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lw´‐ _‐ノv退廃ザレゴトガールのようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:20:33.88 ID:EcOdzT12O

何かが起こったから物語が始まるわけでは、決して無く。
くだらないけどもそれなりに気に入った生活。
ただ、その平々凡々とした日常は最初から少しズレていただけ。
時の経過と供に歪んだそれには。
止める術など、有り得る筈が無い。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:25:57.93 ID:EcOdzT12O

『君は嘘つきだね』

昔からよく言われた、それこそ毎日のように。 いや、実際に毎日言われていたのかもしれないが、小さい頃の事なので記憶が曖昧だ。
まあ、人格形成においては言われた回数には特に問題はなく、むしろ言われたという事実が問題なのであろう。
それはともかく、嘘つきの意味を全くと言っていい程、ど理解していなかった私は何をどう曲解したのかそれを誉め言葉と受け取り、笑顔で「うん!」と答えていた。
今、思うとなんとまあ愚かな子供だ。
しかしながら人間という矮小な存在は、否応なしに生物としての簡略化された進化を遂げていくものである。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:28:53.26 ID:EcOdzT12O

多少なりとも例外を含むものの、生憎と私は例に漏れず成長と言う体のいい名を被った、劣化を果たし他人の悪意に聡い子となった。 と、言う訳で、時が経つにつれて卑屈になっていった私。
そんな私の奇怪で愉快に不愉快な、一日が幕を開けるのだ。
・・・嘘だけど。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:32:03.72 ID:EcOdzT12O

良くも悪くも人間というものは己の正当性を常に求めている為、徒党を組むのだ。
しかしながら、その徒党に属さない異端に対しては徹底的に差別し、拒絶し、侮蔑する。
自分を正しいと思いこませる事が出来ない要素は全て排斥するとは、なんとまあ幼稚な事か。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:37:02.85 ID:EcOdzT12O

そんな強がりを言ったところで、私が学校という閉塞感に包まれた不気味で素朴で排他的に壊れた空間で、
ゴミ屑のように虐げられ、
塵芥もかくやと凌辱され、
ボロ雑巾の如く迫害され、
消し炭も然も有りなんといった具合に嘲笑され、
吐瀉物をも凌駕しうる嫌悪を与えられ、
汚物を駆逐するという大義名分の下、精神と肉体の尊厳を究極的なまでに踏みにじられていた、その事実は覆るはずもなく。
私が不登校になったのは、至極当たり前であり、当然で必然の事だろう。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:40:32.38 ID:EcOdzT12O

しかし、勉学だけは人一倍出来たのでそれなりの高校に進学するのだろうと、十把一絡げな教師陣に期待はされていたようだ。
当然、捻くれ者がそれに答える事もなく私は学生から中卒フリーターへとジョブチェンジした。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:42:31.16 ID:EcOdzT12O

閑話休題。
そんな私を疎ましく思ったのか、一つ年下の妹にまで嫌悪されている。
私としては痛くも痒くも無いのだが、家族間の不仲を良しとしない大黒柱に命じられ、今現在、嫌がる妹と共に銭湯へと足を運んでいるのであった。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:46:12.37 ID:EcOdzT12O

なんでも、人間関係というものは一緒に風呂に入り腹を割って話せば解決する。 という持論を、我が家の家長は持っていたのだ。
妹は渋々と了解しながらも、銭湯に着いた途端、絶対に入って来るなと厳重に命じ一人暖簾をくぐっていった。
先程、湯浴みを終えたばかりの身からすれば二度も下着を変える必要性が無くなり、願ったり叶ったりである。
マッサージチェアに腰掛けながら、そういえば妹はフルーツ牛乳が好きだったなあ、などと思いながら目を閉じた。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:50:11.31 ID:EcOdzT12O

また、うるさい妹のくぐもった声が薄汚れ色褪せた、黄色い畳から響いた。
つらつらと流れる星の様に、流麗で可憐にして艶やかな音。
ゆっくり、ただゆっくりと脳髄に染み渡り破壊の限りを尽くすそれは、僕の、いや、俺、いや私の頭蓋内に存在する事を許されている、生命の維持に必要な器官を凌辱した。
その虐殺に対する答えは一つしかあらず、故に、私いや、僕いや、俺の声帯の振動による空気が揺れる事で発生される返答と称す、音波は――――



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:53:47.55 ID:EcOdzT12O

いつの間にか、眠っていたらしい。
唐突に、それこそ有り得ない程自然に、脚部に疼痛を感じた。
目を開くと入浴により血行が促進された結果、頬を朱色に染めた妹が見事なローキックを連続で決めていた。
痛みはあまりないものの、寝起きにこれ以上蹴られるのは極めて不愉快だ。
そう感じた私は直ぐさま立ち上がり、妹に帰宅の是非を問うた。



