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( ^ω^)は機械仕掛けのようです 2/8

31 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:27:17 ID:yuwQGzwI0


 団欒の間に響く不協和音。
 只のノックの音だけど、なぜか私は嫌な予感が拭えなかった。


( ^ω^)「お客様だお」


ξ゚⊿゚)ξ「ええ、誰かしら?」


 私がゆっくりドアを開けると、
 ドアの前には貧相な顔の男が立っていた。


('A`)「あ、すみません」




( ^ω^)は機械仕掛けのようです

    2/8「高級スーツと貧相な青年」


32 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:27:43 ID:yuwQGzwI0

('A`)「私チームアラマキ社の営業でドクオと申します」


ξ゚⊿゚)ξ「はぁ、ドクオさん」


 ピチッと着こなした立派なスーツ。
 なるほど、大企業チームアラマキの社員なのだろう。


 大方、営業か、ロボットの。
 でも、私はブーン以外のロボットを欲しいとは思わない。

 だってブーンは家族なのだ。
 ブーンは只のロボットではない。

33 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:28:03 ID:yuwQGzwI0

ξ゚⊿゚)ξ「すみませんが、私は今一人身で、ロボットもすでに所有してます」


 困惑顔の私にも一切ひるまず、男は言葉を続けた。


('A`)「ああ、今回は営業目的ではありません」


 営業目的ではない。
 ならなんなのだろう?


('A`)「ロボットを見せていただけませんか?」


ξ゚⊿゚)ξ「?」

34 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:28:26 ID:yuwQGzwI0

 何が目的かわからないが、嫌な予感が拭えない。
 いや、目的はおそらくわかる。私だって馬鹿じゃない。

 営業ではないといいながら、新しいロボットを買わせる気なのだろう。


ξ;゚⊿゚)ξ「いや、何が目的だかわかりませんが……」

( ^ω^)「どうしたんだお?」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと!」

 買い替えなんてしません!と言い切り
 ドアを思いっきり閉めてしまいたかったのに、なんで出てくるのよ。


('A`)「む?」


( ^ω^)「お?」


('A`)「むむむむ?」

35 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:28:51 ID:yuwQGzwI0


 はぁ、ブーンを見られたか、おそらくこの営業マンはブーンが旧式だと一目でわかるだろう。


('A`)「これはこれは珍しい、初代のホライゾンモデルですね」


 一見でそこまでわかるか。
 流石ヴィップ社の営業さん。


('A`)「しかし驚きです、ファースト世代がまだ残っているなんて」


ξ゚⊿゚)ξ「はぁ、でも買い換える気はないんで」


('A`)「わかります、わかります」


 ん?何故か同意された。
 営業じゃないのかな?
 なら一体何が目的なんだろう?

36 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:29:14 ID:yuwQGzwI0

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ」


 バカバカ、騙されるな私。
 仕事をしている以上、相手は営利を求めているんだ。


('A`)「私はファースト世代が最も好きですね」


('A`)「ファースト世代の特徴、それは二つあります!」


('A`)「まず、驚きの壊れにくさ
   最も、これは使い方が変わった、というか、違う使い方が可能になった等の理由もありますが……」


 うちのブーンはところどころ壊れてますけど、なんてことは口が裂けても言えない。
 いや、最近話題の壊れる原因になるようなことは私はしてないですよ?
 そもそもブーンにはそんな機能ついてないですし。

37 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:29:29 ID:yuwQGzwI0

('A`)「更にセカンド世代から、砕けた言葉使いにて度々クレームになったため、丁寧語のみの設定になってしまった」


 止まらない止まらないマシンガントーク。
 でもなんか納得できるとこもあるんだよね。


('A`)「これでは!これでは愛着などもてません」


 愛着、か。
 もしかしたら私がブーンに抱いてる感情は、まさにそれかもしれない。


ξ゚⊿゚)ξ「……」


(;'A`)「あ、すみません、横道にそれてしまいました。」

38 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:29:44 ID:yuwQGzwI0


('A`)「買い換える気などしないのはわかります」

 でも、しかし、などという接続語を使い、商品を売ってくるのだろう。
 私はとっさに身構えた。


('A`)「しかし、実はですね」


('A`)「私はずっとファースト世代のホライゾンモデルを探していたのです」


ξ゚⊿゚)ξ「え?」


 なぜ、ブーンを探していたのだろう?
 考えられる理由はほとんどない。

39 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:29:57 ID:yuwQGzwI0


 あるとすれば--









 ショボンさんの会話が思い出される。
 もしかしたら、ブーンの今の症状は機種特有の症状かもしれない、と

 つまり、ブーンの今の症状は治るのかもしれない。




('A`)「実はファースト世代のホライゾンモデルにはある不良があるのです」

40 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:30:10 ID:yuwQGzwI0

ξ゚⊿゚)ξ「……」

 しかし、希望が見えてきたと思っていた私が告げられた言葉は、絶望への案内だった。











('A`)「なので、最新式のロボットと交換対応
   もしくは、返金対応を取らせていただいております」

41 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:30:25 ID:yuwQGzwI0

ξ;゚⊿゚)ξ「え?あの修理じゃだめなんですか?」


 私のすがるような声にも、青年は動じない。


(;'A`)「代品か返金で対応しています……」



 え?え?


