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( ,,゚Д゚)ギコが生ける屍の謎に挑むようです 第二夜(閲覧注意)

第一夜はこちら



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:28:19.92 ID:2Z7u5ZfVO



「畜生!!」


腕に付けられた拘束具はどれだけ力を入れようともビクともしない。

円形のテーブルに五人。


血生臭いが鼻を刺す。


こんなことになるなら、あの子の言うことを聞いておくべきだったのか?


ただもう遅い。


唯一残った耳で捉えられるのは、いつまでも終わる気配を見せない呪咀の声と、俺達五人の周りを歩く静かな足音だけだった。



( ,,゚Д゚)ギコが生ける屍の謎に挑むようです



第二夜~~謎の少女と五人の贄~~





9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:29:11.15 ID:2Z7u5ZfVO



次の日、俺達の朝は早かった。


(*゚ー゚)『ギコ君、おはよう』


( ,,ーДー)「あぁ……おはよう」


(*゚ー゚)『昨日はだいぶ疲れてたみたいだけど、良く眠れた?』


「ああ、ぐっすりだ」


嘘だった。ぐっすりなんて眠れるわけがない。


昨日のしいの話がいつまでも頭から抜けてくれなかった。




11 名前:>>10 やったー!!ありがとうございます!!!!:2008/11/07(金) 01:31:48.04 ID:2Z7u5ZfVO



昨日感じた、俺の中に何かがいるような感覚。


しいと、しいのお母さんの不自然な様子。


そして、未完成の“生き人形”。


なにかが起きている。俺の周囲で、きっと良くないなにかが。


昨日、しいは随分遅くまで人形の話を俺に聞かせた。


『だからね、その人形は今でもずっと泣いてるんだって』


『おめめが痛いよ、おめめが痛いよ、ってね』


『でも、結局彼女が完成することはなかった。お母さんがいなくなっちゃったからね』


『それで、村人は人形をどう処分するかでだいぶ頭を悩ましたみたい』


『でも結局、その人形が封印されることはなかった』


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:43:00.55 ID:2Z7u5ZfVO





『もともと貧しい村だったから、そういう類に疎かったみたい』


『それから千数百年。ついに来たのよ、その人形を封印する日がね』


『私はソレが見たいの』



「なぁ、しい。一つだけ聞いてみていいか?」


『うん、なにかな?』


「どうしてその尼は生き人形を作ろうなんて思ったのかな?
所詮は人形なんだろ?それなのに、人の命を奪ってまで生き人形なんか……」





13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:44:13.45 ID:2Z7u5ZfVO




しいのその時の顔を、俺は忘れることができないでいた。

パチパチと瞼を動かし、さも当然のようにこう言った。




















『そんなのきまってるじゃんw愛してたからだよw』


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:44:53.32 ID:2Z7u5ZfVO



( ,,゚Д゚)「はぁ……」


(*゚ー゚)「どうする?ギコ君。どこから観光しようか?」


しいは無邪気に尋ねてくる。


( ,,゚Д゚)「N県って言えば寺社仏閣が有名だからな」

(*゚ー゚)『とりあえずT寺あたりに行ってみる?』


( ,,゚Д゚)「そう、だな」

T寺と言うのはN県で最もポピュラーな観光地だ。


( ,,゚Д゚)「確か市内からならすぐだろ、行ってみるか」


(*^ー^)「うん」


何もない町、それが俺の第一印象。

まぁ良く言えば古き良き町並みといったところだろう。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:46:07.84 ID:2Z7u5ZfVO



(*゚ο゚)「見て!見て!ギコ君!!すっごくおっきいよ」

( ,,゚Д゚)「ああ……」


景色が頭に入ってこない。目から脳にまで伝わらない。

(*゚ー゚)「うわぁ、あんな狭いところよく潜れるよね」

( ,,゚Д゚)「ああ」


しいの発言に何十回目かの相槌をうった時、俺の視界に一人の少女が映った。



川 ゚ -゚)「……」



( ,,゚Д゚)「………」


起きて初めて人の顔を見た気がする。

年齢は小学生くらいだろうか。腰元まである黒い髪はどこか昔の日本の女性を思い出させる。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:47:20.14 ID:2Z7u5ZfVO



( ,,゚Д゚)「しい、喉渇かないか?」


(*゚ー゚)「えっ?あっ、うん。ちょっとはしゃぎすぎちゃったから凄く渇いてる」


( ,,゚Д゚)「じゃあ俺が買ってきてやるよ」


(*^ー^)「うん!!私お茶ね!!!」


( ,,゚Д゚)「わかった」



さっき見た少女が何故か気になった。


しいには何も告げず、俺は彼女がさっきまでいた場所へと急ぐ。


黒髪の少女はすぐに見付かった。


人混みから離れ、一人ぽつんと、悲しそうな表情で佇んでいた。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:48:26.30 ID:2Z7u5ZfVO