16 名前: ◆cAY7OLxMdQ :2009/08/21(金) 23:56:16.57 ID:EcOdzT12O

無言、無表情ながらも僅かに了承の意を感じ取った私は、フルーツ牛乳を購入し妹に手渡す。
多少訝しげな目で見られたが、気にしないでと一言伝えると妹は優雅な、どこか気品に溢れる流麗な仕種を持ってそれを飲み干した。
我が妹ながら中々の飲みっぷりである。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:57:56.47 ID:EcOdzT12O

差し当たり、今のところ他に特筆すべき事は微塵にも無い。
強いてあげるとするのならば、妹の私に対する態度が多少は――と言っても、距離にしておよそ1ミクロン程だが――緩和された事だろうか。
フルーツ牛乳も馬鹿にならないと体感した次第である。



19 名前: ◆cAY7OLxMdQ :2009/08/22(土) 00:00:45.35 ID:j5pyzGqdO

黄昏れ時の帰り道を妹と二人で歩く。
誰もいないこの橙色の世界は、ちっぽけで狭かった。
ぽやぽやと前を歩く妹は、時折こちらをちらちらと振り向く。
どうしたの? なんて、声をかけてみても。
ぷいと、そっぽを向かれただけだった。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:04:04.54 ID:EcOdzT12O

我が家まで後少し。
と、いった辺りで、突然、先を行く妹が立ち止まった。
そのまま、華麗にくるりとこちらに向き合うように回った。
そして、じっと顔を見つめられる。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:05:12.19 ID:j5pyzGqdO

五分、十分、十五分。
永遠ともとれる時間が過ぎ去った気がした。
やがて、妹はその口を開き。
私を混乱させるには十分な言葉を、零した。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:10:10.80 ID:j5pyzGqdO

さて、退っ引きならない状況になってきたのだが、一体どうしようか?
自問自答は止めどなく溢れる鮮血の様に。
薄闇に染まった玄関で、一人唸る。
先程、妹から夕食後に部屋に来いと仰せ付かったのだ。
妹の私に対する態度の基本姿勢は、こちらから働き掛けない限り完璧なまでの無視なので今まで、そのような事は一度もない。
それなのに突然の呼び出しとは驚異の、驚嘆の極みである。
とにかく、こんなところで思考を回していても良い案が出ないのは、蟻喰いが蟻塚を壊す際、その強靭な爪を用いて、己程ある土の塊を一撃一撃、渾身の力を込めて破壊する如く明白である。 さもなくば、蟻喰いは自らが生きる為に必要不可欠な栄養を摂取出来なくなってしまう。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:13:37.02 ID:j5pyzGqdO

ならば、と自室に移動したが、当然変わるはずもない。
だが、少しは混乱が落ち着いたので良しとしよう。
と、母が私を呼ぶ声がした。 もう夕食が出来たのか。 いや、私の混乱が長すぎたのであろう。 時計を見ると、先程から一時間程経っていた。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:17:13.31 ID:j5pyzGqdO

――――妹の様子を見ながら料理を咀嚼する。
普段と変わる事なく、料理を口に運んでいる様だ。
動揺を押し隠せず、先程から料理を無様に取りこぼしてばかりいる私の身からすれば羨ましい限り。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:19:39.55 ID:j5pyzGqdO

どうやら妹の栄養摂取は滞り無く終了したようで、私に一睨みくれるとそのまま自室へと向かったようだ。

・・・落ち着け、私。 相手は妹だ。 別に取って食われる事はない。
深呼吸を数回。 と、母にどつかれた。 そういえばまだ、私は食事中であった。 これ以上、母に迷惑をかける訳にはいかない。
早々に、食事を終了する意を伝えると、母の返事も聞かず自が部屋へ。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:22:08.29 ID:j5pyzGqdO

そしてまた、深呼吸。
妹がなんの為に私を呼んだのか。
夕食前に脳が茹だる程推考しても、なお答が出ない問題を今更考えても無駄であろう。
ならば、覚悟を決めるしかあるまい。

お前はあの子のなんだ?
姉だ。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:26:11.09 ID:j5pyzGqdO

だったら、何があろうと最後まで話を聞いてやれ。
自身を鼓舞し、奮い立たせる。
いざ行かん、我が妹の部屋へ。
たかが、妹からの用を問うぐらいで何を大袈裟な。
普段の冷静な私はこう思っただろう。
しかし、家長の命で妹と共に行った浴場からの帰りの出来事、妹が自らこの私に接触を謀ろうとすることは、一瞬で私の冷静さを奪うものであった。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:29:41.18 ID:j5pyzGqdO

気付けば既に妹の部屋の前。
戸を叩けば後には退けず、叩かなければ妹は鬼神の如くに暴虐を尽くすのではないか、不安が過ぎる。
けして、妹を信用していないのではない。 ただし、恐怖は感じている。

