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( ФωФ)ささやかな怪異を含む静かな群像劇のようですζ(゚ー゚*ζ  インデックスページ

ニュー速VIP 完結作品(中編)


【時系列で言えば二話より後であるところの一話】
【時系列で言えば一話より前であるところの二話】
【誰にも話さなくても良かった三話】
【おかえりなさいをしてくれる四話】


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( ФωФ)ささやかな怪異を含む静かな群像劇のようですζ(゚ー゚*ζ  一話

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 20:17:41.79 ID:Yjl9VkA80



【時系列で言えば二話より後であるところの一話】



-ワカッテマス様は、きっとご立派な詩人になりましょう。-



下宿先の大家に占いを進められた。
碌に大学にも行かず、部屋の中で一日中塞ぎ込んでいる私を心配しての事だった。

( <●><●>)「この科学の時代に、占いなど役に立たない事はワカッテマス」

などと、散々世話になった大家に言える筈もなく、簡単な地図を手に私はその家屋を訪ねた。

( <●><●>)「目印は、立派な枝振りのコブシの木……」

手入れされた土塀から易々と身を乗り出しているコブシを見上げると、高く上がった太陽の光に軽い眩暈を覚えた。
確かに立派なコブシであった。
まるでそこにだけ、いまだ雪が残っているかのように、真白い大振りの花が枝を覆っていた。

( <●><●>)「ここ、ですね……」

占い、などと言う怪しげなものを生業にしている人間の家だと言うから、
一体どんな化け屋敷だと身構えていたのだが、
そこにあるのは、ごく平凡な日本家屋であった。


( ФωФ)ささやかな怪異を含む静かな群像劇のようですζ(゚ー゚*ζ  二話

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:10:20.36 ID:Yjl9VkA80

【時系列で言えば一話より前であるところの二話】



デレ。君は確かに我が家の犬であった。



その頃の私は、三十路も越したと言うのに相も変わらず一人身で、細々をインチキ易者などをして生計を立てていた。
酷いもので、他界した両親から譲り受けた古い日本家屋で、ほんの少しだけの仕事をする以外は、勝手気まま、好きなように生きていたのだ。
生きがいと言えば、寝る前に舐めるように飲む上等な日本酒くらいのもので、心と体を芯から蝕むような怠惰を友としていた。

雨も降っていなければ、まばやく星空も広がらない、ただ重たい黒い雲がのさばっていた冬の終わりの夜。
ぶらぶらと宵の散歩と洒落込んだ私は、とある一軒のカフェーに辿り着いた。

華やいだ灯りがともる賑やかな一角を抜けて、きつい坂道を降りた場所に、その店はあった。
暗がりの中にひっそりと佇む、こじんまりとした店だった。
もう、夜も良い時間だと言うのに、窓から黄色い柔らかい光が漏れ出ており、ドアには「ウツダ喫茶店」と書かれていた。


( ФωФ)ささやかな怪異を含む静かな群像劇のようですζ(゚ー゚*ζ  三話

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 21:40:01.90 ID:KhGCeCUl0


【誰にも話さなくても良かった三話】


―都村。お前に、このお手玉を―


旦那と二人で暮らしております。
子どもはおりません。
毎日慎ましい生活を送っていますが、おかずだけはいつも多めに作ります。

近くに住む、いつまでも一人身でいる兄に、届けるためです。

その日も、私が両手で抱えて持った金色の鍋の中には、
ぎっしりと甘じょっぱい南瓜の煮付けが詰まっていました。
朝の柔らかいお日様が、鍋のおもての細かな傷に、
きれいな様子できらきらと差し込んでおりました。

( ФωФ)ささやかな怪異を含む静かな群像劇のようですζ(゚ー゚*ζ  四話(完結)

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/21(日) 21:43:46.04 ID:h2HjSlPk0


外では春の風が吹き荒れているが、店の中は穏やかなものである。

昼食時が終わったほんの僅かな休憩時間、
少し前までの、客同士のお喋りや店員を呼ぶ声、食器の擦れ合う音、コーヒーを啜る音。
そんなものが一緒くたになって、風に飛ばされたような沈黙。

客が引けた途端に存在感を増す柱時計の秒針の音と、ノートに走らせている鉛筆の音。
デレの耳に聞こえているのは、たったそれだけである。

窓から差し込む明るい光から逃げるように、薄暗いカウンターの隅に席をとり、
日記めいた文章を書くのは、ここ最近のデレの日課であった。



【おかえりなさいをしてくれる四話】






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