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( ^ω^)は機械仕掛けのようです 3/8

53 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:34:49 ID:yuwQGzwI0

('A`)「ふふふ、ヴィップに入って部品がもうないと知った時は焦ったけどね」

 熱っぽい視線をブーンに投げかけてドクオは
 なおも言葉を続ける。

('A`)「それでも諦めなかった
    いや、諦められなかった」


(  ω )「……」


( ^ω^)は機械仕掛けのようです

    3/8「青年と機械仕掛けの女」

54 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:35:02 ID:yuwQGzwI0

('A`)「ああ安心して欲しい親友」


('A`)「僕は君を見捨てない」


('A`)「だから」


 もう一度、僕と笑いあって欲しい。
 困ったような顔で言い訳してみせたり、嫌味なセリフを投げかけたり……


('A`)「僕をからかってくれるのは、ブーン。君だけだ」

55 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:35:14 ID:yuwQGzwI0

川 ゚ -゚)「ドクオ様、そろそろお時間です」


('A`)「ふん、心のない人形め」


川 ゚ -゚)「申し訳ありません、ドクオ様」


 ドクオは、感情センサーで怒りを感じ取り反射的に謝ったロボット。
 クーに光のない視線を向けた。


('A`)「そうだ」

 突然、言葉を発したドクオは、クーに視線を返した。

56 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:35:28 ID:yuwQGzwI0

('A`)「クー、今日は一緒に来い」


 思いがけない言葉に、クーは僅か反応を遅らせ、
 笑みを零した。

川 ゚ -゚)「よろしいのでしょうか?」


('A`)「ああ」


川 ゚ -゚)「では、ご一緒させていただきます」


('A`)「ああ」


 ドクオの真意など全く知らず、クーはドクオに従った。

57 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:35:45 ID:yuwQGzwI0

川 ゚ -゚)「ドクオ様」


('A`)「なんだ?」


川 ゚ -゚)「なぜ、目標から離れた場所に宿をとられたのですか?」


 当然、目的地と宿泊地は近いほうがいい。
 近ければ近いほど移動の時間が減り、他の業務をすることができるからだ。

 しかし、ドクオは隣の町へ宿をとった。
 隣町と言っても、田舎町の隣町はずいぶん距離があるのだ。

 その、当然の問いにも、ドクオは短く「馬鹿め」と返した。

58 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:36:01 ID:yuwQGzwI0

川 ゚ -゚)「?」

 クーが混乱したかのような表情をし、ドクオは顔をしかめた。


('A`)「ハァ、それでも最新型か?」


 ため息をつきながら返したドクオに、クーは


川 ゚ -゚)「いえ、私は最新型より一世代前の型です」


 と事実を的確に返した。

59 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:36:13 ID:yuwQGzwI0

(;'A`)「ロボットに空気読めってのも無理な話か」


 これだから人形は、ブーンなら……と言いかけたところで


川 ゚ -゚)「一応私には、空気嫁。と言われるような機能はついていますが」


 と明後日な方向への回答を出す。


川 ゚ -゚)「そういえばドクオ様はそういう機能を使用されないですね」


 なおも続けるクーに、ドクオは大きなため息をついた。

60 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:36:29 ID:yuwQGzwI0

(;'A`)「クー、今回の休暇での俺の目的は何だ?」


川 ゚ -゚)「はい、ホライゾン型の補修部品を探すことです」


(;'A`)「だよな、そして正規部品は手に入らない
    そうすると手に入れるにはどうすればいい?」


川 ゚ -゚)「同じ型のロボットを探し、譲ってもらいます」


('A`)「……そういうことだ」


 そう言って、視線を鋭くするドクオにクーは困惑の表情を浮かべた。

61 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:36:43 ID:yuwQGzwI0

 ('A`)「よし、飯にするか」

 気づけば歩はだいぶ進み、目的地の村までやってきていた。


(´・ω・`)「バーボンハウスへようこそ」


 そう言って、ドクオを見たショボンは一瞬表情を硬くした。


(´・ω・`)「今日は何名さまかな?」


 地方の酒屋だ。
 大方悪いことの一つや二つやっているんだろう。
 二日連続で、しかも人数を増やして来た部外者に警戒してる、と言ったところだろう。

62 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:37:00 ID:yuwQGzwI0

