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( ^ω^)アディショナル:タイム:ライフのようです

1 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 20:28:12 ID:drh8P1v20


無駄にしてきた人生の時間を取り返す、生涯最後のひととき。


人生の最期に与えられるそれが――。



――――『アディショナル:タイム:ライフ』。



.
2 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:30:50 ID:drh8P1v20


( ^ω^)「ふんふふんふ~ん♪ おっおっお♪」


その日、ブーンこと内藤ホライゾンは、電車の窓から流れていく外の風景を楽しげに見つめていた。

学生としては春休みでも世間としては平日。それもまだ昼前である。
乗車率は低く、列車はガラガラだった。特に、彼の乗っている最前列の車両など貸切状態だ。

( ^ω^)(今日は待ちに待った、ツンとふたりで一緒に遊びに行く日だお♪)

小さな鼻歌に合わせて、同年代の平均のそれよりやや体重の多いその体をゆっくりと左右に軽く揺らす。
彼は傍目からでも判るほどに浮かれきっていた。

人が見たら恐らく十中八九「あぁ、頭がかわいそうな人なのだな」と思われていただろう。

しかしそれもそのはず、彼は三日前に『合格』という名の某大学へのキップを手にしたばかりだった。
浮かれるのも無理からぬことである。

( ^ω^)(現役で一年、浪人で一年……併せて二年間の禁欲的な受験生活。本当に辛かったお……ツンとも会えず、ずっと待たせてしまったお)

( ;ω;)(実際こうしてツンと会うのも半年ぶりだし……長かった、本当に永かったお……)

ツンというのは彼の幼馴染である。
小学校から高校までずっと同じ学校で、浪人したブーンより一足先に近くの女子大へと進学していた。

3 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:33:04 ID:drh8P1v20

ツンというのは彼の幼馴染である。
小学校から高校までずっと同じ学校で、浪人したブーンより一足先に近くの女子大へと進学していた。

( ^ω^)(でも! 僕はこうしてめでたく合格を手にしたんだお! もう誰と何処にどれだけ遊んでも良くなったんだお!)

( ^ω^)(今日はふたりでショッピングモールに行って、その後公園を歩いて、ふいんき次第では今夜にも……)

ブーンは彼女のことを好いていた。性的な意味で。

また彼女もブーンのことを不器用ながらも憎からず思っており、中学校に上がった頃にはふたりは周囲から冷やかしの意味を込めた『バカップル』の名を欲しいままにしていた。

もっとも幼い頃からずっと一緒だったせいもあり、筋金入りの鈍さを誇るブーンが自らのその感情に気付いたのは浪人が決まったあたりだったのだが。


(*^ω^)(むゅふゅふゅふゅふゅふゅ……)


薄気味悪いほどに表情を緩ませるブーン。
もし周りに人が居れば確実に通報されていたレベルである。


もっとも。


もし彼が、この列車が数十秒後に脱線事故を起こし、自らもそれに巻き込まれて死ぬことを知っていたならば。

きっとこんな表情は出来なかったであろう。

.

4 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:35:24 ID:drh8P1v20


ギャリッ……ギャギャッ……。


( ^ω^)「…………おっ?」


事故の原因など、彼は知るよしもなかった。

通常ならあり得ない音と車体の揺れ方を彼が訝しんだ時には、既に全てが手遅れだった。

列車の車体は完全にレールの上から飛び出し、沿線部へと乗り出し始めていた。

5 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:37:10 ID:drh8P1v20


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!


(;^ω^)「おおおおおおおおおおおおおっ!!?」


ギャリギャリと、この世の終わりのように辺りに鳴り響く轟音に耳を塞ぎながら彼が左――電車の進行方向に首を向けた時。

そこにはメチャクチャになったガラスや金属やコンクリートで構成された壁が、今にも彼の躰を呑み込まんと迫ってきていた。


(;^ω^)「え……えっ?」


その壁が、脱線した列車が廃墟となっていたビルに突っ込み、今まさに前部から順に押し潰れ破壊されていく際の光景であることを、
彼が即座には理解出来なかったのもまた無理のないことだった。

6 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:39:11 ID:drh8P1v20

ただ、脳が目の前の事象を理解しきれなくとも、迫り来るその壁が視界のほぼ全てを覆ったその瞬間。


( ^ω^)(あ、僕……死ぬんだ)

( -ω-)(――――)


本能で『死』を感じ取ったブーンは、静かに瞼を閉じた。

.

7 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:40:28 ID:drh8P1v20

きっと僕は、あとコンマ数秒で死ぬ。

この乱雑な壁に身体をぐちゃぐちゃにひき潰されて、全身もれなくミンチにされて。

ごめんトーチャン、カーチャン、つー、……ツン。

先立つ不幸を許して下さい。

ああ、でもきっと痛みを感じる暇もなく死ねるのはまだ幸せだったかもしれない。

時間が流れるのがやけにゆっくりに感じる。

死ぬ直前には時間が圧縮されたみたいに超スローになるって聞いてたけど本当だったのか。

いやしかし、本当にゆっくり……。


ゆっくり……。



…………いや、いくらなんでもゆっくり過ぎないか?


.

