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( ^ω^)は機械仕掛けのようです 4/8

70 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:40:16 ID:yuwQGzwI0

 もしかして、街に下りちゃったの?
 そんな心配をしながら、坂道をかける

 誰か悪い人に連れ去られたとしたら?
 動物を追って森の中に入ったとしたら?

ξ;゚⊿゚)ξ「あーもう」

 考えれば考えるほど、思考は悪い方向、悪い方向へと向かっていく。
 そして、ツンの視界に機能の青年が写った。



( ^ω^)は機械仕掛けのようです

    4/8「過去の禁忌と禁断の機関」


71 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:40:33 ID:yuwQGzwI0

(;;'A`)「いや、見てないですが……」


川 ゚ -゚)「……」


 そう言うとツンはそのまま街へ走っていった。
 バーボンハウスへと走り去り、その扉を開ける。

ξ;゚⊿゚)ξ「ねぇ、ブーン見なかった?」
 

(´・ω・`)「?ブーン君かい?見てないよ」


ξ;゚⊿゚)ξ「いないの、大方虫か何かを追って行っちゃったんだと思うけど」


(´・ω・`)「落ち着いて、ブーン君はロボットだ」

72 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:40:45 ID:yuwQGzwI0

 ツンの視線に何かを感じたのか、ショボンはふっと表情を緩めた。


(´・ω・`)「そういうことじゃない
     確か家を拠点として登録してたでしょう?」


ξ;゚⊿゚)ξ「あ」


 迷子を防止する機能として、ロボットには拠点登録という機能がある。
 ほとんどの人は使っていない機能だが、人物認識機能が壊れたブーンは誰かについていなくなってしまう可能性があったため、その機能をONにしている。

 つまり、ブーンはツンの家から十数メートルしか移動できないはずだ。


(´・ω・`)「一緒に探そう」


ξ;゚⊿゚)ξ「お願いします」


(;;'A`)「僕も手伝います」

73 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:40:58 ID:yuwQGzwI0


(;;'A`)「クー、ロボットを探してくれ」


川 ゚ -゚)「……わかりました」


 山を登り、森林の中の小屋へたどり着く。


(;;´・ω・`)「手分けをして探そう」


ξ;;゚⊿゚)ξ「ええ」


 そう言って、ショボンとツンは家の中に入った。

74 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:42:12 ID:yuwQGzwI0
 ドクオはドクオで森の中を走りまわっている。

(;;'A`)「なんでだ、やっと」

 舞い散る木の葉を撒き散らし、地面を探す。
 きっとどこかで電池が切れ、倒れてしまったのだろう。

(;;'A`)「やっと見つけたのに……」

 ほぼ最新型のクーを見せ、交渉しようと思ったのに……

 あの狭い家の中でなら簡単に見つかるはずだ。
 つまり、あの家にはいない。

 この森の中ということになる。
 この木の葉を全部どければ、きっと見つかる。

 ドクオは無我夢中で走り回った。

 足に異物を感じては木の葉を撒き散らす。

75 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:42:31 ID:yuwQGzwI0

(;;'A`)「くそ、また木か」


 何度も繰り返し、それでもドクオは諦めない。

 
(;;'A`)「くそっ、くそっ、くそっ」


 足がもつれ、体が宙に浮いた。


(;; A )「あっ」


 幸いにも木の葉のベットに飛び込み、怪我はしなかった。
 しかし、ドクオの体は小刻みに震えていた。

76 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:42:46 ID:yuwQGzwI0


(;;゚A゚)「まさか……ブーンはこけて転がっていった?」


 それなら、拠点登録など無意味だ。
 あれはロボットの意思で離れることができない、という機能であり、物理的な力の前では無効だ。

 いや、もし物理的に押されたりして範囲外に出たとしても、ロボットが動けるなら戻る。
 しかし、動けなければ?

 完璧に壊れてしまってるとしたら?