('A`)「二人で」


(´・ω・`)「では、こちらへどうぞ」


 そう言ってショボンは、二人を一番奥のテーブルへ案内した。


('A`)「昨日と同じものを」


(´・ω・`)「そちらのお嬢さんは?」


 主人はクーがロボットだとわかってるだろうが、そう聞いた。
 ロボットを家族と扱ってる人も多いから、断るの前提で聞く。

 都の一流店では一般的な、田舎の酒屋では珍しい心配りだ。

63 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:37:11 ID:yuwQGzwI0

('A`)「アニーはありますか?」


 ドクオは試すように、ロボット用のご飯。
 人間もロボットも飲める飲み物――これも高級店にしか置いていない――を注文した。


(´・ω・`)「ありますよ、ちょっと値ははりますが」


川;゚ -゚)「ドクオ様、私は別に」


 あわてて止めるクーを手で制止して、
 ドクオは値段も聞かず言った。


('A`)「じゃ、それ二つ」


(´・ω・`)「かしこまりました」

64 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:37:32 ID:yuwQGzwI0
川;゚ -゚)「大丈夫なのですか?」


 心配そうに見つめるクーにドクオは視線を投げた。


('A`)「何がだ?」


川;゚ -゚)「値が張ると言ってましたよ?」


('A`)「ん?まぁ大丈夫だ
    路銀はまだある」


川;゚ -゚)「しかし、旅はいつまで続くかわかりません」


 路銀を使い果たして家に戻る。
 それでは、何のためにドクオがこんな苦労をしたかわかったものじゃない。

65 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:37:49 ID:yuwQGzwI0

 何より、私のために使い果たすなどというのはあってはならないことだ。
 なおも言い続けるクーにドクオは言い放った。


('A`)「わかってないな」


 そう言ってドクオはクーを見つめた。
 荒巻という天才が生み出したAIは、それがあまりにも高い能力を持っていたため
 やがて人を殺す、という禁忌を侵してしまった。

 殺させた人間は例外なく悪と言われる人間ではあったが、それが人間に与えた恐怖は計り知れなかった。

 そして強制された人格制御プログラム。
 それにより、ロボットは人形と化した。

 しかし荒巻は抵抗を続けていた。
 制御プログラムを少しいじると、そのプログラムが動作しなくなるのだ。

66 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:38:08 ID:yuwQGzwI0

 もちろんこれはチームアラマキ社の中でも僅かな人間しか知らない。
 偶然にも手にしたその情報を、ドクオが試さないわけがなかった。

 つまり、クーは制御プログラムが働いていない。
 なのに、それなのに、クーは一切ドクオに迷惑をかけることはなかった。

 ブーンならただ喜ぶだけのプレゼントもお金の心配をしている。


('A`)「やはり、制御プログラムを完全に消すことはできないのか」


 ドクオが真剣な考察を開始しようとした時、ショボンが顔を覗かせた。




(´・ω・`)「お待たせいたしました」


 料理を運ぶタイミングも目を配らせていたのだろう。
 田舎町の店主とは思えない配慮の仕方だ。

67 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:38:24 ID:yuwQGzwI0

(´・ω・`)「では、ごゆっくりお楽しみください」


川;゚ -゚)「……」


 クーはちらちらとこちらを見て、置かれたアニーには口をつけない。


('A`)「もう頼んだんだから飲めよ」


川;゚ -゚)「……はい、ありがとうございます」


 そう言ってはじめて口をつける。
 ブーンなら何も言わず飲んで、おかわりまでするだろう。

68 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:39:33 ID:yuwQGzwI0


(´・ω・`)「ありがとうございました」


 そう言って、領収書を見せてくる。
 高いと言っていたアニーは相場以下だ。

 良心的な店では、異性と来てメニューにないものを注文すると
 「値が張る」等の言葉を出し、財布を出すほうを立てる。

 値段を聞けば、高い高級品を、聞かなければ安い方を出すのだ。

 そして、良心的でない店は何も言わず高額の請求をしてくる。


('A`)「どうも」


 この店主。きっと都から流れたのだろうな。
 没落した貴族か、大商人の使用人か、
 はたまた殺人や麻薬等の密売の罪を犯したものか。

69 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:39:48 ID:yuwQGzwI0

 店に来た時の反応からは、一番下があやしいと思う。

 しかし、そんなことは興味がない。
 触れないのがお互いのためだろう。


('A`)「では、行きますか」

川 ゚ -゚)「はい、ドクオ様」






( ^ω^)は機械仕掛けのようです

    3/8「青年と機械仕掛けの女」終


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