8 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:42:34 ID:drh8P1v20


(;-ω^)「…………お?」パチッ


恐る恐る片目を開けると、確かにギザギザな壁は数メートル先からゆっくりと迫ってきていた。

ただその「ゆっくり」は体感時間的な「ゆっくり」でなく、物理的な「ゆっくり」なのだ。


(;^ω^)「へ? これ、どういうこと?」

おそるおそる近づき、人差し指でちょんちょんと壁に触れてみる。尖ったガラス片が、薄く皮膚を裂いた。

(;^ω^)「! 痛ッ……」

切れた指先からわずかに血が流れる。

どうやら死を目前にした脳の処理能力が限界を超えて時間を圧縮云々とか、そういう問題ではないらしい。

(;^ω^)「えーっと……」

事態をまったく呑み込めない。

僕は死んだんじゃないのか?

ここはもう死後の世界なのか?

疑問符だけが頭をぐるぐると回り始めた、その時だった。

9 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:45:02 ID:drh8P1v20



ピピ――――ッ!



(;^ω^)「え、ホイッスル?」


( ・∀・)ダダダダダ

( ´∀`)ダダダダダ

ミ,,゚Д゚彡ダダダダダ


(;^ω^)「え? え? え?」


( ・∀・)ピピーッ!!


(;^ω^)「え、サッカーの……審判団?」

10 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:48:08 ID:drh8P1v20

( ・∀・)ピッ!


(;^ω^)「いや、あんたら誰? ……ってか、これ何?」


[03:12]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡 バッ

( ´∀`)つ田 サッ

( ・∀・)ピピーッ!!


(;^ω^)「は? え? え?」


( ∵)「さぁ主審の笛で始まりましたブーンこと内藤ホライゾン選手のアディショナル・タイム!」

( ∴)「過去さまざまなドラマがこのアディショナル・タイムに生まれていますからねー。今回も目が離せないですよ」

( ∵)「ということで今回の中継は実況の私ビコーズと」

( ∴)「解説のゼアフォーでお送りします」

( ∵)「ちなみに私たちの声はブーン選手やその他の人々には聞こえていません」

.

11 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:50:10 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「サッカー……電光掲示板……ってことは……」

(;^ω^)「ロス、タイム? いや今はアディショナルタイムって言うんだっけ?」

( ・∀・))コクリ


( ∵)「おっとブーン選手、意外にも事態の飲み込みが早い」

( ∴)「本来彼は頭脳派キャラではないのですがねー、死を前にして脳が回り始めましたか」

.

12 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:53:22 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「てことは何? もしかして……僕は、死んだ、のかお?」

( ・∀・))コクコク

(;゚ω゚)「そ、そんな! 僕はまだ死にたくないお!! なんとか助かる方法は無いのかお!?」

⊂( ・∀・)フルフル

(; ω )「そんな……。現役で落ちて、浪人して、ツンも待たせて。この春やっと、やっと大学に受かって、苦しかった受験生活も終わって」

( ;ω;)「……人生、これから……だと、思った……のに……」

( ・∀・)「…………」

( ・∀・)ピッ!

( ´∀`)つ田 サッ

[03:12]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡 ビッ

( ;ω;)「お……? そう言えば、あの電光掲示板が示してる時間って……」

( ・∀・))コクリ

13 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:55:23 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「僕に残された時間は……」

[03:12]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡

(;^ω^)「三分ちょいってこと?」

⊂( ・∀・)フルフル

(;^ω^)「え、じゃあ三時間ちょい?」

( ・∀・))コクコク


( ∵)「この三時間十二分というアディショナル・タイム、どうなんですかね?」

( ∴)「このブーン選手は十九歳ということですからねー、この年齢としてはやや多い部類でしょう」


(;^ω^)「んじゃ、この三時間、僕はどうすれば?」

( ・∀・)つ サッ

(;^ω^)「とりあえず外に出ろと?」

( ・∀・))コク


( ∵)「とはいえ平均的な中高年のプレーヤーに比べてやや時間不足は否めませんが」

( ∴)「いえ、これよりも短い時間で見事なドラマをピッチに描いたプレーヤーも数多く居ますからね。メイクドラマには充分な時間と言えるでしょう」

.

14 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 20:57:14 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「んじゃ、とりあえず外に……。お、ちょうどこのドアひしゃげててスキマから外出れそうだお」

( ・∀・)( ´∀`)ミ,,゚Д゚彡ゾロゾロ


( ∵)「さぁブーン選手、プレー開始です! 審判団も後に続きます」

( ∴)「いやー、男ばかりで実に画に華がないですね」

( ∵)「なお、審判団の姿はプレー中の選手以外には見えていません」



(;^ω^)「うわ、電車の前部グッシャグシャじゃないかお……こりゃ余裕で死ねるお」

(;^ω^)「あ、その辺の自動車は動いてる……外は普通に時間が流れてるのかお」


( ∵)「この場合の外の世界との時間の流れの兼ね合いってどうなってるんでしょう」

( ∴)「その辺はあんまり細かく考えてはいけませんねー、>>1もドラマ放送当時から疑問でした」

( ∵)「なるほど、気にしたら負けというヤツですね。しかしゼアフォーさん、メタな発言は謹んで下さい」

( ∴)「おっと、これは失礼」

.

15 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:00:29 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「うわー、これはひどい……運転手さんとか無事だったのかお?」

( ・∀・)ピッピッ!