ええい、落ち着け。
自らの頬に勢いよく平手をたたき付ける。 おかけで、幾許かの落ち着きは得られたようだ。
ならば、と。
私は扉を叩いた。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:34:16.71 ID:j5pyzGqdO

ζ(゚ー゚#ζ「なんであんたはそうなの!」

部屋に入るなり行き成り怒鳴られた。 どうやら、妹は大変御立腹らしい。
はてさて、そうって言われても。 何? としか言えない。
そんな私の態度が逆鱗に触れたらしく、更に怒りが加速した。
悪鬼羅刹すら、瞬時に葬り去れるような形相。 怒り心頭とは正にこの事か。 なんて思いながらも、妹と宥める為、腕を掴もうと手を伸ばすと。

ζ(゚ー゚#ζ「触らないで! 気持ち悪いのよ!」

そんな痛烈な一言を頂いた。
そして、半ば泣きじゃくりながら叫ばれた。



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:37:08.66 ID:j5pyzGqdO

 








 
ζ(;ー;#ζ「なんでそうなったの! 何がそうしたの! 答えてよ、お願いだから答えてよ! お兄ちゃん! 」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:39:55.56 ID:j5pyzGqdO

・・・そうか、そうだったな。
確かに、お前には簡単にしか説明していなかったよ。
やはりそれくらいの歳なら、急に兄が姉になったら理解したくないか。

――――なら、詳しく話してあげよう。
と、妹に声を掛けた。



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:43:21.43 ID:j5pyzGqdO

知っての通り私は数年前、性転換手術を受け女になった。 学校ではそれが原因でいじめにあい、若干不登校気味になったのだ。

性転換手術を受けた理由は至極簡単だ。
幼少の頃から、私は自分の性別に疑問を抱いていた。 何故、男として生まれたのだろうと。
別に男が好きな訳ではない。 断じてもいいが。 ただ、自分が男というのがどうしても気に入らない。 それだけだった。
両親は女の子が欲しかったのだろう、妹が生まれるまでは、頻繁に女装をさせられた。
それもあってか、私は自分の性別が男だという事を認めなくなっていったのだ。
性転換を決意したのは13歳の頃。親に話すと、そうか。 と、ただ一言。 賛成とも反対とも言わなかった。 ただ、その為の費用は出してくれたので、反対ではなさそうだった。
手術後の私を見た両親は、流石は私の子だと私を褒める様で、実の所自分達の容姿を褒めていた。
まあ、確かに両親の顔の良さもあってか中性的な顔立ちだったので、顔は大していじらずに済んだ。



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:45:36.59 ID:j5pyzGqdO

こうして、十数年前に生まれた僕は死に、新しく私が生まれた。
――――ここまで話したところで妹と向き合う。
妹は唇を噛み締めて震えていた。その両目は赤く腫れている。
分かった? と、問い掛ける。



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:48:04.82 ID:j5pyzGqdO

ζ(;ー;*ζ「分かったけど……」

けど?

ζ(;ー;#ζ「納得出来る訳ないでしょ、馬鹿!」

 又もや、盛大に怒鳴られた。

ζ(;ー;*ζ「確かにお兄ちゃんは少し、女っぽかったけど、こんな、こんなこと……」

俯きながら、ぽろぽろと涙を零す妹。

昔はよく抱きしめながらあやしたのだが、今はそうもいかない。

lw´‐ _‐ノv「納得してくれとも、理解してくれとも言わないよ」

lw´‐ _‐ノv「ただ、何かあったら私に話なね。 何ってたって私は――――」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:49:47.18 ID:j5pyzGqdO








lw´‐ _‐ノv「お前のお姉ちゃんなんだから 」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:52:06.78 ID:j5pyzGqdO

ζ(;ー;#ζ「馬鹿! 」

一際大きい声と共に、
クッションが、
目覚まし時計が、
枕が、
ノートが、
飛んで来た。
私はそれを甘んじて受け、黙って退室するしかなかった。

こうして奇怪で愉快で不愉快に包まれた、私の日常に一旦の幕が下りる。



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:55:03.05 ID:j5pyzGqdO

廻る廻る。
狂狂廻る。
歪みも気にせず狂狂と。

私の少しズレていて、平凡かつ普遍的な日常は。
今だに変化を起こす事なく、退屈な生活が果てしなく続くことを、証明しているのではなかろうか。
もし、この輪から抜けたいのなら、自ら歪みを広げる他無いだろう。
しかし、私は変革の無い凡庸とした世界で朽ち果てたいと思う。
平凡で退屈な世界が変わると言うのなら。
明日を生きたいとは思わない。

廻る廻る。
狂狂廻る。
歪みも気にせず狂狂と。










48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:59:52.68 ID:j5pyzGqdO

以上で終わりです
支援、ありがとうございました

ぐだぐたになって、本当に申し訳ないです
[ 2010/11/22 23:16 ] スレ立て短編 | TB(0) | CM(0)

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