dgm6E0

重いドアを開くと、一見手芸の店のような見た目。
どれも古く、今にも切れそうな糸ばかり置いている。

ロッキングチェアに腰掛けた男が、ゆっくりと体を揺すりながら
コーヒーを飲んでいる。

と、人の気配に気付いたのかゆっくりと振り向く。

( <●><●>)「…またいらっしゃったのですか?あなたも物好きでいらっしゃる…」

飲みかけのコーヒーを机に置くと
よっこいしょ、と椅子から腰を上げて糸車へと移動する。

( <●><●>)「ではまた、糸を紡ぐといたしましょうか」

男は、糸車に青い糸をセットすると、
歌を歌うように呟きながら、ゆっくりゆっくりと糸を紡ぎ始める。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:38:39.15 ID:qK9Dgm6E0

はたりはたりと紡ぎましょう

ほつれからまる糸玉を

廻し紡ぐは糸車

糸を逢わすは機織り機

この三点が揃わねば
淀み歪むは話の運命

三角関係と言わしめど、色恋沙汰にはありませぬ

今宵逢わすは青の糸、とある男の物語

旅に流離う男の話、はたりはたりと紡ぎます



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:40:07.43 ID:qK9Dgm6E0

それはこことは違う世の、異国の地でありました。
平和な世界が広がる中を、民が自由に暮らす国。


そんな世界をさすらって、旅人暮らしをする男。
食うや食わぬの日常で、自由気ままに旅をする、

ギコと名乗って道を行く、一人の青年おりました。


青年が紡ぐ物語。
青く広がる大空の如く、のんびり歩む物語。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:42:25.22 ID:qK9Dgm6E0

(;,゚Д゚)「ふぅ…やっと山を越えたか」

峠を下る一つの影。
背中に大きなリュックを背負い、頭には山高帽。
筋骨隆々とまでは言えないまでも、
引き締まった肉体は、普段から鍛えられていることを物語っている。

(,,゚Д゚)「ふぃー。そろそろ街道にでてもいい頃なんだがな」

ポケットからくしゃくしゃになった地図を取り出して広げる。
まだ数時間はかかる距離があることを確認すると、近くの岩に腰掛ける。

首にかけたロケットを開くと、そこには一組のカップルの写真。
女は、美しい笑顔で。
男の方は憮然とした表情で写っている。

(,,゚Д゚)「…次の町にも、お前はいないのかな…しぃ…」

写真の男、
――ギコは恋人に思いを馳せる。

遠い遠い、どこかを歩く恋人に。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:43:39.78 ID:qK9Dgm6E0

――それは、何年前のことであったろうか。

小さな村がありました。

昔々のそのまた昔、古い時より伝わり続く。
とある『しきたり』ありました。
子どもが17歳になったとき、旅に出さねばいけなくて。

可愛い子には旅をさせろと、だけどもすぐに帰りなさいと
短い旅で、成長させる。

そんな村がありました。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:45:01.75 ID:qK9Dgm6E0

少年少女はその村で育ち、いつも一緒に笑いあい。
子供のときを過ごしました。


しかし、時間は二人を分かつ。

まもなく17になろうと言う年、二人で語り合いました。


少女は言った。

旅をするなら、世界中を歩きたい、と。

少年は答えた。

それなら一緒に世界を歩こう、と。

(*゚ー゚)「わたしは、1人旅をしたいの」

(,,゚Д゚)「俺は連れてってくれないのか?」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:46:44.26 ID:qK9Dgm6E0