(;^ω^)「お?」

( ・∀・)タッタッ

(;^ω^)「あ、急げってことかお?」

( ・∀・))コクリ


( ∵)「ブーン選手に残された時間はそう多くないですからねー、ここは時間を有効に使っていきたいところです」


(;^ω^)「ん~、ここからじゃツンとの集合場所の方が遠いし……。一旦家に戻るかお」


( ∵)「おっと、まずは一時帰宅を選んだ模様です」

( ∴)「目的地はまだ相当遠いですからねー、これは懸命な判断だと言えるでしょう」


(;^ω^)「……あ、運転手さんも審判団に囲まれて出てきたお。やっぱ死んでたのかお」

.

16 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:02:09 ID:drh8P1v20

( ^ω^)「とりあえずツンにメールしとくお」

( ^ω^)「えっと、『ごめんなさい、少し遅れるお』……」


( ∵)「おお、ブーン選手かなり落ち着きを取り戻したようですね」

( ∴)「いいですねー。たまにひたすら混乱したまま何もせずに時間切れでピッチを後にする選手もいますから」


( ^ω^)「『よく分かんないんだけど僕は死んで』……」

( ・∀・)ピピッ!

(;^ω^)「お? どうしたんだお? メールしちゃ駄目とか?」

⊂( ・∀・)フルフル

( ^ω^)「え、じゃあ……この文章が駄目なの?」

( ・∀・))コクリ

( ^ω^)「死んだことを知らせちゃいけない?」

( ・∀・))コクリ


( ∵)「そう、自分が死んだことを他人に知らせてはいけない。ブーン選手、実に冴えていますね」

( ∴)「これは今後のプレイにも期待が持てそうですよ」

.

17 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:04:34 ID:drh8P1v20

( ^ω^)「んじゃ、とりあえず遅れることだけメールしとくお」

(;´ω`)「……ツン怒るだろうなぁ……。しょうがないけど」

( ^ω^)「さて、ここから家までは直線距離で3km弱……走れば15分前後で行けるかお? 体がナマッてないといいけどお」

三三三⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブ――――ン!!」


( ∵)「おおっとブーン選手、これは速い! 見事なオーバーラップ! なんという健脚でしょう! 受験生活のブランクを感じさせない走りです!」

( ∴)「資料によれば彼は小中高と陸上をやっていたらしいですからねー、この速さはその産物でしょう」


三(;・∀・)タタタタ

三(;´∀`)タタタタ

  [03:02]
  ∩ ∩
三ミ;,゚Д゚彡タタタタ


( ∵)「審判団も必死に追いかけるー!」

( ∴)「特に電光掲示板を抱えてるフサギコタイムキーパーはキツそうですね」

.

18 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:06:23 ID:drh8P1v20

三三三⊂二二二( ^ω^)二⊃(思ったよりもナマッてないもんだお、予想以上のペースだお)


( ∵)「土手道を脇目もふらずに全力で駆け抜ける。淡い青春の一幕のようですね」


三(;・∀・)タタタタ

三(;´∀`)タタタタ

  [02:54]
  ∩ ∩
三ミ;,゚Д゚彡タタタタ


( ∴)「後ろからユニフォーム姿の審判団が必死で追いすがってなければの話ですけどね」

.

20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:09:22 ID:drh8P1v20

三三三⊂二二二( ^ω^)二⊃(よし、もうVIP大橋だお。ここを渡ればすぐに家……ん?)


( ∵)「おっとブーン選手、どうやら橋の上に何かを見つけたようです」


ハハ ロ -ロ)ハ「…………」


( ∵)「これは……女性ですね。まだ若いですが欄干に手をかけてなにやら物憂げに水面を見つめています」

( ∴)「あー、この雰囲気はマズいですね。背中からよろしくない感じのオーラがバシバシ出てます」



三三三⊂二二二(;^ω^)二⊃(いやいやいや、流石にこのタイミングでこれは無いおね? まさかそんな投身ナントカとか入水カントカとかそんな訳)


ハハ ロ -ロ)ハ「……」キッ


( ∵)「おっと、女性は何かを決意した様子! 眼光が鋭くなり欄干を握る手に力がこもります!」

( ∴)「あー、こうなるともう間違いないですね。下の川はけっこう深くて流れが急ですし、泳ぎが不得意なら八割方死にますよ」

( ∵)「このまま彼女のアディショナル・タイムが始まってしまうのかー! どうするブーン選手ー!?」
                                              ミナカッタコトニシヨウ
( ∴)「今は彼もアディショナル・タイムのプレー真っ最中ですからねー、ここは超法規的措置しても仕方のない場面ですよ」

.

22 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:11:12 ID:drh8P1v20

三ハハ ロ -ロ)ハ ダッ!

三三三(;゚ω゚)二⊃「ススス、スタァ――――ップ!!!」ガシィッ


( ∵)「だがブーン選手、身を乗り出した彼女を全力で止めるゥー!」

( ∴)「素晴らしい速さです。あの距離から間に合うとはちょっと思えませんでしたよ」


ハハ;ロ -ロ)ハ「ちょ、なんなんデスかアナタ! 離してくだサイ!」

(;゚ω゚)「いや、離したらアンタ死ぬじゃん!」

ハハ ロ -ロ)ハ「当然デス! もうこんな世界に未練なんかないデス!」

(;^ω^)「馬鹿、そう軽々しく死ぬもんじゃないお!!」

ハハ ロ -ロ)ハ「五月蝿いデス! アナタにワタシの何が解るんデスか!!」

(;^ω^)「少なくとも死ぬことに関しちゃアンタより一日の長があるお!!」


( ∵)「ブーン選手、必死の説得です! 相手は見ず知らずの他人だぞー!」

( ∴)「ところで『死ぬことに関しちゃ一日の長がある』ってよく考えると結構ものすごいセリフですよね」

.