川 ゚ -゚)『………』


( ,,゚Д゚)「………」


声が出ない、声帯が震えてくれない。


俺はこの子と話をする必要がある。


この子は何かを知っている。












       『帰れ』


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:49:32.74 ID:2Z7u5ZfVO



心臓が止まったかと思った。


( ,,゚Д゚)「………」


川 ゚ -゚)『帰れ、まだ間に合う』


身体に響くような声色。身の丈に合わぬ声質に言葉を失った。


なにより




「何時の間に、後ろに……」


彼女を見ていた、動く気配など微塵も見せていなかったのだ。




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:51:01.32 ID:2Z7u5ZfVO




川 ゚ -゚)『お前はまだ間に合う、帰れ』


( ,,゚Д゚)「………」


この少女は何を知っているというのだろう。


声はまだ出なかった。



川 ゚ -゚)『あやつは……同じ過ちを繰り返そうとしておる』



頭がガンガンと音をたてて鳴る。

頭蓋骨が軋むような痛みに目を伏せる。


それでも


それでも俺は聞かなきゃならない。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 01:53:59.10 ID:2Z7u5ZfVO



(#,,ーД゚)「……あやつって誰のことだ」


『悲しい女、孤独な女、死してなお生き続ける“生ける屍”』



夢で見た“あの顔”が蘇る。


狂気に満ちた瞳、嬉しさに釣り上がった唇、顔を思い出すことは出来ないのに、その一部一部ははっきりと思い出せる。


アイツはどんな顔をしてた?


どんな顔をしながら屍の山に立っていた?


思い出せない、いや、思い出すことを脳が拒絶しているような、そんな感覚。





22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:00:06.50 ID:2Z7u5ZfVO



『ヒトとヒトを繋ぎ合わせ、一人のヒトを作る』



『ソレは悲しい罪。許される事の無い深き業』



『それでも女はヒトを喰らった』



『己が欲のために幾人も』


『そして女の足元には屍の山が出来た』



『その屍が天にも達し、遂に自分の念願が叶うかという時、女は気付いた』



『我が子は既にヒト在らざるモノに成っているという事に』


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:01:41.99 ID:2Z7u5ZfVO



『その時女は、今まで自分のしてきたことを振り返り、幾多の屍の上で………』
























川 ∀ )『ドンナ顔ヲシテタト思フ』


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:06:24.31 ID:2Z7u5ZfVO



意識が遠退いていった。


途中、あの少女の声が聞こえた。



『良いか、決して目を開けるな。決して開けず、そして背けず、お前はそうする必要がある』





俺が再び気付いた時、さっきまでいた少女は雨露の如く消え去っていた。


時間にして五分、今の出来事の真偽さえ分からぬ俺は急いでしいの元に向かった。

途中、あの少女の最後に見た笑顔が思い出される。どこかで見た顔、記憶の端に引っ掛かっている彼女の笑顔。




俺は結局最後までソレを思い出すことが出来なかった。


しいのお茶を買うのを忘れているのに気付いたのは、彼女が手を振っている顔を見たときだった。


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:07:29.54 ID:2Z7u5ZfVO




(*゚ー゚)『ギコ君、そろそろ着くよ』

( ,,゚Д゚)「ああ」



N駅から電車に揺られ十五分。

そこで一度電車を乗り換え、再び一時間。


俺達が着いたのは、この世の終わりのような、寂れた駅だった。

(*^ー^)「ふぅ、結構時間掛かったね」


( ,,゚Д゚)「ああ」

周りを見渡す、山、山、山。
それ以外にはなにも見えない。

駅前でこれだ。一体どれほど田舎なんだ。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:10:45.42 ID:2Z7u5ZfVO

( ,,゚Д゚)「なんもねぇな」


(*゚ー゚)「本当だねー。雰囲気あるなぁ」


雰囲気、確かに。時間を確かめる、まだ時計の短針は四時を指していた。



( ,,゚Д゚)「暗いな」

周りを木々に覆われたこの駅は、まだ夕方だというのに酷く暗かった。


(*゚ー゚)「ギコ君、民宿あっちだって」

( ,,゚Д゚)「わかった」

ヒョコヒョコ飛び跳ねるしいの、三歩後ろをはぐれないように歩いていった。


途中小さな水子地蔵を見た。その周りを包むようにして、彼岸花が哀しげに揺れているのが心に強く残ってる。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:14:12.55 ID:2Z7u5ZfVO