 でも……
 でも……

42 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:30:38 ID:yuwQGzwI0

 息が苦しい。
 なんで、やっぱりドアを開けるんじゃなかった。


ξ;゚⊿゚)ξ「……ちょっと考えさせてください」


('A`)「そうですよね、ええ、わかります」


('A`)「大丈夫ですよ」


 営業の男、ドクオは笑顔を崩さない。


('A`)「では、明日また来ますので」

43 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:30:54 ID:yuwQGzwI0

 しばらくして、ようやく落ち着きを取り戻したツンは
 もう一度ブーンを見つめた。


ξ゚⊿゚)ξ「……ブーンはどう思った?」


( ^ω^)「ブーンは壊れてるお」


 笑顔のまま、ブーンは続ける。
 続けて欲しくないのに。


 嘘をついて欲しいのに……

44 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:31:15 ID:yuwQGzwI0
( ^ω^)「ツン、もうとっくに買い替え時なんだお」




 なんでよ。
 辛い顔しちゃってさ……






ξ ⊿ )ξ「……ばっかじゃないの?」


 相変わらず嬉しそうな顔をしている。
 こっちの気もしらないでさ

45 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:31:53 ID:yuwQGzwI0
ξ-⊿-)ξ「……あー眠い、寝るわよブーン」


( ^ω^)「だおだお」


ξ゚⊿゚)ξ「……」

 眠れないはずのなに、いつの間にか眠っていた。


ξ゚⊿゚)ξ「……」


ξ゚⊿゚)ξ「……またいない」


 大方また虫か何かを私だと思ったのだろう。
 私は大きく欠伸をすると、ベットの上から転がり出た。

46 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:32:14 ID:yuwQGzwI0

 ぽいぽいと服を籠に入れ、タンスから服を取り出す。
 てきとうに投げ入れた衣服は下着が丸見えになっているけれど、誰も来ないんだから問題ないだろう。 


ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン」


 次は何と私を間違えたんだろう?
 そんなことを思い、窓から外を眺める。――いない。


ξ;゚⊿゚)ξ「え?嘘……ブーン?」


ξ;゚⊿゚)ξ「全く、どこ行ったのよ」

 探す、探す。
 机の下、タンスの中。
 庭にもいない。

47 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:32:28 ID:yuwQGzwI0

ξ;゚⊿゚)ξ「畑かしら?」


 鍵がかかってて入れないはずだけど……
 そう考えながら、綺麗なピンクの畑へ向かう。


ξ;゚⊿゚)ξ「いない」


ξ;⊿;)ξ「ブーン、どこ?」


 答える声はないことはわかっていた。
 それでも、ブーンならやってくれる。
 そんな儚い希望があったのも事実だ。

48 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:32:46 ID:yuwQGzwI0

 小さいころ、ブーンは私が泣いてるとすぐに駆けつけてくれた。


ξ;⊿;)ξ「うわああああああああんうわあああああああん」


 子供のころの記憶。
 確かお父さんとお母さんが死んじゃった時のことだっけ?


( ^ω^)「ツン、どうしたお?」


 いつも傍にあったこの笑顔。

49 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:33:05 ID:yuwQGzwI0
( ^ω^)「おっお、おっお」


 この時ブーンは、お父さん達が死んだってことがわかってたのかな?


ξ;⊿;)ξ「おどうじゃんおがあじゃん」


( ^ω^)「おっお、おっお」


ξ;⊿;)ξ「うわああああああああああん」

50 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:33:18 ID:yuwQGzwI0
 ああ、あの時はまだ赤外線センサーや感情センサーがちゃんと働いていたんだろう。
 そう考えると、幼い頃の奇跡はロボットの正常機能から来る当然の行動だったのかもしれない。

 あ、感情センサーはいまだ働いてるみたいだけどね
 この頃のほうがしっかり感知できてたような気がする


ξ;⊿;)ξ「……」


 泣いていても解決しない。
 今度は、今度は私がブーンを探すんだ。

 どこにいるかわからなくなって困ってるブーンを、助けるんだ。

51 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:34:00 ID:yuwQGzwI0

 ヴィップから少し歩いた所にある立派な宿。その一室。
 埃ひとつないその部屋には、一人の男が笑みを浮かべていた。

 周りには二体のロボットが、彼の世話をしている。
 否、世話をしているのは一体のロボットで、一人は光のない視線をドクオに向けていた。


('A`)「長かった、実に長すぎた」

 ドクオはそう呟き、口端を吊り上げる。
 歓喜の表情をし、光のないロボットに近づく。


('A`)「やっと君に会えるよ」

52 : ◆Ymtt.Y6YOc:2011/02/21(月) 00:34:18 ID:yuwQGzwI0

('A`)「親友」



(  ω )「……」


 狂気を孕んだ視線の先にいたのは、瞳に光を失ったブーンだった。




( ^ω^)は機械仕掛けのようです

    2/8「高級スーツと貧相な青年」終

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