23 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:13:10 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「あぁもう、とりあえず欄干から降りるお!」グイッ

ハハ;ロ -ロ)ハ「ア痛ッ……!」ドシン

ハハ;ロ -ロ)ハ「痛い! 何するんデスか!」

(;^ω^)「死のうとしてた人間が何を言うかお」


ハハ;ロ -ロ)ハ「……何で」

ハハ ロ -ロ)ハ「なんで止めたんデスか……。ワタシにはもう、生きる希望なんて……」


(;^ω^)「…………」

( ^ω^)「あの、お名前は?」

ハハ ロ -ロ)ハ「……ハロー・サンです」

( ^ω^)「ではハローさん、単なる学生の僕には貴女の悩みを解決することは出来ないかもしれないですがお」

ハハ ロ -ロ)ハ「…………」

( ^ω^)「でも……話を聞くくらいは出来ますお。 良かったら話して下さいお、貴女をそこまで追い詰めた原因を」

ハハ ロ -ロ)ハ「……ハイ」


( ∵)「何とかハロー女史を思いとどまらせたブーン選手! 素晴らしい話術です!」

( ∴)「かつて幾度となくピッチを沸かせ『口先の魔術師』の異名をとった、往年のあの選手を思い出しますね」


( ∵)「さぁ橋の下に場所を移し話を聞くことになったブーン選手! 彼自身時間は無いはずだがこんなことをしていていいのかー!?」

( ∴)「女性の話は長いですからねー。これは相当な時間消費を覚悟するべきでしょう」

.