 ドクオはその場に座り込んだ。

77 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:43:06 ID:yuwQGzwI0

 もう一人、壊れたように動かない男がいた。


(´・ω・`)「……」


 男の前にはひとつの鍵がある。
 禁忌へと繋がるピンク色の秘宝。


(´・ω・`)「……兄さん」


 かつてこの鍵を欲し、命を落とした男がいた。
 かつてこの鍵を護り、命を落とした夫婦がいた。


 かつての悲劇の真相を知るものはいない。

78 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:43:19 ID:yuwQGzwI0

 それは、当事者が全員死んでしまったからだ
 夫婦だけが死んだ、ならわかる。
 鍵を奪おうとした男も命を落としたのだ。


(´・ω・`)「……兄さんが夫婦を殺したなら
     一体誰が兄さんを殺したんだろうね」


 その鍵を手に入れれば、莫大な富を手に入れられるだろう。
 手に入れた土地で、もっと本格的に人を使って実の栽培をすれば、バーボン家の復興も夢ではないかもしれない。


(´・ω・`)「しかし、僕はこの鍵がにくいよ
     触れることはできないんだ」


 そう言って、ショボンはようやく、鍵の前を立ち去った。

79 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:43:36 ID:yuwQGzwI0


ξ;;゚⊿゚)ξ「ブーンブーンブーン」

 呪文のように繰り返し、思いつくままに部屋を散らかす少女がいる。
 その瞳からは一筋の川ができているのだが、少女はそれには気づかない。


ξ;⊿;)ξ「ブーン、どこにいるの?」


 これだけ探したのだ、家の中はいないだろう。


ξ;⊿;)ξ「ああ、ブーン」


 ツンが家を飛び出し、森へ目を向けると
 呆然と座り込むドクオの姿があった。

80 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:44:34 ID:yuwQGzwI0
 ツンの家を囲む木々の中でも大きな大木、その上で
 二体のロボットが対峙していた。


川 ゚ -゚)「……ブーン、ですね?」


( ^ω^)「だお、君は誰だお?」


川 ゚ -゚)「クーと申します」


( ^ω^)「クーかお」


 ブーンはそう言って、クー、クーと口ずさんだ。

81 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:44:59 ID:yuwQGzwI0


川 ゚ -゚)「一体……」


 何をしているのですか?と言おうとした時、バッタがブーンの前を跳ねた。


( ^ω^)「ツン」


川 ゚ -゚)「……それはバッタです」


( ^ω^)「わかってるお」


 もう一度、バッタがブーンの前を跳ねた。


( ^ω^)「でも、ツンなんだお」

82 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:45:28 ID:yuwQGzwI0
川 ゚ -゚)「……?」


( ^ω^)「ブーンはツンが好きだお」


川 ゚ -゚)「……意味がわからないですが」


( ^ω^)「だお。ブーンは壊れてるんだお
       ツン!買い替え時期だお」


川 ゚ -゚)「……」


( ^ω^)「どうしたお?ツン」


川 ゚ -゚)「……私は」


( ^ω^)「ごめんお、クーだおね、クー、クー」

83 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:45:44 ID:yuwQGzwI0

川 ゚-゚)