「予約していたギコです」


『はーい、お待ちしておりました』


民宿と言われて、ボロ屋敷のようなものを想像していたが、そこはこざっぱりとした旅館のようだった。


なにやら騒がしい、ゴールデンウィークで他にもお客がいるのか。

こんな寂れたところに、物好きな奴もいたもんだ。

女将さんは予想外の繁盛に機嫌がいいのか、ニコニコと対応してくれた。


『すいませんねぇ。いつもはガラガラなんですけど、今日は三組も予約が入っておりまして』


「構いませんよ、家族連れですか?」


『いいえー、それが不思議なことに三組ともお一人での旅行なんですよ。こんな田舎にどうしたんですかねぇ。聞いても“別に”としか答えてくれなくて』


「はぁ……」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:15:21.22 ID:2Z7u5ZfVO



『ではお部屋の準備が整うまでの間、そちらの居間でお待ちください。他のお客様もおられますよ』


「ああ、ありがとうございます」

女将が部屋にいこうとしてチラリと振り返った。


『お客様はどんな目的で?』
















「………別に」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:22:33.97 ID:2Z7u5ZfVO



居間にしいの姿を見つけるとその隣に座った。


( ´∀`)『………』


( ・∀・)『………』


从 ゚∀从『………』


そして、他に三人。



( ´∀`)『こんにちはモナ』


( ,,゚Д゚)「……こんにちは」


一人は中肉中背、短髪の黒髪。いかにもサラリーマンです、という日本人の典型のような風貌。


旅行中だというのに、随分とラフな格好をしている。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:23:08.29 ID:2Z7u5ZfVO



( ´∀`)『こちらにはどのような御用で?』


馴々しい男の態度に怪訝の表情を浮かべた。


( ´∀`)『そんな恐い顔しないで下さいモナ。ただの世間話ですモナ。それに……』


( ・∀・)『君達の目的と僕達の目的が一緒かもしれないからね』


こちらの男は随分と細身だ、狡猾そうな口に金色に染められた頭髪。


从 ゚∀从『そういう事だ。お前等、なにしにこんな糞田舎まで来た?』

そしてヤンキー風の女。


この女の質問。

「………」






33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:24:43.57 ID:2Z7u5ZfVO



どうやらこの三人には共通の目的があるらしい。


それがなんなのか、はっきり分かる。


しかし、口にして良いものかと思案していると












(*^ー^)『生き人形を見に来たんです』


しいが代わりに言った。



三人は、やはりと顔を見合わせていた。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:26:27.97 ID:2Z7u5ZfVO




そこから俺はまるで邪魔者扱いだ。


しい、そしてリーマン男、金髪、ヤンキー女はなんとも楽しそうに、生き人形がどうだ、呪いがなんだと話に花を咲かせている。



それはまるで何かに憑かれているかのようだった。


しいをその場において、俺は部屋へと上がった。




( ,,ーДー)「ふぅ、今日も疲れた」


まだ午後六時。夕飯も食べてないというのに、どっと疲れてしまった。


しいのオカルト好きもここまでくると異常だな。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 02:30:23.46 ID:2Z7u5ZfVO



今日会った少女は、一体何を伝えたかったんだろう。

どうでもいい。


なんでもいい。


子供の言うことに振り回されるなんて、俺らしくもない。

そう思っていた。















何もない部屋、机と化粧台だけが置かれたただっぴろい部屋に佇む、あの少女の姿を認めるまで。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 06:46:28.04 ID:2Z7u5ZfVO



川 ゚ -゚)『………』



「……どこから入った?」


尋ねても、少女は答えない。



「……じゃあ良い。質問をかえる。あの時俺に言ったのは何だったんだ?」


『……目だ。ヤツは目を探している』



まただ。少女の声はひどくがしゃれた老婆のようだった。



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 06:47:18.72 ID:2Z7u5ZfVO


『気を付けろ、決して見るな、決して開くな』



『一晩、耐え抜け』



『良いか、なにがあっても決して開くな』



( ,,゚Дー)「お前……一体なにもんだ?」



『そこに何かがいると思ったら、目を閉じろ』



『それがヒトなら、きっと見えなくなるだろう』


頭痛がまたひどくなっていく。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 06:48:08.23 ID:2Z7u5ZfVO



―――だが


――それがヒト在らざるモノならば



痛みに耐え切れず目を閉じた。













川 ゚∀゚)『奴等はきっと笑ってる』


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 06:50:52.33 ID:2Z7u5ZfVO

( ,,゚Д゚)ギコが生ける屍の謎に挑むようです 


第二夜~~謎の少女と五人の贄~~










第三夜はこちら

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