24 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:15:26 ID:drh8P1v20

ハハ ロ -ロ)ハ「……ワタシがこんなことになったのも、全てあの男が原因だったんデス」

( ^ω^)「……はい」


( ・∀・)「……」

( ´∀`)「……」

[02:39]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡「……」


( ∵)「審判団も手持ちぶさたな感じですねー」

( ∴)「女性の身の上話に男が辟易するのには時代も国境も関係ないということでしょう。まさしくサッカーのように」


~~~~~~~~


ハハ ロ -ロ)ハ「――――という訳で、ワタシは死を決意してこの橋まで来たところでアナタが来たのデス」

(;^ω^)「……はい」


( ∵)「さてハロー氏の話は要約すると『男に振られたから死ぬ』ということらしいですね」


(;・∀・)

(;´∀`)

[01:22]
∩ ∩
ミ;,゚Д゚彡


( ∵)「見て下さいアレ。待ちぼうけ喰らった審判団の周りには缶コーヒーの空き缶がピラミッド作れそうなくらいに転がってます」

( ∴)「まぁ春とはいえ今日は少し寒いですから。それにしてもまとめればたった一行なのに一時間以上話通しとは、まったく女性というのは複雑怪奇です」

( ∵)「さぁともあれ話を聞き終わったブーン選手、彼女にどんな言葉を投げかけるのか」

.

25 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:17:50 ID:drh8P1v20

( ^ω^)「……僕は、好きな人が居ますお。小さい頃からずっと一緒だった、いわゆる幼馴染って奴ですお」

( ^ω^)「ずっと、好きだったから。一度や二度振られたり殴られたくらいじゃあ諦めませんお」

( ^ω^)「でも、もしそれでも駄目だったら……三日三晩泣き明かした後、すっぱり気持ちを切り替えて新しい恋を探しますお」

( ^ω^)「だから、そう軽々しく命を捨てないで下さいお」


( ^ω^)「貴女が捨てようとした明日は、今日死んだ誰かがどうしても生きたかった明日なんですお」


ハハ ロ -ロ)ハ「…………!!」


ハハ ロ -ロ)ハ「……分かりまシタ。ワタシも、もう少し頑張って生きてみようと思いマス」


                    パス
( ∵)「……どうやら彼の心からの言葉は、ハロー女史に無事届いたようですね」

( ∴)「最後のセリフはねー。そこらの人ならともかく、彼が言うとやはり重みが違いますよ」

( ∵)「さぁ一人の女性の命を救ったブーン選手、しかし失った時間は大きい! ここからどう巻き返して行くのか!」

.

26 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 21:20:33 ID:drh8P1v20

( ・∀・)ピピッ!!

(;^ω^)「お?」

( ・∀・)ピッ!

[01:20]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡

(;^ω^)そ「そ、そうだったお! もうこんな時間じゃないかお!!」

(;^ω^)「ハローさん、すみませんが僕はちょっと急ぎの用事があるんで失礼しますお!」

ハハ;ロ -ロ)ハ「へ? でも、お礼にお食事くらい……」

(;^ω^)「お気持ちだけありがたく受け取っておきますお! では失敬!」ダッ

ハハ;ロ -ロ)ハ「あ、で、デハお名前だけ……!」

三⊂二二二(;^ω^)二⊃「内藤ホライゾン! ブーンで結構ですお!」ダダダダダ

ハハ ロ -ロ)ハ「内藤、ホライゾン……。ブーンさん……」


ハハ*ロ -ロ)ハ ポッ


( ∵)「おっとブーン選手、どうやら死亡フラグでない方のフラグをおっ立ててしまったようですね」

( ∴)「この一級フラグ建築士っぷり、ますますかつてのかの選手を彷彿とさせますね」

.


30 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:25:00 ID:drh8P1v20 [26/40]

三⊂二二二(;^ω^)二⊃「くうう、こんな時にとんでもない道草食っちまったお……!」ダダダダダ

三⊂二二二(;^ω^)二⊃「ただいまーだお!!」ガチャッ

                            ホーム
( ∵)「相変わらずの走りを見せ、今ブーン選手自宅に到着ー!」


(;・∀・)ハァハァ

(;´∀`)フゥフゥ

[01:18]
∩ ∩
ミ;,゚Д゚彡ゼェゼェ


( ∴)「審判団も息を上がらせながらやや遅れて到着しましたね。もっと身体を鍛えてほしいものです」

.

31 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:27:22 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「ってあれ、誰も居ないのかお……」

(;^ω^)「あ、そう言えば今日は平日だったお。トーチャンは仕事、カーチャンはパート。つーは春休みだけど部活があるんだっけ」

[01:17]
∩ ∩
ミ;,゚Д゚彡ゼヒュゼヒュ

(;^ω^)そ「で、でも待ってる時間は無いお! えーとえーと、遺言とかって遺しても大丈夫なのかお?」

(;・∀・))コクリ

( ^ω^)「え? いいけど死んだのが判明するまで見せるな? んじゃノートに書いて僕の机に置いておくお。ここなら普段は誰も見ないだろうし」


( ∵)「なんとブーン選手、主審の眼を見ただけで言わんとすることを読み取ったー!」

( ∴)「これは凄いですねー。ここまで審判団と意思疎通したプレイヤーはちょっと過去に例がありませんよ」


( ^ω^)φ「えーと、トーチャンとカーチャン、それにつー……先立つ不幸をお許しください……」カキカキ

.

32 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:29:11 ID:drh8P1v20


 ・ ・ ・ ・ ・ 


( ^ω^)φ「今まで育ててくれてありがとう、と……」カキ



(;^ω^)「ふぅ、終わったお。遺書ってこんなんで良かったんだろうかお?」

( ´∀`))コクン

( ・∀・)ピッ!

[00:59]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡


(;^ω^)「げ、もう一時間切ってるお!」

( ^ω^)「……まぁでも焦ることもないか。ツンと待ち合わせてる公園は電車で五分ちょっとの駅のすぐ前だし」


( ∵)「さぁこれからいよいよ幼馴染の女性の待つ公園に向かう訳ですが、ブーン選手比較的落ち着いていますね」

( ∴)「やることが決まっている余裕ですかね。しかし先程のようなアクシデントがいつ起きるやも知れません」

( ∵)「油断は禁物ということですね」

.

33 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/04/18(木) 23:32:20 ID:drh8P1v20




三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「ぬぅおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ドドドドド