ふふ、と少女は笑って、少年の頭を撫でる。

(*゚ー゚)「普通逆だよね。その台詞」

少年は釈然としないような顔で繰り返す。

(,,゚Д゚)「俺は、連れてってくれないのか?」

哀しそうな声で、少女に問う。

(*゚ー゚)「…ごめんね。『一人旅』じゃないと意味がないの」

意味を図りかねた少年は、訝しげな顔をするが、
少女は、華のように笑う。

(*゚ー゚)「写真撮って、二人で持とう?
    たとえ離れても、お互いを忘れないように、ね?」

(,,゚Д゚)「そんなことしなくても、俺はお前を忘れることは無い」

(*゚ー゚)「いいからいいから」

少女は笑う。
少年を残すと、そう言って笑う。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:50:50.46 ID:qK9Dgm6E0








――少年が、その意味を知る事は、無かった。











13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:52:06.07 ID:qK9Dgm6E0

(;,゚Д゚)「しぃは、なんで誰にも言わずに村を出たんだ!」

逞しく成長した少年は、長老に食って掛かる。

/ ,' 3 「それがあの子の選んだ道なんじゃ」

長老は、臆することも無く、はっきりとしわがれた声で答える。

/ ,' 3 「うちの村のしきたりは、知っておろう?
    自らの旅には、必ず決まりを作って、守らなければならない」

(;,゚Д゚)「っだからって!」

/ ,' 3 「あの子は『一人で旅をする』と決めた。お前にそれを否定する権利はないじゃろう。
    それが、思いを通わせた相手であるなら、尚更、尊重すべきであろう?」

少年は言葉につまり、俯く。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:55:06.61 ID:qK9Dgm6E0

/ ,' 3 「分かったなら、お前も支度を整えなさい」

これ以上話すことはない。
長老の言葉には、そんな響きがあった。

(,,゚Д゚)「…っ失礼しました」

少年は、俯いて長老の家を出る。

(,, Д )「何でだよ。しぃ…」

少年は、小さく呟く。
何故?
そう問いかけても、言葉は空に融けていくだけ。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:57:13.00 ID:qK9Dgm6E0




答えてくれる少女は、





いつも隣にいてくれた少女は、





もう、遠くへ行ってしまったのだ。










17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 22:58:39.62 ID:qK9Dgm6E0

(,,゚Д゚)「…すぐに出かければ、追いつくかな?」

追いつくはずだ。
きっと大丈夫だ。

少年は目を輝かせて、荷物を背負う。

希望を抱いて、少しの不安を胸に。


しかし、少女はどこにもいなかった

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:00:52.97 ID:qK9Dgm6E0

海の香りを感じる港町。
陽気な船乗りに混ざって、歌を歌ってみても
  _
( ゚∀゚)「おう兄ちゃんいい身体してるな!一緒に船旅しようぜ!」

(,,゚Д゚)「ギコハハハ!それもいいかもしれないですね!」
  _
( ゚∀゚)o彡゜「そうと決まりゃあおっぱい!おっぱい!だ!」

(,,^Д^)「なんすかそれwwwwww」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:02:37.55 ID:qK9Dgm6E0

――たとえどんなに離れていたとしても。

  _
( ゚∀゚)「名残惜しいな!まぁまたどこかで会おうぜ!」

(,,゚Д゚)「ありがとうございます!」

  _
( ゚∀゚)o彡゜「別れの腕振りだ!!おっぱい!おっぱい!」

(,,^Д^)o彡゜「ギコハハハハ!おっぱい!おっぱい!」


**今度は、二人で来れればいいよね



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:04:28.71 ID:qK9Dgm6E0


見たことも無い高い建物が立ち並ぶ、都会の四角い空の下
短い間雇ってもらった会社にいても

( ・∀・)「いやーなんか名残惜しいね」

(,,゚Д゚)「いえいえ!俺は帰らなきゃいけないので」

( ・∀・)「いつでも歓迎するから、また来いよ?今度はずっと働いてもらうからなー?」

(;,゚Д゚)「それは流石に勘弁してくださいよ」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:06:11.44 ID:qK9Dgm6E0