(; ^ω^)「おっお、そんな顔するなお、クー、クー」


( ^ω^)「名前を呼ぼうとすると、意識しないとツンになっちゃうんだお」


川 ゚ -゚)「……一体何をしてるのですか?」


( ^ω^)「隠れてるんだお」


川 ゚ -゚)「……隠れてる?」


( ^ω^)「だお」


川 ゚ -゚)「……一体誰から隠れてるんですか?」

84 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:46:04 ID:yuwQGzwI0

( ^ω^)「ツンだお」


川 ゚ -゚)「……」



( ^ω^)「ツンから隠れてるんだお」


 言いながらバッタを目で追って、その後視線をクーに向けた。


川 ゚ -゚)「……それは、ドクオ様から逃げているということですか?」


( ^ω^)「違うお、ツンだお!本当にツンからだお」

85 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:46:34 ID:yuwQGzwI0


( ^ω^)「ブーンは壊れてるお
       買い替え時期だお」


川 ゚ -゚)「……」


( ^ω^)「ツンはね、畑で麻酔薬になる実を作って生活してるお
       それは綺麗な畑だお」


川 ゚ -゚)「……」


( ^ω^)「ツンも綺麗だお
       綺麗な畑を歩く綺麗なツンは、そりゃ最高に綺麗だお」

86 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:46:48 ID:yuwQGzwI0


( ^ω^)「でも、その畑を維持するのは、大変なんだお」


川 ゚ -゚)「……なるほど、その労働が嫌になったと」


( ^ω^)「違うお!そもそもブーンは労働なんてほとんどしてないお」


川 ゚ -゚)「……」


( ^ω^)「壊れてるから、簡単なことしかできないんだお
       花を摘んでも落としてしまう、もしくは、握りつぶしてしまうお」


川 ゚ -゚)「……」


( ^ω^)「もう……ずっとそうだお」

87 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:47:01 ID:yuwQGzwI0


( ^ω^)「買い換えればツンは楽できるんだお」


川 ゚ -゚)「……買い換えて欲しいのか?」


( ^ω^)「当たり前だお!そうすればツンは楽ができるお」


川 ゚ -゚)「……でも、寂しがるんじゃないか?」


( ^ω^)「それは、時間が解決させてくれるお」


川 ゚ -゚)「……ドクオ様は」


 言いかけて、クーは首を振った。


川 ゚ -゚)「……いや、なんでもない」

88 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:47:37 ID:yuwQGzwI0
( ^ω^)「頼みがあるお」


川 ゚ -゚)「……なんだ?」


( ^ω^)「君がブーンを見つけたように
       ブーンはいずれ、誰かに見つかってしまうお」


川 ゚ -゚)「……だろうな」


( ^ω^)「この村の人はみんな顔を知ってるから
       そうすればツンに報告されてしまうお」

川 ゚ -゚)「……」

89 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:47:55 ID:yuwQGzwI0


( ^ω^)「そして、ブーンがいれば……ツンは新しいロボットを買うことができないお」


川 ゚ -゚)「……それは」


( ^ω^)「ツンはやさしいんだお」


( ^ω^)「だから、だからこそブーンは遠くへ行きたいお」


( ^ω^)「でも行けなかったお」


川 ゚ -゚)「……拠点登録、か」


( ^ω^)「だお、その機関は自分で触ることができないお」

90 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:48:13 ID:yuwQGzwI0



川 ゚ -゚)「……実は、私の主人は君と同じロボットを所有しててね」


( ^ω^)「お?」


川 ゚ -゚)「……だがそのロボットは壊れているんだ」


( ^ω^)「……」


川 ゚ -゚)「……直すには、君が、いや、君の部品がいる」


川 ゚ -゚)「……君の部品を私の主人にくれないか?」


 もし、部品が手に入り、ドクオのブーンが直ったら、ドクオの隣にいるのはクーではなくブーンになるだろう。
 いや、達成させれば、もしくは――

91 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:48:31 ID:yuwQGzwI0



( ^ω^)「できればご遠慮したいお」


川 ゚ -゚)「……」


( ^ω^)「ブーンはツンのブーンとして朽ちたいお
       一部部品だけとはいえ、他の人を主人にしたくないんだお」


( ^ω^)「これはブーンのわがままだお
       でも、機関を晒すブーンには、拒否権なんてないお」


 そう言って、ブーンはクーに笑いかけた。
 クーは無表情でブーンを見つめ返す。


川 ゚ -゚)「……」

92 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:48:45 ID:yuwQGzwI0


( ^ω^)「もし、ツンがどうしてもブーンから部品を取りたいなら
       オフスイッチを押し、持ち帰ればいいお」


川 ゚ -゚)「……私はクーだがな」


( ^ω^)「おっお、ごめんだお」


( ^ω^)「じゃあ、お願いするお」





川 ゚ -゚)「……ああ」


 そう言って、クーは禁断の機関に指を入れた。


( ^ω^)は機械仕掛けのようです

    4/8「過去の禁忌と禁断の機関」終


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