三(;・∀・)タタタタ

三(;´∀`)タタタタ

  [00:49]
  ∩ ∩
三ミ;,゚Д゚彡タタタタ


三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「畜生、よりによってどうしてこんな時間の無い時に、電車が運休してるんだお!!」ダダダダダ


( ∵)「そりゃ列車が事故って死傷者まで出てるわけですからねー」

( ∴)「常識的に考えてこれで運休しないほうがおかしいですよ」

( ∵)「油断大敵、勝って兜の緒を締めよ。ブーン選手のみならず全てのプレイヤーに肝に銘じて欲しいところです」


三三三⊂二二二(;^ω^)二⊃「待ち合わせ場所まではあと3km以上……頼みの綱の自転車は途中でチェーンがぶっ千切れて使えなくなったし……」


( ∵)「自転車の整備不足ですねー。受験生活でほとんど外に出なかったのが災いしました」

34 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:35:22 ID:drh8P1v20

三三三⊂二二二(;^ω^)二⊃「どんなに走っても着くまでにはあと10分はかかるのは確実……。戻る時間も考慮すると……あぁもう、時間が無いお……!!」


三三三三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「イグニッション・ブーンストォォォオオオオオオオオ!!!!」ブ――――ン


( ∵)「おっとここで更に加速!! 今日一番の走りを見せています!!」

( ∴)「いやー、見事なオーバーラップです。ここで喪うにはまったく惜しい人材ですよ」

.

35 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:39:32 ID:drh8P1v20


(;・∀・)ゼヒゼヒ

(;´∀`)ハフハフ

[00:46]
∩ ∩
ミ;,゚Д゚彡ゲホゴホ


( ∵)「一方完全に置いてきぼりを喰らった審判団ですが」

( ∴)「これは仕方がないでしょう。今のブーン選手のスピードについていける審判の方が少ないと思います」



(;・∀・)バッ

キキッ!

( ,,^Д^)「ヘイお客さん、どちらまで?」


( ∵)「なんとタクシーを拾ったァ――っ!!」

( ∴)「ルール違反ではないですが、経費では落ちませんよ」

( ∵)「先に待ち合わせ場所という駅前公園に行くつもりのようです」


)))(;・∀・)(;´∀`)ミ;,゚Д゚彡ノリコミノリコミ


( ∵)「というか何故ブーン選手はタクシーを使わなかったんでしょうか」

( ∴)「それは彼が学生だからでしょう。普通の学生はなかなかタクシーを利用する機会がありませんから。焦りと相まって、そっちに頭が行かなかったのでしょうね」

( ∵)「これは若さが裏目に出た形ですかねー」

.

36 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:42:10 ID:drh8P1v20


三三三三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「うぬぉおおおおおおお……!!」ダダダダダ


ドンッ!


⊂二二二(;^ω^)二⊃そ「あっ!」キキキ


( ∵)「おっと! ここでブーン選手、誰かと接触してしまったようですが……!?」


(;^ω^)「すみません! 大丈夫で――」

从゚xナ从「ああん……?」ギロリ


( ∵)「あーっと、これは不味い!」

( ∴)「これは……どこからどう見ても、今日からヤの付く自由業の方ですね」

.

37 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:43:27 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「ひっ! いや、あの、本当に……」

从゚xナ从「あーあーあーっ。いてぇー、超痛てぇ。こりゃ折れてるわー。確実に骨折れてるわー」

(;^ω^)「え? いや、その……」

从゚xナ从「つー訳でニーチャン、ちょっと治療費と慰謝料よこせや、な? とりあえず有り金全部出せコラ」


( ∵)「そして流れるような恐喝ぅ――っ!」

( ∴)「今時ここまでテンプレートなのは逆に珍しいですね。しかし如何せん時間が時間です」

( ∵)「このピンチにどう対処するかブーン選手ーっ!!」

.

39 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:45:09 ID:drh8P1v20


(;^ω^)

このままでは じかんが なくなってしまう!

どうしますか?

・たたかう

・げざる

イア [にげる]
       ピロン♪

.

40 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:47:56 ID:drh8P1v20


三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「本当にごめんなさいでしたぁぁぁぁぁぁっ!!!」ダッ!!


从#゚xナ从「なっ! テメェ待てコラ!!」

三三三⊂二二二(;^ω^)二⊃「待てと言われて待つアホが何処の世界にいるってんだお!!」ダダダダダ

从#゚xナ从「チッ、ナメやがって……!」


从#゚xナ从っ┏ チャッ


( ∵)「そして懐から取り出しますは黒光りするまごうことなき拳銃ーッ!!」

( ∴)「ベレッタM92ですね。口径がそう大きいわけではありませんが当たれば当然致命傷も充分あり得ますよ」


三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「ええええええええええ!? ウソぉ!? ピストルぅぅぅぅうううう!!?」


从#゚xナ从っ┏そ パァンパァン!!


―――――――――――・ ヒュン

三三三三三⊂二二二(;゚ω゚)二⊃「いやぁぁぁぁぁぁ死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!!!」タンタタン

―――――――――・ ヒュンッ


( ∵)「巧みなステップで銃弾を避ける避ける避けるゥ――っ!!」

( ∴)「いやー、実に素晴らしい足捌きです。全盛期のロナウジーニョの神がかりなフェイントを思い起こさせますね」

.

41 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:50:22 ID:drh8P1v20



~(;´ω`)「や……やっと着いたお……。なんか五時間くらいかかった気分だお……」ゼェゼェ



( ∵)「さぁブーン選手、なんとか職業ナンバー893の方をまいて、ようやく目的地の公園に到着したようです」


( ・∀・)

( ´∀`)

[00:28]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡


( ∵)「審判団も既に到着しているようですね」

( ∴)「さりげにちゃっかりと先ほどのタクシーの領収書も貰ってあるようですが、経費では落ちませんよ」


( ∵)「さて、残された時間はもう多くありません。これが彼のラストプレイとなるでしょうね」

( ∴)「ここから彼が最後にどのようなドラマを紡ぎだすのか。もはや結末は神のみぞ知るところです」

.