――いつも考えるのは君の事。

( ・∀・)「それじゃあまたな。今度は働きに来いよ」

(,,゚Д゚)「そればっかりですね…
     でも。ありがとうございました」

**こんな街で一緒に暮らすっていうのもいいよね


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:08:19.07 ID:qK9Dgm6E0

森に暮らす人々に出会い。
自然の中に生きてみても。

(*゚∀゚)「もう出発するのか?ここに住めばいいのに」

(,,゚Д゚)「えぇ。ここに住むわけにはいかないので」

(*゚∀゚)「残念だな。お前に伴侶になってほしかったんだが」

(,,゚Д゚)「ははは…嬉しいですけど、それは受けられません」

(*゚∀゚)「残念だ。気が変わったらいつでも来いよ!」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:10:24.80 ID:qK9Dgm6E0

――よく似た人に、君の影重ねてしまう日もあった。


(*゚∀゚)「じゃあな!俺らは一生!仲間で!友達だぞ!」

(,,゚Д゚)「ありがとう!また会おう!」

**君への想い貫く事が、支えだったんだよ


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:12:15.39 ID:qK9Dgm6E0


そして、少年は戻ってきた。
幾多の出会いを経て、幾多の街を歩き、思い出の残るあの村へ。


(,,゚Д゚)「ただいま帰りました…」

/ ,' 3 「おかえり」

迎えてくれたのは、昔よりも皺の増えた、長老。


(,,゚Д゚)「しぃは…」

/ ,' 3 「まだ、帰ってきていない。遠回りしているのか、或いは…」

少年は、青年になって帰ってきた。
しかし、青年の中の少女は、少女のまま、今もどこかを歩いている。

(,,゚Д゚)「…そうですか。じゃあ、俺はまた、旅に出ます」

…しぃを探すために。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:14:07.80 ID:qK9Dgm6E0


***********************************


(,,゚Д゚)「…ふぅ。そろそろ出発しますかね」

青年は歩き続ける、記憶の中の少女を探して。


世界を歩く、少女を探して。


美しい花に魅せられた冒険者。


青年は、また一歩、少女へと歩みだす。


己の全てを、探して。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:16:15.67 ID:qK9Dgm6E0


(,,゚Д゚)「しぃ…たとえお前がこの世界のどこにもいなくても。
     俺はお前を探すよ、お前を忘れないように。」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:18:14.01 ID:qK9Dgm6E0

二人の運命は交わらぬ。
そんな運命というならば、これほど哀しいことはない。

少女という名の幻想を、青い空の下一人追う。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:20:09.67 ID:qK9Dgm6E0

はたりはたりと紡ぎましょう

ほつれからまる糸玉を

廻し紡ぐは糸車

糸を逢わすは機織り機

この三点が揃わねば
淀み歪むは話の運命

三角関係と言わしめど、色恋沙汰にはありませぬ

今宵逢わせた青の糸、旅する男の物語

青く広がる世界の中に、離れた二人が再び出会う

叶わぬ夢の運命を、紡ぐ話は青い糸。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 23:22:28.86 ID:qK9Dgm6E0

男は語り終わり、背伸びをし、懐中時計を取り出す。


( <●><●>)「もうこんな時間ですね。今宵はここまでにいたしましょう。
        この話はここでお終い。青の糸。少女の心を探し続ける、自由奔放な男の話」

( <●><●>)「二人が再び出会うのか、
        …それはまた別の機会にいたしましょう。」

男は、静かに瞳を閉じる。
ぎ、と音がして、木製のドアがゆっくりと閉じる。


次に紡がれる話は、あなたの人生かもしれないですね…。






元スレ:(,,゚Д゚)紡ぐ話は青い糸のようです(リンク先( ^ω^)ブーン系小説とか読み物とかの倉庫様)

関連作:('A`)紡ぐ話は紅い糸のようです
[ 2014/03/01 12:07 ] シリーズもの | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tanpentokanohokanko.blog118.fc2.com/tb.php/299-b0ad9df8





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。