42 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:52:18 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「…………」

ξ(  ξ「…………」ゴゴゴゴゴ

(;´ω`)(ふぁ、ファイトー、僕……)

ξ(  ξ「…………」ゴゴゴゴゴ


(;^ω^)ノ「…………お、おいすー、ツン……」


Σξ(  ξ「!」

⊂ξ゚⊿゚)ξ クルッ


(;^ω^)「…………」


ξ゚⊿゚)ξ「…………」

.

43 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:54:38 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「あ、あのツン、遅れてごm」

ξ#゚⊿゚)ξ「ブーン!! 何やってたのよこんな時間まで!!!」

(;^ω^)「い、いや、その、話せば長いんだけd」

ξ#゚⊿゚)ξ「三時間よ三時間!! 待ち合わせ予定の時間から三時間!! しかも連絡はメール一通って何よ!!」

(;^ω^)「ツン、ちょっと僕の話をk」

ξ#゚⊿゚)ξ「しかも内容は『少し遅れる』だけ!! その後電話してもメールしても全然音沙汰なし!!」

(;^ω^)「えと、携帯とか見てる余裕g」

ξ#゚⊿゚)ξ「それで何時ブーンが来るか分からないから三時間ずっと公園で待ちぼうけ!! 春とは言えまだ寒いこの時期に!!」


( ∵)「物凄い怒りようですねー」

( ∴)「まぁ仕方ありませんね。いかなる理由があろうと紳士たるもの女性を待たせるのはいただけません」

.

44 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:56:31 ID:drh8P1v20

(;^ω^)「だから! 僕も色々とあったんだお!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「色々って何よ!!」

(;^ω^)「だから話せば長いんだけど、まず僕は死んで――」

( ・∀・)「!」ピピピッ!!


( ∵)「おっと! 自分が死んでしまった事を口にしたブーン選手に主審のホイッスル! ここはカードが出てしまうかー!?」

( ∴)「これは間違いなく出るでしょうねー」


(;^ω^)「お? あっ! いや、今のは間違っ……!!」

( ・∀・)つ□ ビッ!


( ∵)「出てしまったァ――ッ! ブーン選手にイエローカードォ――ッ!!」
       イエロー                            レッドカード
( ∴)「いや、これはまだ幸運な方ですよ。主審の判断如何では一発退場もあり得る場面でした」


(;^ω^)「いや、だから今のはついうっかり……!!」

⊂( -∀-) フルフル

ξ;゚⊿゚)ξ「…………」

ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタ、さっきから一人でなに小芝居してんのよ」

45 :名も無きAAのようです:2013/04/18(木) 23:58:07 ID:drh8P1v20

ξ゚⊿゚)ξ「…………」


ξ-⊿-)ξ「……もういいわ。アンタにとって、今日の約束はその程度の事だったのね」


(;^ω^)そ「えっ!? いや、違うんだおツン!!」

ξ ⊿ )ξ「私は半年ぶりにブーンと逢えると思って、今日が来るのをすごくすごく楽しみにしてたのに……」

(;^ω^)「ツン!! 僕の話をっ……!!」

ξ ⊿ )ξ「……じゃあね」


(;^ω^)「――――ッ!」


(;^ω^)つ バッ!!


ξ; - )ξ「あっ……」グイッ



ξ;゚(   )ギュッ...



( ∵)「ブーン選手強引なハグ――ッ!!」

( ∴)「いいですねー、プレーヤーには時としてこういった強引さも必要です」

.

46 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:00:20 ID:NMy8DvaM0


ξ;゚///)ξ「ぶ、ブーン……」


(  ω )「待たせたのは本当に申し訳なかったお。でも、それをちゃんと謝る時間すら今の僕には無いんだお。だから――――」


( ^ω^)「――――僕の話を聞いてくれるかお、ツン?」


ξ;゚///)ξ「…………」



ξ*゚ー゚)ξ「……うん」


.

47 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:02:17 ID:NMy8DvaM0


( ・∀・)

( ´∀`)

[00:17]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡



( ^ω^)


ξ゚ー゚)ξ



( ∵)「さぁ公園のブランコに腰掛けた二人です」

( ∴)「こう、なんて言うか……青春ですねー……」

.

48 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:04:57 ID:NMy8DvaM0

( ^ω^)「昔はよくふたりで公園で遊んだおね」キィ...キィ...

ξ゚ー゚)ξ「ええ。あんたそそっかしいから走り回ってはよく転んで怪我してたわよね」キィ...

( ^ω^)「で、そのたんびに泣きながらツンに絆創膏貼って貰ったっけ」

ξ゚ー゚)ξ「おかげでウチの絆創膏の消費の速さったらなかったわ」

( ^ω^)「ホント、あの頃はツンには迷惑かけっぱなしだったお」

ξ-⊿゚)ξ「今でも、でしょ?」

(*^ω^)「おっおっおwww違いないおwwww」

ξ*゚ー゚)ξ「まったくもう……」



( ^ω^)「…………」


ξ゚⊿゚)ξ「…………」


( ^ω^)「……ツン、大事な話があるんだお」


ξ゚⊿゚)ξ「…………うん」

.

49 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:07:28 ID:NMy8DvaM0


( ^ω^)「最初に言っておくお。これは僕の自己満足なんだお」


ξ゚-゚)ξ「…………?」


( ^ω^)「言った後で、僕が何をしてあげられるか。……きっと何もしてあげられないお。もしかしたら、後々ツンの心に大きな傷跡を残す可能性だってあるお」


( ^ω^)「今から僕が言おうとしてるのは、そんな独善的な言葉なんだお。今は意味が分からないかもしれないけど、きっと分かる時が来るお。それもそう遠くない内に」


(  ω )「それでも…………聞いてくれるかお?」


ξ゚-゚)ξ「…………」



ξ゚ー゚)ξ「……馬鹿ね、聞くに決まってるでしょ。当たり前じゃない」



( ^ω^)「!」

.

50 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:09:12 ID:NMy8DvaM0


ξ゚ー゚)ξ「あんたに今『何か特別な事情』があるのは見てれば分かるわ。その上で私はブーンの話を聞く。どんな話だろうと、聞いたことで後悔なんて絶対にしない」


ξ゚ー゚)ξ「他ならぬ……大切な『幼馴染』が話すことですもの」


(  ω )「…………ありがとうだお」


ξ゚ー゚)ξ「馬鹿、いいから言いなさい。あんまり時間無いんでしょ?」


( ^ω^)「…………だお」


                ・ ・ ・ ・ ・
( ^ω^)「じゃ、ツン……もう二度と言わないからよく聞いてくれお」



( ^ω^)「僕は――――」



(  ω )「僕はッ…………」


.

51 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:11:05 ID:NMy8DvaM0



ξ゚⊿゚)ξ「…………」



(  ω )「………………」




( ^ω^)「――――――僕は、ツンのことが好きだお」




ξ゚⊿゚)ξ「………………」




ξ*゚ー゚)ξ「…………ありがとう。私も、ブーンのことが好き」




( ^ω^)「…………ツン」



ξ*゚ー゚)ξ「ブーン……」


.

52 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:12:53 ID:NMy8DvaM0



( ^ω^)

ξ*゚ー゚)ξ





ξ (   ) チュッ...






.

54 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:15:15 ID:NMy8DvaM0



( う∀;)


( 。´∀`)


[00:12]
∩ ∩
ミ,,;Д;彡



( ∵)「…………いい、話ですね……」


( ∴)「ええ……、本当に」


.

55 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:17:19 ID:NMy8DvaM0


( ^ω^)「…………じゃあツン、僕はこれから行かないといけない所があるから……」


ξ゚ー゚)ξ「……うん。気をつけてね」


( ^ω^)「それじゃ……さよならだお」


(  ω )「…………」


ξ゚ー゚)ξ「……ねぇ、ブーン」


( ^ω^)「……なんだお?」



ξ゚ー゚)ξ「今日は、人生最高の日だった」



( ^ω^)「…………うん。僕もだお」


.

56 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:19:35 ID:NMy8DvaM0





ξ゚ー゚)ξ「……ブーンは行ったわね」





ξ゚-゚)ξ「さて、と。私もそろそろいかなきゃな」





.

58 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:22:16 ID:NMy8DvaM0


( ・∀・)

( ´∀`)

[00:01]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡


( ^ω^)「…………」


( ∵)「さぁ元の電車の車両に戻り、もう少しで試合終了のホイッスルと共に彼のアディショナル・タイムが終わろうとしています」

( ∴)「彼もまたピッチに見事な物語を描き出してくれました。私はただ賛辞を送るのみです。『素晴らしいファンタジスタであった』、と」



(  ω )「……そう悪くもない人生だったお」



( ^ω^)「…………そうだおね、ツン……?」




[00:00]
∩ ∩
ミ,,゚Д゚彡



  ピ  ッ  ピ  ッ  ピ  ――――  ッ





.

59 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:25:04 ID:NMy8DvaM0



ξ ー )ξ「……ブーン、あんたは昔からそうだったわよね」


ξ ー )ξ「ドジで、泣き虫で、底抜けに優しくて、ウソや隠し事がもの凄く下手で」


ξ ー )ξ「あんたがウソや隠し事をするのは決まって誰かのため。けどいつもバレバレで、全然意味がなかった」


ξ ー )ξ「あんたが審判とカードで揉めてるの見た時は、心臓が止まるかと思うくらいびっくりしたよ」


ξ ー )ξ「その点、私はこれでも女だからね。ウソや隠し事なんてお手のものよ」


ξ ー )ξ「もともと物陰に居た『私の方のあの人達』には、とっさに隠れてもらって……」


ξ ー )ξ「ね? 私、ちゃんと『いつもの私』出来てたよね」

.

60 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:27:11 ID:NMy8DvaM0


ξ ー )ξ「……だって、本当の事を知ったら、あんた絶対に泣いちゃうでしょう?」


ξ ー )ξ「いつも笑ってるブーンが好きで。ブーンの笑顔がなにより大好きだったから」


ξ ー )ξ「最後くらい、お互いに笑顔でいたいじゃない」


ξ ー )ξ「けど……告白、嬉しかったのは本当だよ」





ξ;ー;)ξ「出来れば…………もっと、ずっと、ふたりで一緒に居たかったのになぁ……」





.

61 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:29:08 ID:NMy8DvaM0






  ピ  ッ  ピ  ッ  ピ  ――――  ッ







.

64 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:31:58 ID:NMy8DvaM0



……――――次のニュースです。



今日午前、死者五名・重軽傷者十七名を出したシタラバ鉄道・ソーサク線での列車脱線事故の続報です。


発見された遺体の内、先頭車両に乗っていた男性と三両目に乗っていた女性の二名の身元が新たに確認されました。


新たに身元が確認されたのはVIP市在住の男性・内藤ホライゾンさん十九歳と、同じくVIP市在住の女性・津出ツンさん十九歳の二名です。



警察は残る遺体の身元の確認を急ぐとともに事故原因の詳しい分析を――――……。



.

65 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:34:00 ID:NMy8DvaM0



( ^ω^)アディショナル:タイム:ライフのようです


            -了-


.






70 :名も無きAAのようです:2013/04/19(金) 00:46:30 ID:NMy8DvaM0
以上で終了です。

ブーンが誕生日だったそうなので記念として昔嘘予告スレで投下した奴を短編化しました。
けっこう前だったのに嘘予告の奴を覚えてる人がいておにーさん嬉ションしそう。

分かっている人も多いでしょうが一応言うと、これは2008年のドラマ『ロス:タイム:ライフ』から設定を借用しています。
最初に書いておけば良かったんですが、すっかり忘れててタイミングを見失ってしまいました。
元ネタありが嫌いな人にはすいませんでした。

ともあれあのドラマは本当に面白かったので、未視聴の方は是非DVDレンタルしてみてください。
既に見た方もだいぶ忘れてると思うのでこの機会に見直すのも良いんじゃないかと。
たぶん旧作価格でお手頃でしょうし。
[ 2013/09/20 22:22 ] スレ立て短編 | TB(0) | CM(2)

あれ、序盤のレス抜けてない?
[ 2013/09/29 22:45 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> あれ、序盤のレス抜けてない?

前半分の投下分がまるっとぬけていたので、対応しました。
指摘ありがとうございました。
[ 2013/09/30 13:55 ] [ 編集 ]

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